soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2015/02/08 Asian Meeting Festival(大友良英、Sachiko M、DJ Sniff〜) @ ヴィラ鴨川


大友さん、dj sniffさんらが中心となって動いていたプロジェクト。アジア各地の新鋭ミュージシャンを集めて即興セッションするという試み。



14名による実験的な即興演奏。演奏者は会場を取り囲むように配置されていて客は360度見渡して演奏を楽しむ形式。
体験したことのない形式に座る場所にも悩む;とりあえず”Noise is Love”と書かれた器材の前に座りました。



スタート時間になると各演奏者が配置について大友さんが今回の趣旨を説明。
本当はお客さんが歩きまわって色んな場所から音の響きを楽しむ、ってのがやりたかったそうですが今回は人が多いのでその場で座って聴くスタイル。「幸か不幸かチケットが売れすぎてしまったせい」だそうです(笑



アジア民族的なテイストが強いのかと思いきやノイズ/エクスペリメンタルの成分が強め。最初は3名ぐらいで自己紹介的に音を出し合ってました。
中盤で全員一気に演奏したときは床に異空間の渦ができたみたいな感覚でゾクっときました。空間ごと変えられた。


音を出すときは演奏者バックに照明が点きます。大友さんがコントロールして指示出ししてんのかな、と思ったけどそうでもなかったっぽい?「照明無しで音の出がわからないのも面白いんじゃ?」とか思った矢先に大友さんとイドリスさんがやりはじめました(笑



個々の演奏者で気になったのはまず米子匡司さん(日本) 。足元にある大量の機材に光を当てたりと実験的な演奏。音に影響あったのか謎;でも惹かれるパフォーマンスでした。吊るされた小型プロペラみたいなのが瓶や電気スタンドに当たってて音立ててるのが面白かった


アコースティックギター&笛(?)のビン・イドリスさん(インドネシア)。ホーミーみたいな音が聴こえたと思ったらどうやらアコギの音だとわかったときは驚いた。ノイズ/ドローン中心のなかに急にメロディアスな音を入れたりと全体を引っ掻き回してました。


声一本勝負のコック・シューワイさん(マレーシア)。全員が思いっきりノイズかましてる中で一番目立ってるJUNKOさんパターン。すんごい声出してたなぁ。


Sachiko Mさん(日本)のパルス波。細〜〜い音なのにノイズ中もノイズが収まって静かになった時もふと耳を澄ますと聴こえてくる確かな存在感にホッとしました



dj sniffさん(日本/中国)がターンテーブルで雅楽みたいなアジアンテイストな音を出してたけどアレはサンプリングだったのか、それともまったく別の手法でアジアな音を出してたのか。興味深い音でした。



日野さん(日本)[カセット]とdj sniff[ターンテーブル]さんはどちらも録音再生機を使った演奏でバッティングもしてたけど対比としての面白さがありました。日野さんは加工感が無いのに対してdj sniffさんはこすって音を弄ってる。
日野さんの卓の大量のカセットはカッコよくもあり気持ち悪くもあり;*1


で、色々な音があったけど一番好きだったのは大友さんのノイズギターかなぁ、と。この人の音はやっぱりロックが底にあるんですよね。ジミヘンなギュイーーーンでかっけぇ!ってなりました。


自分の場所はノイズ系の音が強かったから真ん中で満遍なく聴くのが一番だったかも。


「めちゃくちゃ感動した!」とか「新しい境地が見えた!」とかっていう風ではなかったけど……とても興味深い体験でした。終演後に各国の人たちが客が談笑してる風景とか見てていいなぁ、と。


どうやら2016年も開催されるようです。

*1:軽い集合体恐怖症なんです;