soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2014/07/26 FUJI ROCK FESTIVAL '14 2日目(ウルフルズ、ヒカシュー・フリーインプロヴィゼーション・サミット、大友良英スペシャルバンド、NARASIRATO、山本精一+勝井祐二+沼澤尚+内田直之、ザ・クロマニヨンズ、BLACK KAT BOPPERS、YOKO ONO PLASTIC ONO BAND、ARCADE FIRE、Steve Hillage and 勝井祐二、The fin.、JUNGLE BY NIGHT)

ミッドナイトフジから2時間ほどの仮眠で目覚めた二日目。明らかに睡眠時間が足りてない!目覚めから体力がスッカラカンな状態〜。


食べないと体力も回復しないのでオアシスへ。あまり並んでない&スルっと食べられるモノ、ってことで大阪名物のかすうどんを食す。
フジロックで大阪ってのも食べるのもどうかな」って思ったけどこれがビッグヒット!汁に牛の味が染みこんでてめっちゃ美味い!これが天かすに染み込んでてて”うほーーーっ”てなります。大阪で食べるより美味い気がする(笑)今回のフジで唯一リピートしたフードです。いや美味い!


エネルギー充電も完了したんで”今年のフジ”の大本命・ウルフルズへ!初ウルフルズ。音楽好きが集まるフジという場でウルフルズが見れるのが嬉しいのですよー。わかる人はわかってくれるはず。



人の量は初日より確実に多い。ARCADE FIRE効果か?

ウルフルズ (Green Stage)

早い時間帯からGreen Stageいっぱいに人が集まってました。なかなかの人気っぷり!


鋭いギターカッティングからの「ガッツだぜ!」。いきなりの有名曲で大歓声&大合唱。みんなが知ってる曲は強い!
トータス松本の声は人情溢れてて良いなぁ。ウルフルケイスケさんもステージを駆けまわって魅せてくれます。


「SUN SUN SUN」は皆で手を左右に振る。J-POPのライブでありそうな光景がフジロックに違和感無くハマっちゃう。そんな空気をウルフルズは持ってます。
かと思えばWHOの「Summertime Blues」の関西弁カバーをフジへプレゼントする場面も。「借金大王」は腰が動いちゃう。ブギウギしちゃう。
ニューアルバムから「どうでもよすぎ」。さらにもう一曲最新作から「ヒーロー」。肯定メッセージのメジャーコード・バラードなんですがコレが突き刺さる!
フジの大自然とか関係無しにバンド 対 自分。自分 対 メッセージと密な関係を感じることができました。「おれのヒーロー」って言葉にがっつり胸を掴まれた。


後半は名曲ラッシュゾーン。
「バンザイ〜好きでよかった〜」。最初の”イェーーー!(君を好きでよかった)”でブルっときました。大歓声。みんなでバンザイして熱唱ー。
ザ・全肯定ソングの「ええねん」。一緒になって顔を歪ませるまで気合いれて”ええねん!”って叫びました。ギターソロもかっこよすぎ。フジロックで聴くええねんってのは「大人になっても野外フェスで音楽にまみれててええねん」「周りを気にせず踊りまくってええねん」って色んな意味で肯定してくれる気がして……もうガチ泣きですよ。


そして最後に「いい女」。イントロのトータス松本のブルーハープで鳥肌。”お金より 見た目より 車より 心意気♪”この歌詞が大好きなんです。”いい女〜♪”のコーラスは歌っててめっちゃ気持ちいい。
最後のサビを歌って意外とあっさり帰っていくトータス松本。バンドは演奏を続けてる。ケイスケさんが「もう一度トータスを呼んでくれ!」と煽ってトータスコールがGREENに充満。するとどこまでもドン臭くてカッコ悪い踊りをしながら、でも満面の笑顔でトータスが後ろ向きに戻ってくる。このシーンがものすごく感動しました。”カッコ悪くてもええねん!心意気やねん!”ってその場で体言してるようで。トータスをどアップ
で捉えるカメラさんの抜き方もまた最高でした。
戻ってきたトータスはもう一度ブルーハープをかまして、何度も”いい女〜”とシンガロングして盛り上げていきました。


もう最高すぎた!
期待してたアクトがさらに期待以上のモノを見せてくれました。
しっかりロックしながらみんなが知ってる。そんなバンドっていいよなぁ。魂を揺さぶるライブでした。


ヒカシュー・フリーインプロヴィゼーション・サミット (Orange Court)

ウルフルズからヒカシューに移動して一気にどんよりなムードに。


ヒカシューは詳しくないんですがヒカシューの曲にインプロをかましまくる感じ……だったのかな?
ジャズ寄りで思ってた以上にオサレ。テルミンの使い方が独特でした。



次はGypsey Avalonへ。通り道のField of Heavenでは加藤登紀子が名物の「Power to the people」を歌ってました。

アトミックカフェ 大友良英スペシャルバンド (Gypsey Avalon)


リハ中、突然に「あまちゃんのOP」が始まってみんなワラワラとステージに群がりはじめました。
Gypsey Avalonの坂道にものすごい人が集まってました。坂の一番上まで行っても人がいっぱい。斜面の木にしがみつくようにして見てる人までも。なんとなくインドの列車を思わせる風景でした;


あまちゃんビッグバンドの少数精鋭隊みたいな感じなのかな。
女性ベースがものすごいエグい音を出してました。本当に女性ですかってなレベルでゴリゴリ。


曲目はあまちゃんに限らず色んなアーティストの曲をビッグバンドの音でカバー演奏してました。
メンバーは一緒だけど”あまちゃん派生のバンド”というより”こういう音を出すバンド”と捉え直して色んな曲のカバーをしてる感じ。先ほど書いたエグいベースを筆頭に、TVサントラの枠から飛び出したナニかを感じました。コレはいい!
ジム・オルークやりまーす”と言ってたけどなんの曲かわからず。でもめっちゃ気持ちよかった。すっかり大友良英スペシャルビッグバンドの音になってました。


あまちゃんときたら次はチェ・ゲバラですね”と謎の連想を続けるMCが粋で笑いを誘う。大友さんの語り口も大友良英スペシャルビッグバンドの強みの一つですよね。言葉によって音楽の意味が強められるのはあまちゃんコンサートでも感じました。


最後はあまちゃんに戻ってきて「灯台」。シューゲイザーのように広まっていくこの曲を、苗場の山をバックにして聴くと尊さ感じました。
あまちゃんで得たモノをしっかり次のステップに昇華してる。そのひとつの到達点としての今回のフジロックでのライブではないでしょうか。
ゴールへと向かっていくBGMのような幸福感。それをメロディだけじゃなく音響で感動を届けるのは大友さんらしい。染みるものがありました。


大量の人に揉まれながらステージを離れると……腰にかけてたタオル無くした!Back Drop Bombの限定タオルなんでショック!!

NARASIRATO (Orange Court)


見たことのない民族楽器。でもどこかで聴いたことがある音な気もします。お祭り騒ぎではなく落ち着いたトライバルミュージックを横目にストーンサークル


雨が降ったら超泥沼なる道ですが、初日からずっと晴れてるのでスイスイいける♪
着いたらちょうどドラムサークルやってました。



ライブをやってるステージとはまた違う、不思議な空気の場所ですよね


下界(?)に戻ってきてダメ元でタオルを探しにGypsy Avaron付近へ。すると……あった!2時間ぶりのタオルとの再開です。その直後に知り合いにばったり会ったりもして……フジロックって広いようで狭いとこもあるんだなぁ、と。

山本精一勝井祐二沼澤尚内田直之 (Gypsey Avalon)

ギター+ヴァイオリン+ドラムの3人がステージに。山本さんはイスに座ってました。DRY & HEAVYのエンジニアとして有名な内田直之さんはPAブースにスタンバイ


音響派の穏やかな演奏から時間をかけてジワジワと激しくなっていく。
ROVOとはスタイルは違うけどトランスしていく気分は通じるものがあります。DIYHEARTの勝井さんの音源が一番近いかな?



坂道に座りながら聴いてました。
ここまでの疲れと程よい日差しでコックリコックリと眠りそうになりながら聴いてました。眠気から意識が戻るたびに演奏がすごくなっていく。気付いたら”シュゴゴゴゴ!!”と恐ろしいドライブ感のある音になってました。
演奏のテンションとともに興奮していく山本さん。ついには”プツン”ときたのか立ち上がってイスをステージ端へ放り投げる!そして恐ろしいスピードの高速ストローク!!めっちゃ興奮したっ!!!!


眠気で意識が途切れ途切れだったのと右肩アガリに盛り上がっていく演奏が良い感じに噛み合って、終わったあとは現実味のない高揚感に包まれました。


今年のフジでの山本さんはとにかくモノを投げてました。ROVOのぼうし、大友盆踊りバンドのうちわ、そして今回の椅子。「もの投げるなや」なんて歌を歌ってる人とは思えませんでした。


ザ・クロマニヨンズ (Green Stage)

数ヶ月前に発売されたシングル集を聴きまくってたので楽しみにしてました。
するとシングル曲を全部やってくれた!神セトリ〜


ヒロトは髪を少し伸ばしててチバユウスケみたい。えらくイケメンになったなぁ。


とにかくマーシーヒロトがカッコよすぎる!
興奮して前方へダッシュ。フジ・グリーンステージの前線モッシュを初体験でした。拳振り上げて、握りしめて、ヒロトみたいな動きでノッて。理性や羞恥心はどっかいってました。楽しい〜
ファンも広い年齢層だけどみんながヒロトに熱中してる。騒ぎながらもキラキラした目でステージを見てました。


「タリホー」のイントロギターで興奮して、「グリセリン・クイーン」のシンガロングを熱唱して、
「スピードとナイフ」のベースでツイストして、「突撃ロック」の”永遠です”の意味を噛み締めながら叫んで、おそらく人気のない移植曲「飛び乗れ!!ポニー!!」もやって、めっちゃ晴れてたけど「雨天決行」で騒いで、「炎」でヒロトマーシーが”僕らはただの友達じゃない もうただの友達じゃないんだ”の歌詞で泣きました。


シングル曲コンプしてるのに新曲も2曲「キスまでいける」って曲の「雲は浮かんでた。僕たちは違った。僕たちは飛んでた。風とは反対の方向へ」って歌詞に本気で心打たれました。終わったあとに「はじめてで不安だったけど上手く出来た」と照れながらしゃべるヒロトがかわいかった〜。



最後に「クロマニヨンズ・ストンプ」をかまして、ケツを出しながら退場していくヒロト
その様子をしっかり捉えるカメラ。フェードアウトするように白くなるスクリーン。なんか絵になったなぁ(笑


ただただ最高でした。
シングル集の13曲+新曲2+弾丸ロックにクロマニヨン・ストンプの神セトリ。どうなっちゃうんだろう?ってくらいにテンションあがった。これ以降のフジで、自分の踊り方がヒロトっぽくなってた気がします(笑


BLACK KAT BOPPERS (苗場食堂)

オアシスの世界の食事コーナーで名物パエリアを食べながら。このパエリア大好きなんですよねー。


ゴキゲンなロカビリーを。オアシスでこういうのやられると否応なしに盛り上がりますなー。
ドライブの曲でハンドルを持ったジェスチャーしながら歌ってるのがカッコよかったスっなー


YOKO ONO PLASTIC ONO BAND (Red Marquee)

衝撃的なライブ映像により(悪い方向に)時の人になったオノヨーコ。一応興味はあるのでちょこっとだけ見てきました。


バンドメンバーはPIKAさんや小山田圭吾などとても豪華。
ヘビィなギターリフをバックに全編ドンウォリ的ヴォーカリゼーション。たまにほぼ喘いでるような場面も……。すごいばあさんだ;


個人的にはキテレツさとか抜きに素直に楽しめました。サイケデリック・ジャムな感じがあった。
オノ・ヨーコのヴォーカリゼーションはある意味スカムですよ。なんか癖になるし、ゾクゾクするし、くだらないとも思う。
生で聴いたら歪んだバンドサウンドの中に(良い意味で)飲み込まれて面白い。


動画ではバカにされまくってるけど実際に見たらなかなか良かったですよ、ってのは書き残しておきたいです。


ARCADE FIRE (Green Stage)

今年のフジが打ち出してきた目玉なだけあってGREEN STAGE一面に人が。一番集客力あったと思います。ただ去年のBjorkほどではなかったかな?というかとにかくイスやシーツでの場所取りが多かった印象があります。一人の占有率が広い。
そこまで好きなバンドでもないので後ろの方で見てました。



ライブは大掛かりなエンターテイメント。
ミラーボールマン、巨大スクリーン、役者……色々なギミックが飛び出してきてミュージカルを見てるみたい。ただどうもこのバンドのメロディセンスが好きになれないんですよね。なんか脳に入ってこない……。そんなモヤモヤした気持ちを持ちながら見てました。


キーボードを(主に)弾いてる人*1の暴れっぷりが奇人っぽくて好きでした。でもあんだけ動き回ってるのにスクリーンにほとんど映らない不思議。どんな顔の人なのか最終的にわからなかった(笑


”ひと目だけManic Street Pureacherを!”と途中でWHITE STAGEへ移動。運悪く(?)ジェームスが弾き語りをしてる場面で特にグッとくることもなく……すぐにGREENへ戻る。


戻ってくるとサブちゃんもびっくりの大量の紙吹雪が。「Here comes the night time」の大合唱。さすがにコレには気分が高揚しました。もしかして一番見とかないといけないところをピンポイントで見逃したのでは……。


最初のころにいた場所より少し前に言ったら迫力がかなり違いました。周りの盛り上がりも。


うーん、今回のフジで一番気分が乗らなかったアクトかなぁ。
自分の立ち位置もある。気分もある。でもやはり根本的に曲が合わなかったのが大きい気がします。



Steve Hillage and 勝井祐二 (Pyramid Garden)

テントエリアからPyramid Gardenへ。やはりいい場所〜。
人通りの少ない夜道を歩いてると聴こえてくる勝井さんのバイオリン。なんですか、この夢の国の道は〜。


おそらく即興のに2本勝負セッション。
最初は音響派な音でドリーミーな世界を演出し、後半のセッションではリズムマシンのビートが入ってくる。踊れるけど暴力的ではない。ビートが入ってからも癒し系としても聴けるような優しい音でした。


絶妙なマイルドさ。この二人ならではの2セッションで終了。心地よかったです。まさに夢見心地になれた〜。


The fin. (Rookies a gogo)

Rookies a gogoも一組ぐらい見ておこう、と。やってたのはイベントや対バンで最近よく名前を見るThe fin.。


クールに尖ったワルガキって感じの佇まい。この若さにて日本人離れしたインディーズミュージック感。目隠しして聴いたら日本人ってわからないかも。
でも良かったかというと……けっこう微妙なところ。なんかグッとくるメロディやビートがなかったなぁ、と。


今回は良さを見いだせませんでした。
PAが悪かったという話もあるし、今後も見ることになりそうなバンドだし……どうなるか。




日が落ちてぐらいからその傾向はありましたが、どうも体調がよろしくない。喉が痛い。風邪?晴れてのフジロックの砂嵐にヤラれた?後者であってほしいなぁ。



Rookies横のPalace of wonderでちょっと過ごす。あいかわらず”ここは本当に日本か?”と疑いたくなる異空間。今年の見世物はコメディ色の強いプロレス。個人的にはよくわからない文化ですなー。バカになればわかるのか?


JUNGLE BY NIGHT (CRYSTAL PALACE)

Palace of wonder内に設置されたテント型のライブエリア・CRYSTAL PALACE。
昨年は入ってないので入るのは初。中の様子がわからないから初入場はちょっと緊張しますよね。


中は結構広くて木造の床のサーカステントみたいな空間が広がってました。
室内サウナみたいにアホみたいに盛り上がってる。ここは日本か?


なによりライブをやってるバンドの演奏がすごい。アフロビートをハイテンションでやってるみたいな。
MCやアクションで煽りまくり。
”叫べーーー!!”とか”騒げーーー!!”とか振り付けを教えてフロア全体に”あとに続いて踊れーー!!”とか、そんなアジテーションがドカンドカンと決まっていく。
人間臭いビートからテクノ的に盛り上がってく曲もあり面白いサウンド。熱気でムンムンしたテントの中にいると体調が余計悪くなりそうだったけど最後まで見てしまいました。Crystal Palaceの雰囲気も含めて衝撃的でした。


翌日にオレンジコートに出るとのことなので行こう!




テントに戻ると体調はやはりよくない。喉が痛い!とりあえず寝よう〜。



二日目はとにかくウルフルズクロマニヨンズと日本の熱いロック二組!魂震えまくりました!!!


ARCADE FIREは話題だし見といたけど……個人的にはあんまり。あと冷やかしがてら見ておいたオノヨーコは普通に痺れました。ってなんだか通ぶってるみたいなコメントですね(笑

*1:ARCADE FIREは次々とパートが変わっていく