soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2014/08/16 SUMMER SONIC 2014 一日目(AZEALIA BANKS、ファンキー加藤、CHARLI XCX、BANKS、矢沢永吉、BEN WATT、METRONOMY、森高千里 with tofubeats、KASABIAN、PIXIES)


当然のことながら今年も行ってまいりました。
初日はAZEALIA BANKSとBANKSの女性2人が一番の目当て。トリのKASABIAN→PIXEISも発表時はパッとしなかったのですが新譜がめちゃくちゃ良かったので楽しみにしてました。


普段はタクシーで行くのですが、今年はコスモスクエアのシャトルバスが空いてるとの情報を手に入れたのでそちらへ。実際にまったく並ばず……どころか席がいっぱいになるのを待つような状態でした。


会場の舞洲に到着した瞬間に豪雨!大粒の雨と強風でリストバンド交換所はパニック状態に。防水スニーカー履いてったり、レインコート持ってったり……と雨対策はしてたんですけど突然の豪雨になすすべもなく靴の中は水日だしになりました。正直いきなり心折れかけた……。


強い雨はすぐに止んだのですが地面はビショビショ……過酷なサマソニになりそうです;


フリーテントエリアに荷物を置く拠点を準備してから…まずはマウンテンへー。

AZEALIA BANKS (Mountain)

サマソニ'12でジャミロクワイのドタキャンで悲しみに明け暮れる客達をパワフルなリズムで大逆転大盛り上がりに変えたAZELAIA BANKS。


スタート時間を一時間も間違えるミスをしてしまい、マウンテンに着いた時にはすでにライブが始まってました。
どうやら新曲の「Heavy Metal And Reflective」も「Yung Rapunxel」すでにやってしまった様子。残念!特に前者は歌詞に出てくるんでサマソニ大坂で聞けるのを楽しみにしたたんですがー。


赤色のレオタード(?)という奇抜なファッションに見をつつんだAZEALIA BANKSはラップもボーカルもうまい。EDMとは違うアグレッシブさを持つ楽曲は好み直撃。下品と情熱的のスレスレの空気で踊るダンサーも空気出してる。


しかし雨によってマウンテンの地面は田んぼ状態になっており、おかげで踊ってる人がほとんどいなかったのが残念。
照明の無い野外だとどこか寂しく感じるステージ上もあってイマひとつノリきれませんでした。
期待値が大きすぎたのかなぁ。狂乱の盛り上がりを見せた'12の印象が強かったので……。


ファンキー加藤 (Ocean)

元Funky Monkey Babyのソロ。
Oceanを横切るときにラスト一曲ぐらいだけ見えました。


ステージに仰向けになって叫んでて全力の良いライブをしてたんだろうなぁ、と。
数年前にファンモンとしてFlowerステージのトリをつとめていた時もうまく盛り上げてたし、かなりのライブマンなのかも。



靴内の浸水が限界だったのでSONICステージの下のベンチで”靴下を絞る”。少しはマシ……過酷なサマソニですわー。
雨に心が折れかけ外のステージに行く気にもなれなかったのでSONICステージへ。

CHARLI XCX (Sonic)

女性のソロアーティスト。
チラッとだけ聴いたことがあってKeShaとかのノリに近いのかなぁと思ってたんですが想像以上にバンド色が強かった。


まず大きくスリットの入ったセクシーな衣装に目を奪われ、女性陣で固められたバンドもなかなか良い演奏をしてました。
ガーリーでちょいパンキッシュな曲がパワフルに演奏される。シンプルに気持ちいいです。



見ててスゴくワクワクした。
(雨で)ダウンしてたテンションが徐々に回復してきました。
なんとなく入ったSONICで良いアクトに出会えました。これだからフェスは好きだー。


BANKS (Mountain)

楽しみにしてたBANKS!
集客はそんなに。裏に矢沢永吉きゃりーぱみゅぱみゅなんでそっちに人が流れたかな?


サポートメンバーは男性のドラムとキーボードの二人だけ。
幽霊のような儚さを漂わせて歌うBANKSに見/聴き惚れました。ゆったり動くけど”静”だけじゃなく”動”を感じさせるパフォーマンス。


ただMountainステージの規模に対してコンパクトにまとまりすぎてたかな?なんか寂しかった。よく言えば親密な感じ…なんだけどBANKSの音には合ってなかったかなぁ、と。


しかし、BANKSは美しい!
歌ってる時はめっちゃクールで雰囲気あるのに、MC中は意外にも可愛らしい女の娘な感じでそのギャップにやられました。こういうのはライブじゃないとわからないもんなー。


かなり楽しみにしてたので「期待値のわりには……」ってトコはありました。*1
でも”滅多にやらない”といってた「Water」のアコースティックverをやってくれたし、「Brain」のサビの開放感はホントきもちよかったー。



矢沢永吉 (Ocean)

最後の曲だけチラッと。一生に一度は生で見ておきたい人の1人!


バラード曲を歌ってました。
還暦過ぎたオジサマが「いつの日か おまえにもわかる 愛に気づいた その意味を〜♪」って歌ってるのが渋すぎて鳥肌もんだった


ホンの一瞬で「うわ、カッコイイ!」って感じました。さすがだなー。

METRONOMY (Sonic)

2009年のサマソニでたまたま見かけたとき、明らかに歪んだヘンテコな世界観に衝撃を受けたバンド。


3年ぶりに見ると想像以上にブリブリな音圧。この日に見てきたアーティストと迫力の差が段違い!ココに来てフェス・テンションのスイッチが完全に入ってブチアガりましたー。


09の時はクレヨンで書かれた自画像をバックに演奏してシュールなインディーズバンド感がありましたが、今回は曲によって楽器/立ち位置が変わったり、キーボードに2人が並んで指パッチンしながらノッたり……と色んなことやってました。
インディーズバンド感が後退して80'sポップス、ディスコな味わいがありました。ポップに接近したけど一癖も二癖もある歪んだ部分は相変わらず。


ニューアルバムはそんなに好きじゃなかったんですがライブだと強力な音圧もあって良かった!
名盤『Nights out』の空気を期待していったけど別のノリで存分に楽しませてもらいました。


森高千里 with tofubeats (Flower)

同年代くらいの知り合いが前日のRSRで見てめっちゃ可愛かったと騒いでいたのでどんなもんかと見てみましたが……めっちゃかわいいやんけーーーーーー!!!!
もう40代半ばらしいですが、どこからどう見ても”現役”です。後ろを跳ねさせた髪型がまたツボ直撃。歌声もかわいいし、大人の落ち着いた魅力もあるし、なによりうまい!


前半は「気分爽快」「ララサンシャイン」「勉強の歌」といった森高千里の往年の名曲をtofubeatsアレンジで。完全リアルタイム世代ではない自分でもなんとなく聴いたことのある曲に自然と身体が動きました。特に「私がオバさんになっても」はめっちゃテンションアガった!ってかこの人まったくオバさんにならないな……。
tofubeatsのアレンジはビートを強くダンス仕様にしながらあくまでも歌をメインにしたバランスのいい音作り。


前半は森高千里の魅力にコロッとヤラれてtofubeatsの存在感無いなぁと思ってたんですが、中盤に自身の曲「ディスコの神様」をドロップ。もちろんボーカルは森高千里!粋な特別ver.にグッときました。
次の森高千里曲「ストレス」ではバキバキにカットアップしたブレイクコアみたいなアレンジで意表をついてくる。ジワジワと存在感を出してくるtofubeats
そしてtofubeats一番のヒット曲「水星」の森高千里ver.(サビだけ歌う)で最高潮……かと思いきやさらに「朝が来るまで終わる事の無いダンスを」まで飛び出してきてさらに最高の気分にさせてくれました!ここらへんの曲は聴けると思ってなかったからアガったなー。


完全に幸福スイッチが入ったままラストにfeat.森高千里曲の「Don't Stop the Music」。今でも当時の魅力のままむしろより素敵になって音楽をやってる森高千里に”音楽が聞こえるとき 気持ちはいくつになっても変わらない”って歌わせたtofubeatsは天才だな、と思いました。



終わってみると森高千里tofubeats両者の代表曲が並んだセトリ。森高千里メインというわけじゃなく2人の関係はイーブンだったのかな、と。
森高千里のかわいさは衝撃的。音楽的にも大満足。予想をはるかに越えて素晴らしいライブでした!


BEN WATT (Sonic)

Everything but the girlの人。ギター2人だけのネオ・アコースティックな歌。


泣きそうなくらい人がいなかったのでフロアに寝そべって聴く。これが気持ち良かった〜。
雨で疲れきった身体も少し回復した。


極上の歌を聴きながら休憩。めっちゃ贅沢な過ごし方しました。


KASABIAN (Mountain)

初見。KASABIANはclub footは大好きだけど他はそこまで、ってな思い入れ。ただサマソニ少し前に出た新譜はかなり好みだったのでそこそこには期待してました。
そしたら初日……いや今年のサマソニ全部持っていく最高のライブでした!


スタジアム級のド強烈な音がかっこ良すぎた!小さなライブハウスじゃ収まりきらない強烈な音のサイズ感。ずっしりしたビートがダイナミックに届いてきて、初期衝動とかではなくて絶対的なパワーでぶちかましてくる。ロックバンドを見て「うおおお!!」ってなる感覚が始終ありました。
後ろの方でも客が盛り上がってるっていう一番好きなシチュエーションのなかで見れたのもデカイ。ドロドロになってるとこを避けて地面のマシなスペースをフルに使って踊り狂ってました。



新譜の曲はこのうえなくライブ映えして踊らせてくれました。
一曲目に”Yeah!Yeah!”のパワフルな掛け声で一気にエンジンをかけた「bumblebeee」、怪しいグルーヴに腰が動く「treat」、そして”イーゼ イーゼ”のコールから始まった「eez-eh」ではノリノリに。


中盤にはしっかり「Club foot」で発狂させにくるし、Fatboyslimの「praise you」から「L.S.F.」につなげるなんて面白い展開も用意してて……期待値の300%越え!ただひたすらに興奮しっぱなしでした。 


そしてなによりカッコよかったのが、アンコールの瞬間に強く降りだした雨とピンクの照明のコラボ。そこに「Switchblade Smiles」のギラついたイントロ!大怪獣が登場しそうな圧倒的なドキドキ感。カッコ良すぎてチビりそうでした。天候まで味方につけるとは持ってるな……。
本編中はただただ”楽しい!”って気持ちでいっぱいでしたが、この瞬間は”こんなに強烈な音/パワーを受け止めきれるのか?”ってなある種の怖ささえ感じました。モンスターバンドのライブを目のあたりにしました。



最高中の最高……発表時に"KraftwerkKasabian交換してくれよー"とか言ってた自分をぶん殴りたい。初日の…いやサマソニ2014の……いや2014年ベストライブ級!!


PIXIES (Sonic)

サマソニ2010にも見たので2回目。KASABIANと同じく新譜がかなり良かったので期待してました。


前よりフランシスのボーカルの鋭さが段違いに良くなっててゾクゾクしました。突き刺さるようなシャウトがカッコイイ!
旧曲はもちろん新譜の曲がめっちゃグッときたのも良かったです。もっと新曲比率高くても良かったけど新譜で一番好きな「Greens and Blues」が聴けたのは嬉しかった。この曲のメロディは神がかってます。


キム・ディールの後に入った女性ベースは美人なんだけどよく見るとやっぱりおばさんなような絶妙な方でした。ただキムが脱退した代償は大きくて「Gigantic」は無かったし「Where is my mind」の”whoo〜♪" → "Stop"の再現もなかった。
そんなで'10の方が満足度高かったかも。"Vemos"の暴走ギターで終了てという謎のセトリも”おろ?”ってなった一因かも。アンコールで「Gigantic」してくれるとか期待したけどアンコール無しでした。


とはいえ、KASABIANで興奮しきったあとに(全力でポジティブな意味での)ロックの懐メロ的な感覚で楽しめました。新譜の曲も昔の代表曲のなかに違和感なくフィットしてて十数年前から存在する良曲ってな感じで受け止められました。




初日は到着直後の雨が本当に辛かった……あれでかなり体力&服装の快適性が奪われました。
でもMETRONOMYあたりからジワジワとフェス気分が盛り上がってきて、ダークホースな森高千里 with Tofubeatsでガッツリヤラれて、最終的にはKASABIANが全部持っていきました。

*1:フジでのAsgeirと同じく、BANKSも翌年のワンマンを見て評価がグンと戻るのです!