soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2014/10/02 Diamond Version、Emptyset、Kyoka、Ueno Masaaki @ CONPASS


ストイックで知的な電子音楽をリリースするレーベル・RASTER-NOTONのジャパン・ツアー。所属するアーティスト4組が出演。
目当てはAlva NotoとByetoneのユニット・Diamond Version。出演してたTaico'13には行ってるんだけどどんなアーティストか知らずにスルーしてました。


スタート5分前ぐらいに着いたら客が20人くらいしかいなくて「え、こんなのも?」と驚きました。Diamond Versionはそこそこネームバリューあると思ってたけど……。
最終的には50〜60人くらいまで増えたんでしょうか。少ない気もするけど見る側からすればそこそこ盛り上がって移動しやすい人数。

Ueno Masaaki

大河ドラマの指揮やファッションショーの音楽などをやってたバリバリ音楽教養ありな人らしい。
しかし、この日に鳴らされた音はリズムずくしの激ストイック。大河ドラマと1ミリも結びつかないような音楽でした。
”ドゴゴゴドゴゴゴ”とキックが鳴ってる拍が鳴ってない拍より多い。ドリル的なドゴゴゴ具合。WUMPSCUTの肉/有機的を削ぎ落したような印象を受けました。
シンプルなVJも面白い。細かい情報が無い映像がゆえに色が変わると空間が変わったような気分になりました。


ただ音圧がちょっと弱くて迫力不足に感じたところも。PAの問題かな?Uenoさんに限らずこの日は全体的に音が弱かった気がします。


Kyoka

RASTER-NOTON史上初の女性アーティストなんだとか。ちなみに日本人。


グリッチ系のような粒子の細かい音使い。クリリっと神経を刺激する音が気持ち良いです。
こういう音だとリズムは抑えめだったり、ヒップホップ / エレクトロニカ系のビートなことが多いんですが、この人の曲はビートがしっかり鳴ってて踊れる、ってのが一番気に入ったポイントです。静かに狂わせていく感じ。


kyokaさんはアーティスト写真を観るかぎりじゃ大人の女性でちょっと近寄りがたいイメージがありました。でも実際に見てみると若々しい感じ。髪を縛ってたのもあるのあるのかな?
クールな表情でクールなライブを繰り広げたあと、ハニカミながら帰っていくのがかわいかったー。
バーカン横で談笑してるのを眺めてたらどうやら天然さん?意外とラフな感じ。このギャップはいいかも。

Emptyset

ヒップホップビートよりさらに感覚が広がったような変わったビート。
他の出演者と同じく知的な空気を持ってるけど、もっと肉体的でグイグイ飛ばしてく感じ。


浸りながら踊れましたー。


Diamond Version

ついに本命!アルコールも大量に摂取していい感じにトランスしはじめてました。


執拗に繰り返される無機質なビートがたまんなかったです。この時は音圧(PA)の弱さとか気にならなかった。ワンリズムで押し通すストイックさ…というより頑固さ。そこに乗る威圧するような最小限のウワモノに持ってかれました。とても良い緊張感。
がっつりアルバムの曲をやってくれたのも嬉しい。


「Live Young」はCDだとそこまで好きとは思わなかったんですが、ライブだと……ヤバイ!少しづつ上がっていくカウントダウンに天井知らずにテンションが上がっていきました。自分も周りもかなりワイルドに踊りまくってた。ByetoneとAlva notoの意のままに完全に持ってかれてました。
他にはブレイクビーツ調のリズムの「Technology at the speed of life」、ベースがブリブリ唸ってる「empowering change」、シンプルな16beatに上昇気流音で盛り上がっていく「Turn on tomorrow」など。CDで”カッコイイ!”と思った部分がライブでもそのまま”カッコイイ!!!!”ってなる。


Byetoneは短髪。くっきりした顔立ちで想像以上にイケメン。Alva notoも殺さんがばかりの冷徹な目でPCを弄る様がかっこいいなー。この人たちは音も見た目もストイックです。


アンコールではKyokaさんを呼びこむ。曲はもちろん「Feel the Freedom」。Kyokaさんは声に専念。”イラッシャイ ト イッテラッシャイ”はCDより崩した言い方で音楽的なラップって感じがしました。こっちのほうが好きかも〜。ライブだと”イラッシャイ〜”より”ハッ! イマカラ ムジュウリョク”のフレーズのほうが耳に残ったのも意外。


そのままKyokaさんも残ったままに「Get Yours(Edit)」がラスト。Diamond Versionにしてはロック色の強いアレンジメントにKyokaさんのアグレッシブな声がうまく絡み合っててめちゃくちゃカッコよかったです。



素晴らしいライブをしたすぐあとに突然始まったAlva NotoとByetoneで普通の四つ打ちなDJサービスタイム。これがまた楽しくて終電ギリギリまで踊らせていただきましたー。Alva NotoのDJって意外と普通な感じになるんですね。


レーベルのイベントだけあって統一感のあるサウンドを浴びれたし、なにより本命のDiamond Versionが期待通りに良かった!めっちゃ楽しかった!!