soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2014/09/04 OSAKA JAZZ 2014 (H ZETTRIO、JAGA JAZZIST) @ 森ノ宮ピロティホール

OSAKA JAZZなるイベントに行ってきましたー。
他の日はハービー・ハンコック上原ひろみとかジャズなんだけど、この日だけイレギュラーなH ZETTRIOJAGA JAZZISTの2組。
会場は普段クラシックコンサートなどが行われているホール。当然座席あり。


会場に到着したけでども全然客が入ってこない……。100人いるかいないか。キャパ1000なんですが……。
後ろ半分は空席で照明も落としてる悲しい状態。前の方も空きが目立ちました。だというのに自分はなぜか人が密集しているエリアの席でしたに。くー。
両出演者とも本来回るべきところに情報が行ってなかったのでは?ライブハウスでチラシを見かけることはまずなかったし……。
後日になって”JAGA JAZZIST来日してたの?”なんてポストをよく見かけました。

H ZETTRIO

H ZETT MことP◯Zのヒイ◯ミさんを中心とした*1パンキッシュなジャズトリオ。
今年のフジロックでのアクロバティックな写真が話題になってましたね。


まずH ZETT Mさんが登場してピアノを軽快に演奏スタート。続いてドラム(スタンディング・ドラム)、ベースがやってきたかと思ったらH ZETT Mさん立ち上がって退場。また戻ってきてピアノを弾きだしたと思ったら今度はドラムが退場。次にベース……と3人が出たり入ったりしながら演奏する面白い演出。
演奏は3人ともファーストタッチからトップスピードにギアが入るのが素晴らしい。


H ZETT Mさんは東京◯変はもちろんP◯Zでも派手なプレイをかましてます。でもどこかでブレーキをかけてバンドに譲る場面があります。しかしH ZETTRIOではそれがない。”ドゴゴゴゴ!”と音の詰まったリズムの上をヒイズミさんが大爆走するのは見ていて/聴いていて爽快です。
これでもか!とテクニックを見せつけてるわけですが、メロディはポップでとても聴きやすいのも良い。スターウォーズのテーマのカバーとかもありました。よかった!


後半になるにつれどんどん熱を帯びていく演奏。グランドピアノでもH ZETT Mさんの右足はよく動きます。
途中でショルキーに持ち替えて右手で背面弾き+左手でピアノなどアクロバティックな演奏を簡単そうにやる。このパートではケミブラ的なウニョウニョテクノフレーズが生で、しかも倍速ぐらいのスピードで演奏されるのがめちゃくちゃカッコよかったです。


イスの上に寝そべって高速で弾いたりととにかく魅せる!エンターテイメント!
終盤の曲(「みんなのチカラ」かな?)で超高速で最高のフレーズを弾く”うわーーーーーー!”って鳥肌が立ちまくる絶技がありました。


事前にyoutubeとかで見てたかぎりもっとミスタッチ多いかと思ったけどそうでもなかったです。期待値を大きく上回って素晴らしかったです。こんなライブならフジロックは盛り上がっただろうなぁ。


JAGA JAZZIST

ノルウェーの9人バンド。エクスペリメンタル・ジャズとか言われることが多いけど音響派ポストロックってな要素が強い。


複雑なJAGA JAZZISTのセットを休憩時間のわずか20分で転換。この手際の良さは拍手モノだなぁ。
9名が登場。ドラムが斜めにセットしてるシンバルで見えない位置だったのが残念。


一曲目……あれ?音がなんだか優等生すぎる……そしてホールのわりに小さくこじんまりとした感じ。やばい予感がするぞ……。
あともっとサイケデリックな照明が欲しかった気もする。照明って重要ですね。


2曲目。New Songとのこと。
コズミックでだいぶテクノ寄りの楽曲でめちゃくちゃ良かったです。ダンスフロアでかかってもいけそうな。ライブ開始時は不安になった音響もしだいに馴染んできて2曲目が終わる頃には違和感無しになってました。


ほぼ全メンバーがコロコロと楽器を変えていくのがスゴイです。曲中でもどんどん楽器が変わってく。さっきまで3人のメンバーがブラス楽器を演奏をしてて”たしかにジャズかな”と思ってたら、次の曲ではトリプルギターで音響派なサウンドを鳴らしてたりする。この面白さ!
唯一の女性メンバーが異常にトランスした状態でタンバリン叩いてるのがツボりました。


曲は「Bananfluer Overalt」「Book of Glass」「Music! Dance! Drama!」「Prungen」など。何度かNew Songと言ってましたがほとんどがライブ盤『Live with the Britten Sinfonia』で演奏してる曲でした。
バリトンサックスがテクノな反復フレーズでジワジワと迫ってきて有名なオリエンタルフレーズで弾ける「One-Armed Bandit」はライブのハイライトのひとつ
曲名の前半を”Osaka”に変えてコールした「Olso Skyline」。手拍子を煽りまくってきた「Touch of Evil」など。


アンコールでは「Stand Up!」との一声で大半の人が立ち上がって揺れながら見てました。みんな立って聴きたかったんだろうなぁ。
でも場所によって空気が違う。座ったままのエリアもあったし、ゆったり踊れてるエリアもあったし。席エリアの差がけっこうデカかったですね。


彼らの音楽は席に座りながらでも楽しめる音楽ではあると思います。でもそのためには、それ相応のステージライトアップが必要だし、JAGA JAZZIST目当ての多くの客の求めるモノはそことはズレてた気がします。結果、演奏は良いけど奇妙な空気が抜けないままライブの最後まで行ってしまいました。
個人的にはどっしり席に座りながら音に浸ってみたかった。ただこのホールの席と席の間が意外と近くてあんまり落ち着いて聴けないかったんですよね。



客の熱中具合はバンドでけっこう別れてました。このツーマンだったらどっちも好きな人多そうなんだけど、案外そうでもなかったのかも。


今回は事前の期待値とは違ってH ZETTRIOの方が楽しめたかもしれません。

*1:ヒイ◯ミさんとP◯Zのリズム隊のバンド……というのは秘密らしいです。バレバレだけどw