soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2014/10/25 ボロフェスタ 2014(片想い、DJみそしるとMCごはん、Hi,how are you?、noid、天才バンド、N'夙川BOYS、envy、中村一義、宮武BONES、七尾旅人、BURGER NUDS、NAMBA69) @ KBSホール


毎年恒例、学生ボランティア中心で運用される京都の秋フェス・ボロフェスタ。毎年きわどいメンツで楽しみなフェスです。
今年も”おっ!”となる出演者がいっぱい。トリがNAMBA69にクリープハイプと意外な感じでしたがどうなるのか〜?


前夜祭はパス。本編は両日とも参加しました。まずは初日ー。

片想い

遅れて到着したけど一組目から20分くらい押してたみたいで結構見れた!


MC.sirafuさん率いる大人数バンド。初見です。ちなみにここでsirafuさんはギター。なんか新鮮。


サブカル…とまでいきすぎずに、適度にラフでリラックスした幸福感は好き。
ただガツン!と来るインパクトは無かったかなぁ。


DJみそしるとMCごはん

”おみそはん”ことDJみそしるとMCごはん。この名前で女性ラッパー1人を指すんですね〜。知らなかった。
サポートのDJ(≠DJみそしる)と二人でのライブ。


ユルユルなラップ。ところどころに”おっ”てなるフロウもあってちゃんとラップしてました。フワフワした声でなんか癖になる。料理についてのリリックもスルスルと頭に入ってくる。


ラップで語られる料理に合わせて小道具使ったり、ラップに合わせてDJがティラミスを作ったりと見てて楽しい。料理的パフォーマンスがあるとラッパーが強烈なパンチラインを放ったみたいな歓声が湧くのが面白い。
あ〜、これは話題になる理由がわかった。
イロモノのようでちゃんとヒップホップの基本を押さえてないとできないライブ運び。音楽的にもエンターテイメント的にもおもしろいわ!



食事タイム。
ボロフェスタといえばチヂミ!コレを食べなきゃ始まりません。おいしい〜。

Hi,how are you?

男性ギター・ボーカルと女性キーボード・ボーカルの二人組。
歌モノでフォーキーな空気を持ちながらメロディにポップスな普遍性がある。
ピュアそうに見えて捻くれてそう。アコースティックな中にハイな要素がある。


キーボードの人は2015年5月に脱退したみたいですね。


noid

初の地下ステージへ。今年の地下ステージのデザインは赤いな……。東高円寺UFOクラブみたい(行ったことないけど


わかりやすいメロディのストレートなロックサウンドもやりながら、音響派っぽいテクニックも取り入れてる。「変なことやってますよー」ってより「ん?面白いことしてないか?」ってジワジワと効いてくる。”持ってる”感じがして惹かれるものがあるバンドでした。
吉田ヨウヘイGROUPのポップ寄りといいますか。


若いのかな……と思ったらすでに10年以上活動してるバンドらしいです。
裏を返せば少年さ、ピュアさを保ってるバンド。



天才バンド

奇妙礼太郎さん(ギター/ボーカル)、ワンダフルボーイズのSundayカミデさん(キーボード)、奇妙礼太郎トラベルスイング楽団のテシマコージさん(ドラム)の3ピースバンド。


奇妙さんの歌でマジ泣きしてしまいましたー。バラード中心なのにナゼこんなにロックンロールなんだー。


最初に軽くジャムしてスタート。奇妙さんがシリアスにエレキギター弾くのって始めて見たけど……天才ですな。アクションにキレがあってかっこ良すぎる。
そこからは濃厚な魂がこもったロックバラード。ちょっと情けない男が主人公のラブソングが胸に響きます。メロディがめちゃくちゃ良いし、それを奏でる3人のエモーショナルっぷりが半端ない。特にシリアスモードの奇妙さんの歌は神がかってました。


あとこのときは照明が神がかってた!
ステージはメインに比べると簡易な設備なんだけど、そのシンプルさがゆえ訴えてくるものがありました。”いま照明が切り替わってる”ってのが認識できてそのタイミングが完璧だった。たぶん2014年で一番素晴らしい照明だった。


天才バンドなんて大それた名前が誇張でもまったくない、正真正銘の天才3人!



N'夙川BOYS

ここのところライブのアタリハズレが大きい夙川ボーイズ。


ボロフェスタの客層が文系な感じもあってか超マッタリなライブでした。ロックよりフォークのライブみたいだった;


個人的にはハズレな回。
ただ”ラスト1分あるぞっ!”ってことで「フェアリーフェアリー」ぶち込んできたのはロックだった。



食事タイム。
これまたボロフェスタ定番のカレー。ピリリと辛めでおいしいです。
店員さんも毎度おなじみの人で、なんだか親戚のお姉さんに毎年会ってるような気分あります(笑)

envy

激情ポストハードコアの雄・ENVY。
神聖なドラマチックさでマッチョイズムは良い意味でほとんど感じられない。
CDでも思ってたけど、ココっ!ってくる部分が少なくてそこまで好きではないかなー。


ライブの途中でKBSホールご自慢のステンドグラスがご開帳。神聖さの重ね技。ボロフェスタ的にはコレがやりたかったんだろうなぁ。


中村一義

中村一義とギター二人のアコースティックなライブ。中村一義はギターを弾かずに歌オンリーでした。”なんか思ってた形式と違うな……”と落胆したのもつかの間、出し惜しみなしの名曲ばかりで最高でした!


なんたって第一声が「犬と猫」の”どう〜?♪”!この瞬間に全身に鳥肌がブワっと広がりました。メロディのパワーが半端ない〜。


中村一義はぷっとり太ったトコはあるものの高音ボーカルは健在。テンションが高いMCは体操のお兄さんみたい(笑


「永遠なるもの」「セブンスター」「ジュビリー」「123」「キャノンボール」と名曲だらけでたまらなかったです。
「永遠なるもの」をやる前に”自分で歌ってて泣きそうになるんだけど……”って言ってたのが良かった。


あと、みんながスゴい待ってた感あった。10年ぶりに活動再開するアーティストのライブにいるみたいな。見れてよかった……って泣いてる人までいた。それも中村一義の魅力ゆえな気がするなぁ。不思議な空間でした。



宮武BONES

なかなか良いとウワサに聞いていた宮武BONES
ハードコアとヒップホップのふたつが好きすぎてたまらないという感じのサウンド。


最初の3曲はラップにブレイクビーツで完全にヒップホップのスタイル。ハードコアをイメージしてたから意外だった。でも爆発するんじゃないか、って緊張感がヒリヒリありました。本質的にハードコア。
後半はガラッと雰囲気が変わって完全にハードコアへ。おとなしい客さんもお構いなしにダイブ決行。結果、ロッカー(?)の上の狭いエリアで叫びまくるパンクっぷり。


短いライブの中に嵐のような緊張感と興奮がありました。惹かれる人がいるのもわかる!


七尾旅人

最初、展開の少ない新曲を披露して客置いてきぼりでどうなるかと思ったけど最後は完全に持ってった!トリでええんちゃうかー、ってな良いライブでした。


「サーカスナイト」「Memory Lane」「Rollin' Rollin'」の3曲以外は未発表曲。
波の音、サイレンの音、星の降る音、宇宙の音、戦争の音……音のイメージだけで会場の全員を別世界に連れて行くようなライブでした。
サイレンや爆撃音(?)のコラージュでカオス/不穏な空気が会場を覆ったあとに「Memory Lane」のイントロが聴こえてきたときはものすごく安心しました。その感情の揺さぶりにゾワッときました。


「Rollin' Rollin'」が久しぶりにオリジナル版だったのが良かったー。やけのはらリミックスも良いけどライブだとこっちのほうがグッとくる!


NAMBA69

『ヤバい、トリ前なのに客がほとんどいなくなった〜』ってな状況でライブスタート。


メロコア好きな客があまりいなかったみたいで、フロアは数人だけがなんとか盛り上げようとモッシュしたりサークル作ったりしてたけどもちょっと不完全燃焼だったかな?
「One More Time」でのハッピネスに溢れたサークルは楽しかった〜。


NAMBA69自体はいつも通りだったかなー、と。七尾旅人押さえてのトリとしては弱かったかも。




初日は七尾旅人もNAMBA69も最初からステンドグラス開けてました。うーん、ここぞってとこで開いた方が感動するんだけども。


初日は歌モノが強かったなぁ。七尾旅人もかなりよかったし、期待の上の上をいってくれた天才バンドがMVPかなー。