soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2015年 CDアルバム・ランキング TOP25

CDランキング!今年も年始にアップです;
今回も邦楽・洋楽・ジャンル・メジャー・マイナーがぐちゃぐちゃの分裂症のようなランキングになりました。

25. BORN IN THE U.S.A. / Bomi

女性ソロアーティスト・BOMIのミニアルバム。津野米咲赤い公園)プロデュースのプログレな曲からFoster the peopleを思わせる洋楽ロックテイストなど質の高いトラックが並びます。そして何より極上ポップメロディを歌うBomiのエネルギッシュな歌が素晴らしいです。曲は100点。Skitが入るミニアルバム構成は……う〜ん。

24. SWEET TALKING / BUSHMIND

ヒップホップ・コンポーザーのアルバム。多くのMCを呼んで基本はラップあり。MURODEV LARGEらへんのオシャレ・ドープな感覚に最新のデジタルなサウンドが融合してて黒くカッコイイです。
近頃のMCには疎くて、大勢のゲストMCはNIPPS、B.D.、MIKRISぐらいしか知りません。参加してるMCが有名なのかもわかりません……が、良いラップする人多いなぁと。HOOKで歌い出すようなパターンもほぼ無いし。僕が好きだった頃のさんぴん世代のJ-HIPHOPの”空気”があります。

23. Playmore / smash hit combo

DJENTの要素はあるものの、高速のフランス語ラップ、重いリフ、気品を感じるクリアギター……などPleymoに近いモノを感じるフランス産ラウド・ミュージック。久しぶりにラップ+ラウドで良いバンドが出てきた!
こんな凶暴なサウンドなのにメンバーはオタクらしくPVにはゲームネタ満載。歌詞もよく聴くと”スーパーサイヤ人!宇宙戦士!”とか……;
やっぱりPleymo?アルバム・タイトルも意識してるのかな?


22. V - Metal Machine Music / DIE KRUPPS

活動休止前のメタル+EBM路線を推し進めたようなサウンド。リフひとつ取っても、リズムひとつ取ってもとにかくパワフル。ダブルバスドラ(?)で大暴走する「Kaos Reigns」なんてとても35年以上活動してるバンドとは思えないアグレッシブさです。メタルパーカッションも活躍してて好み直撃!

21. SHINE LIKE A BILLION SUNS / BOOM BOOM SATELLITES

川島さんの病状により特別な想い無しでは聴けない一枚。前半の攻撃的なテクノサウンドのカッコよさはもちろん、後半のポストロックのような高揚感は今までにない作風。精神世界に飛ばされそうになります。

20. CUTE / TOWA TEI

『CUTE』ってタイトルのくせに実はリズムがめっちゃタイト。特にスネアが”パンッ!パンッ!”と強力な音がしててEBMのアタック感すら感じました。大音量で聴くとめっちゃ気持ちいい。

19. The Hydrangeas Whisper / Boof

ハウス/テクノ系。生演奏ファンクっぽい要素がある……と思ったらサイケなストイック・テクノの面も見せたりする。なんとも表現が難しいサウンドですが”頭のネジが一本抜けてる”、”どっかおかしい感”が全体に漂ってます。ノリノリになれるのにどっか気持ち悪さもあるみたいな。それが癖になってくる。


18. Get Lost, Find Yourself / Chunk! No Captain Chunk!

ポップパンク+メタルコア=イージーコアの大御所CNCCの3rd。2ndが引っかかるメロディがほとんど無くて好きになれなかったんですが、今作はポップパンクなメロディが充満しててツボな内容です。
泣きの要素も入りながら全曲でヘヴィな部分は忘れない。聴いてて気持ちいい一枚。


17. Archipelago / 宮田涼介

ポストクラシカル/アンビエント系。ティーザーを聴いてもらえれば1発でわかると思いますがめちゃくちゃ気持ちいい音を出してます。水の中を漂うような……そんな安心感とダイナミックがある。最近の就寝時BGMはもっぱらコレばかり聴いてます。


16. Land / Novella

”女性版NEU!”というキャッチコピーに釣られて買った女性4人+男性ドラムの5人組。一定のエモーショナルとリズム感を持ちながら止まることなく進んでいく感覚はまさにNEU!。テクノにも通じるノリはシューゲイザーサイケデリックバンドとは全然違った感触を持ちます。かなり面白いバンド。ルックスも美人。いま一番来日してほしいかも。


15. Born In The Echoes / Chemical Brothers

『Push the button』〜『Further』はニューウェーブシューゲイザーなどのビート感でテクノから外していた感覚がありましたが、今作は比較的ストレートにテクノにきてる印象。『EML Ritual』や『Just Bang』なんかは完全にリズム重視。こういうの好きです。
かと思えば『Wide Open』や『Radiate』のように幸福なシンセの波で感動させてくれる曲もある。やっぱ好き!


14. VISION / ねごと

ねごとの3rd。1stが”う〜ん……ミニアルバムは良かったのに”な出来で、2ndで”やっぱ良いモノ持ってるよなぁ”となって、3rdで”才能の塊だ!”と確実にステップアップしてる。少しスペーシーなロック……とやってることは大きく変わってないけど、音作りの気持ちよさがどんどん良くなってる。柔らかくもしっかり響いてくる音。良い意味でストレートになって楽曲が研ぎ澄まされていってる気がします。まだまだ伸びていきそう!


13. 青春の象徴 恋のすべて / The SALOVERS

活動休止を発表してからリリースされた2nd。1stが正直微妙な出来だったのに対してThe SALOVERSの魅力である”青さ”と”勢い”が詰まってる良盤。聴いてると胸が締め付けられて、拳を握って叫びたくなります。あ、泣き顔も追加で。
”ついにやってくれた!これぞThe SOLOVERS!”と思うと同時に”こんな良いアルバム作ったのになんで解散するの?”と余計に引き止めたくなります。

12. Music / polaris

久しぶりの新作。ポップですんなりと良さが入ってくる曲が多い。聴きやすさで言えばFamilyよりも上かも?
「大気圏」や「One」はアメリカン・ポップスのような爽やかさすら感じます。譲さんのベースはしっかりと効いててこれぞPolarisって感じの一枚。


11. たまのこと / paniyolo

アコースティック・ギターのインスト。いわゆる癒し系に分類される音楽です。私は普段こういうのはあまり聴かない…特にピアノやストリングスならまだしもアコギってのは滅多に手を出しません。でもこれはタワレコで試聴してビビッときて購入。寝る前によく聴いてます。
なんだろう、旋律が歌に近いのかな?良い意味でギターらしくないトコロが気に入ってるのかも。

10. SONGS / 踊ってばかりの国

話題になったセルフタイトルの前作に比べていつのまにか発売されてた気がする4th。コレが実は快作です。
前作に比べて”バンド”としての完成度が遥かに高い。ギター・ドラム・ベース・歌が良いバランスで成り立ってます。
ワイルドなロックやハワイアンなど歌い方/サウンドにバラエティを持たせて楽しませてくれる。もちろん下津さんの反則レベルのメロディセンスが光るフォーク寄りのロックもあり。歌だけじゃなく曲全体で楽しめるまとまりのいい良盤です。



9. stereoscope / GARI

近年、ブロステップを取り込んだラウドロックはいっぱいいますがここまで完璧に取り入れた例は国内・国外を見渡してもなかなかいないのでは?それぐらいの完成度。GARIにしてはアグレッシブに暴れまわってて度肝を抜かれました。ダブステのデジタルな部分と人間の演奏の意地が激突してる。アドレナリンが湧いてくる興奮度高い一枚。



8. Flawless / Electrosoul System

ドラムンベースブレイクコアでもアートコアでもハードステップでもなくオーソドックスなドラムンです。ずっしりと響くベースに軽快なブレイクビーツ。音数も展開もコンパクトに。これが気持ちいいのなんの!王道っていいなぁ〜。
絞ったフレーズがどれも快感中枢を刺激してきます。気分高めたい時でも、耳が疲れてる時でも、いつでもスッと聴ける再生率の高い一枚でした。

7. Freedom Tower - No Wave Dance Party 2015 / The Jon Spencer Blues Explosion

今作は”ブラック・ミュージックを大胆に取り入れてジョンスペ流ダンスミュージックに仕上がってる”だそうでハイテンションな一枚になってます。
ダンスミュージックとはいえそこはジョンスペ。4つ打ちで踊らせるなんてことはせずにあくまでロックンロールでクレイジーな気分にさせながらステップなんて関係ないダンスを踊らせてくる。そう、JBのノリです。
ハイテンションの塊で攻めてくる後半は圧巻。ギターも直球でハイになるフレーズ満載でここ数作で一番ロックしてると思う。

6. MAP / group_inou

(group_inouにしては)だいぶメロディアスになった今作。最後の「MANSION」なんてcpsさんが優しい声で「Wow wow wow〜♪」って歌ってますしね。奇妙さよりセンチメンタル/エモな部分が出てきてて、それがグッとハートに響いてくる。
歌詞はフザケた感覚が薄まりながらも意味不明なのは相変わらず。それが”無意味なようで意味がある気がする”というニヤッとするレベルになってる。山本精一さんの『なぞなぞ』の歌詞に通じるモノがあるかもしれません。『君はどこにいるの 誰の中にいるんだろう 入りこむ 民家 団地 人んち ベランダ揺れるバスタオル』とか震えた!。

5. 愛と哲学 / 空きっ腹に酒

1stの”勢い&音の面白さ”と3rdで開花した”メッセージ性高い歌詞”がついに融合して最強の一枚に。しっかり韻を踏みながらガツンガツンと響いてくるユキテルの作詞能力は日本でトップレベルだと思います。viva la〜あたりのKJを彷彿とさせる。
サウンドは過激に跳ねまくりでテンション上がる。特に西田さんのキレキレっのカッティングがヤバい。この人も日本トップレベルのギタリストだと思う。音楽好きの間で過小評価されてる気がしますがめっさスゴいバンドになってます。


4. あくたもくた / SAKANAMON

若手(?)のなかでは一番プッシュしてるSAKANAMONの新作が期待通りの快作。なんでもありなロック。パンク的な勢いもあり、ダンスビートもトリッキーな拍子もあり。歌詞も面白い&響いてくる。
そしてSAKANAMON節としか言いようのない微エスニックなメロディセンス。このおかげでどれだけアレンジが凝ろうが歌詞がシリアスだろうがサラッとした聴き心地になってる。メロディの個性は他バンドから頭一つ抜き出てます。
YeYe → 平賀さち枝と続く女性vo.ゲストは今作はMIN(杏窪彌)ってとこからも”わかってる”バンドってのがよくわかります。

3. workshop / Ogre You Asshole

ライブとCDで大きくアレンジが変わるオウガのライブ盤。彼らのライブにいつも骨抜きにされてる自分にとって”待望の!”という一枚。内容も文句無し。爆音と浮遊感で脳みそ蕩けるオウガのライブをうまくCDにパッキングしてる。
なんたって「ROPE(long ver.)」の破壊力!街中を歩きながら聴いてて昇天しそうになることが何度か〜。

2. Live Bootleg, 2014 / neco眠る

3位、2位とライブ盤が続きますがとにかく聴いたので。ニューアルバムを出した後の2014のライブ音源。ライブ限定販売。neco眠るはまぎれもないライブバンドです。そのライブの良さが濃縮されてる!
元気の良い演奏がしっかり記録されているのはもちろん「DASI CULTURE」から「車で東京行く時」にノンストップで繋がるトコとか、「BOY」でまったり気持ちよくなった「ENGAWA DE DANCEHALL」で楽しく終わるトコとか構成も素晴らしい。
ライブを思い出して踊りだしてしまうハッピーな一枚。

1. paradise lost, it begins? / 吉田ヨウヘイgroup

一位は吉田ヨウヘイgroup!前作のブルーヴァードに匹敵する強烈な一曲があるわけじゃないんだけどアルバム全体の聴き心地が最高。さらに聴くたびに新しい発見がある。”あ、ここで表打ちと裏打ちが切り替わってるんだ!”とか。
いままでと大きく変わってる点として全編にわたってギターが活躍しまくってるのには驚きました。リズムもメロもとにかく耳に残るフレーズを弾きまくってる。ギターだけに耳を集中しても3周ぐらいできる。



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6位まで邦楽オンリーってのは自分でも意外。全体でも25枚のうち8枚しか洋楽が入ってません。洋楽が不作ってより自分のモードが邦楽だったのかなぁと思ってます。
2位、3位がライブ盤なのはモロに今の自分のモードが出てますね。


良作は多かったけど文句無しでコレがNo.1!ってな強烈な一枚は無かったかなぁ。1位はこれでファイナル・アンサーなのか今でも迷ってます。




TOP25以外では

  • 1stのポップな部分が戻ってきた『Kindred / Passion Pit
  • 大きく路線を変更して怪しいエスニック・ポップスなノリの『VEGA INTL. NIGHT SCHOOL / NEON INDIAN』
  • メンバー変わっても相変わらずの作曲センスの高さを見せてくれる『SHISHAMO2 / SHISHAMO』
  • 最後なのに…いや最後だからこそ肩の力が抜けた良い音楽が詰まった『SAYONARA / SAKEROCK
  • ギターロックもまだまだ行けるゼ!とワクワクさせてくれる『Young Chasers / Circa Waves
  • 数年前に流行った3分のグッドソングの空気がある『Lovetap! / Smallpools』
  • ストイックな手法は変わらずにしっかりと音の幅を広げてきた『Rhythm & Sound / goat』

あたりも良かったです。




2016年はMrs.Green Appleゲスの極みの期待の邦楽2組の新作が年始めからスタンバイしてますし、良いCDがいっぱい出てくることでしょう。楽しみだ!