soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2014/12/24 PE'Z @ 梅田AKASO


突如2015年末の解散を発表したPE'Zのライブ。まだ解散まで1年あるけど見れるチャンスがあるなら見といた方がいい……と勘が反応したので行ってきました。


PE'Zが世間に知れ渡ることになった「AKATSUKI」がリリースされたのが僕が高校の頃。ロック好き、ジャズ好き、そしてポップス好きもこぞって”このバンドやべぇぞ!”と大騒ぎになったのを覚えてます。普段音楽の話をしない友達の境界線を取っ払ったPE'Z。そんな思い出のあるバンドです。


開場前、壁に貼られてるラストツアーのポスターを見ると……ふむふむ全国42箇所をまわる…大阪はと……あれ?ない?やっぱり来てよかったのかも。




まもなくしてメンバー紹介のナレーションとともにひとりづつ登場。
一曲目は思い出深い「AKATSUKI」。日本人の力強さを感じさせるサビのメロディが胸にグサっと刺さってきて早くも泣きそう。あれここまでいい曲だっけ?その勇ましさにハートを揺さぶられました。


そこから次々と”サムライジャズ”が繰り出される。もうカッコイイの一言。
ジャズだとかパンキッシュだとかテクいだとかの前に溢れ出る”サムライ感”。”和”とも違う、演奏/曲から滲み出てて日本の凛々しさ。これこそPE'Zの最大の魅力だよなぁ。
ズバッと決まる瞬間は居合い抜きを見てるような感覚。剛の美を感じる演奏に鳥肌が立ちまくりでした。
特にヒイズミさんがスゴすぎて……足をキーボードスタンドに乗せての鬼みたいな速弾き。氏の他プロジェクトの演奏とはまた違う、ヒイズミさんのあのプレイはPE'Zでしか見れないもんなぁ……。


「Hale no sola sita〜LA YELLOW SAMBA〜」とかもめっちゃ盛り上がり、今夜はクリスマス・イブということで一度も演奏したことのなかった優しいオリジナル・クリスマスチューンも披露。


語りたいこともいっぱいあるんでしょう。MCは多め。
そこでわかった”うまく伝わってなかったかもしれないけど、今夜が大阪ラストです”。これには会場全体が固まりました。2015年はまだ活動するって言ってたからまさかこんな早くにお別れが来るとは思わなかったでしょう。ナニカを感じとって来たけど……来てよかった。


ショッキングな発表のしんみりしたムードの中で演奏されたのが実質ラストアルバムになった『血騒』のラスト・トラックであり、ラストツアーのタイトルにもなってる「Startl ine」。踊らせるより聴かせるタイプのミドルテンポ曲。メロディラインが希望感にあふれた素晴らしい旋律で……もうボロボロと泣きました。


しんみりモードからすぐに切り替えてパワフルなPE'Zの演奏がカムバック。大好きな「花咲クDON BLA GO! 」は死ぬほどかっこよかったです。


そこからは落ち着くこともなく突っ走りました。アンコールもしんみりした曲で終わったりなんかせずにひたすらハッピーな曲と演奏で終わってった。
たぶん最後の最後のライブもあんな感じに涙と楽しさでぐちゃぐちゃになって終わってくんだろうな。そんな未来の光景まで見えて泣きそうだし笑顔が止まりませんでした。




ラストライブでこんなん言うのも変な話だけど「ここまで良いバンドだっけ?!」ってぐらいに良かった。いままで見たPE'Zで一番魅力的なライブでした。しんみりしたのはほんの数曲だけ。他は力強さとPE'Zというバンドの素晴らしさに震えて泣きました。解散へのカウントダウンがはじまってるバンドなのにめちゃくちゃポジティブなライブだったなぁ。


帰り道、目を潤わせながらAKASOから阪急までトボトボ歩く僕の姿は、端から見たらクリスマスイブになにかあった男にしか見えなかったでしょう……。


PE'Zは日本の音楽史に残るバンドです。最低でも僕らの世代にとっては。
年始のラストツアーを回って、そのあとお世話になったフェスに出て、年末の東京ワンマンで解散らしいです。
フェスは何に出るんだろう?あと一回くらい…フジロックみたいな最高のシチュエーションで見たいな。