soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2014/12/06 ノイズトレイン(伊東 篤宏、鈴木 昭男、和田 晋侍) @ 京阪中之島線-車内


京阪なにわ橋駅にあるイベントスペース・B-1アートエリアを中心に開催された鉄道と音のイベント「音のステーション」の催しのひとつ。主催はB-1アートエリアを運用してる京阪と大阪大学ってことになるのかな?


その名の通り「走ってる電車の中でノイズ演奏しよう」ってイベントです。
フェスティバルFUKUSHIMAのノイズ電車の動画を見て「これはヤバい!体験したい!!」と思ってたので”ノイズトレイン”が発表された時からすごく楽しみにしてました。




集合場所の中之島駅に到着。想像してた以上に人が集まってる!ノイズなんてニッチなパフォーマンスなのに驚きました。中之島周辺は僕の職場近くなんですが、日常として存在してた駅にイベント待ちの人たちがいる。そんな駅の異様な空気がこのイベントで一番ドキドキしたかもしれません。
一度乗車すると約1時間半は降車できないので念入りにトイレへ。



時間になって電車へ乗り込む〜。電車は当然ながら普通の電車。ただ普段の電車には絶対ないモノが鎮座してました。うわー、どきどきするなぁ!



発車〜。
車掌さんによる通常業務と変わらないトーンによる「ノイズトレイン号〜」のアナウンス。ちゃんと停車駅も言うのに笑いました(笑 


3人のパフォーマーが車両別に同時演奏しているので、客は車内を自由に移動してOK。
まずはオブジェと化したスピーカーが強烈な和田晋侍さんの車両の席でスタンバイ。結構な近さにスピーカーがあります……。

和田 晋侍


セットのインパクトがデカかった〜。


明確なビートもなく静かに叩き、ドラムと連動するノイズ発生装置か音を出してました。
和田さんの知的な部分が前面に出たドラミングでパワーで押すような場面はほとんどなかったように思います(自分がいなかっただけ?)
カーブで和田さんの後ろの車両がうねるのと音が合致するとこれ以上なくドライブ感ありました。 


和田さん水内さんみたいな丸サングラスかけてて怪しさ抜群。折り返し地点で停車したとき、外のホームの一般人を不敵な笑みで眺めていたようにも見えました。


音量は意外と小さかったような……。一発一発がドカンドカンくると思ってたからちょっと物足りなかったかも、ってのはあります。
でも最後、到着のときのドラム乱れ打ちはすごかった!ドアが空いても数秒間爆叩きっ!


鈴木 昭男


糸電話みたいな創作楽器を使ってのパフォーマンス。風切音とか、女性がむせび泣く声にも聴こえる、いままで楽器としては経験したことのない音を出していました。音量は非常に小さい。


静の音ですがパフォーマンスは行動的。
割り当てられて2両の車両を移動しながら糸電話の先を吊り革に取り付けたり、乗客に持たせたり、席に座って演奏したり、時には他のパフォーマーがライブしてる車両に乗り込んだりもしてました。(セッション的な面白みは音量の関係で難しかったようです)


自分の好み的に他の車両ばかり居て鈴木さんのパフォーマンスはほとんど見れてないのですが、3人の中で”車内”というシチュエーションを面白く扱ってた印象があります。
椅子に座りながらゆったりと聴いてたら面白かっただろうなー。


伊東 篤宏


イプトロン*1の光を際立たせるため、車両の窓という窓にカーテンを付けて暗くしてました。


オプトロンのソロパフォーマンスは初めてみたいんですが…カッコ良すぎてほとんどココにいました!
ジジッっていうノイズの発音/途切れを完全に操ってテクノを作り上げてた。こりゃノレル!
脇のスタッフの娘のうしろ髪がパンデグラフ触ったみたいにカーテンにひっついてたのが、伊東さんのオプトロンが強烈な電磁波を発してるみたいでええ感じだったなぁ。単純に静電気?それとも本当に何か出てた?


電車のイスでノリノリになるっていう日頃やりたいけど抑えてことがここでは出来ました(笑
自分が身体動かしてるのか電車が揺れてるのか区別がつかなくなるのは電車ライブならでは。


音はめっちゃ良かったんだけども、カーテン閉めて暗くしてたんで景色と一緒に楽しめなかったのは残念。ただ想像力はすごい働いた。頭ン中で走ってるのは京阪線じゃなかったな……FF7のミッドガルかな?(笑
今思うと真っ暗な車内ってのもコレはコレでレアなシチュエーションです。



ライブ中も車内アナウンスがあると音を止めてちゃんと聴くのが大人でした(笑
ホント、クールでかっこいい人だなぁ。







今回のノイズトレインは語らず黙々と音を出す人ばかりなのでフェスティバルFUKUSHIMAのノイズ電車みたいなハチャメチャな感覚はありませんでした。あのカオスを期待してたの「あら?」ってところは正直あったかも。
あと「うおー、電車でノイズ鳴ってるぜー!」と楽しそうに乗ってる/聴いてるお客さんがあまりいなかったのも気になったかも。結構みんな冷静だった印象。寝てる人も何人か。 逆にスタッフはすごい楽しそうに参加/仕事してた気がします。


と、気になる点もちょこちょこあったけどホント珍しい体験で楽しかったです!!
ぜひまたやってほしい!


*1:蛍光灯を使った創作楽器