2016年 アルバム・ランキング TOP25

アルバム・ランキング!
今年も年始にアップです。12月に良作が結構きたー。
邦楽・洋楽・ジャンル・メジャー・マイナーが入り乱れた分裂症具合は変わらずです。

25. Primal Scene / Ken Ikeda (日本 | アンビエント / ノイズ)


アンビエント・シンセとフィールド・レコーディング(物音)で構成された静のアルバム。
最初の曲こそメロディっぽいシンセがあるものの、2曲目以降はほとんどが持続音と環境音。その”音”がとても心地よくて自分の意識の中に潜り込んでいける感覚があります。
音楽らしくない音を聴いて寝たいときによくかけてたスリーピング・ミュージック。


https://soundcloud.com/sadtokyo/primal-scene-preview

24. TWELVE / Mrs. Green Apple (日本 | ロック)


全曲がシングルカットできそうなキャッチーさと耳に残るフレーズ/アレンジメント。二十歳にしてこの完璧さは作曲を担当する大森さんは天才としか言いようがないです。
普遍的でありながらしっかりと引っかかって”あ、この曲だ”ってなる一癖あるメロディセンスは特にすごい。さらりと付け加えるデジタル色のアレンジメントも上手い。
ポンポンと曲が出来ていくタイプの人なんだろうけど、この後のリリーススピードが早すぎて飽和しちゃうんじゃとちょい不安。そうなる前の傑作1stアルバムです。


23. ANOTHER STARTING LINE / Hi-Standard (日本 | メロコア)


日本中が沸いたサプライズ・リリース。”ハイスタ、やってくれたぜ!”とリリースであんなに興奮したのは久しぶり。タワレコで皆が興奮&ニコニコしてレジに並んでる光景は忘れられません。
1曲目”ハイスタってこんな悪ガキな感じだったよな”と始まり、2曲目「Another Starting Line」で今のハイスタならではの曲/歌詞が飛び出して泣きそうに。
曲はもちろん良いし、このCDリリースした現象が衝撃的でした。


22. #5 / AA= (日本 | インダストリアル・メタル)


AA=、ようやくの快作。いままでのアルバムはなんだかのっぺりしてたけど、今作はザクザクドコドコと血管を沸騰させるリズムがたまらんです。
コラボも良い方向に働いてマンネリを防いでる。特にポストミライはアルバムの流れで聴くとピカイチ。まだまだ上田さんはやってくれそう!


21. Insight II / Julien Marchal (フランス | ポスト・クラシカル)


ピアノオンリーのポスト・クラシカル。紹介時にゴールドムンドやニルス・フラームの名前を一緒に挙げられることが多いですがそんな音。
少し物悲しく、でも暗いだけじゃなく心を癒やしてくれる旋律。ピアノだけなのにドローンを聴いてるような音の厚さもある。うっすら聴こえるピアノが軋む音も良し。
ダウナーな気分で寝たいときによく聴いてたスリーピング。ミュージック。


20. The Serenity of Suffering / KORN (アメリカ | ヘヴィ・ロック)


初期のKornを聴いてたときのワクワクって”ジョナサンがいつキチガイみたいになるか?”ってのが大きかった。今作ではジョナ語のスキャットも多くてそのキチっぷりがしっかり感じられる。ベース以上にヘヴィなんじゃないか?ってな激重ギターも狂ってて最高です。原点復帰感もある。
身体がねじ折れるぐらいにヘドバンしたくなる圧倒的なヘヴィネス・グルーブ。これぞヘヴィロック。それをまだまだ創り出してるKornには頭が上がりません。


19. I Like It When You Sleep, for You Are So Beautiful Yet So Unaware of It / The 1975 (イギリス | ロック / アンビエント)


ボーイ・ジョージか?ってなぐらいにえらくファンキーになったリード曲にも驚きましたが、いざアルバムを聴いてみると真ん中にガチなアンビエントが差し込まれてたり、エレクトロニカみたいな非バンド・サウンドが入っていたり……。
アイドル・バンドと見られることもあるけどやってることはその真反対なガチサウンドです。ファンキーな動とアンビエント的な静の両極端な音を高レベルで作り上げてる。


18. Never end roll / GEZAN (日本 | ロック / パンク)


初期メンバーでのラストアルバム。架空のパンクバンドの曲というコンセプトってことでとてもキャッチー。そして青い!恥ずかしいぐらい青い!そんなYouth感ががっつり感情を揺さぶってきます。
青さ+激しさ=最高。そういう点ではFinchとかのスクリーモに近い感覚もあるかもしれない。
良いメロディと一緒に拳を振り上げながらシンガロングして、そして号泣したくなります。


17. Youth Authority / Good Charlotte (アメリカ | ポップ・パンク)


帰ってきたGood Charlotteから6年ぶりのアルバム。もう結成20周年とかマジッスか。
テンポ遅めのグルーヴで元気で、そして少しせつない良メロディーをかます彼らの魅力が完全に復活してる快作。Bメロからドカーンとくるサビでの”クルぞ、クルぞ……キター!!”って快感。大きくジャンプしながらノリたくなるポップパンク感。良いメロディー、良いグルーブ……全ポジティブになれる曲が頭からしっぽまで詰まってる。彼らに求めてたモノをドンピシャで送り出してきた気持ちいい一枚です。


16. EXPLOSION / B-DASH (日本 | メロコア / ミクスチャー)


世間的には正直過去のバンドだろうけど、なにげにずっと良いアルバムを作り続けてるB-DASH。ミクスチャーでメロコア。ありそうで今の世の中にはない音。B-DASHKORNみたいな面白いギミックの曲もある。スカッと聴けてしっかり残る曲が集まったアルバム。



15. 22, A Million / Bon Iver (アメリカ | エレクトロニカ)


歪なヴィジュアルデザインに「おや?」と思いながら聴いてみると……Aphex Twinを思わせる壊れたトラックにびっくり。2016年で1番驚いた方向転換でした。
あまりの変化になんじゃこりゃ!ってなったものの美声による壮大なメロディセンスは変わってない。元々あった美しい要素と新たに加わった実験的な要素のケミストリーはハンパなく自分好みでした。
Bon Iverのアルバムではダントツでこの作品が好き!


14. Last / EX Confusion (日本 | アンビエント)


メジャーコード中心のドローン・アンビエント。光が音となって降り注ぐような気持ちよさがあります。ドローンのなかにたまにファジーなギターが入ってくるのも良いアクセント。ドローンとメロディアスな要素のバランスが非常に優れてる。
ポジティブに昇天しながら寝たいときによく聴いてるスリーピング・ミュージック。


https://soundcloud.com/plancha-records/ex-confusion-voices

13. DANCEABLE / 夜の本気ダンス (日本 | ダンス・ロック / ポスト・パンク)


フレデリック、LILI LIMIT、Shiggy Jr……など今までミニアルバム/シングルばかりリリースしてきたバンドが待望の1stフル・アルバムを、ってのが今年は多かったですが期待以上には達しなかった感はあります。そのなか成功したのが夜ダン。大々好きなバンドってわけじゃなかったのにこの結果には驚いてます。
思ってたよりメロディアスになってて一周目は「あれ?」って思った。でも繰り返し聴いてると切り込むカッティングギター、わかりやすくビートを切り替えてくるドラム、グイグイ地面をうねるベース……と踊れる要素いっぱい。すべてがリズムに向かわなくても踊れるんだ、いやその方が踊れるんだと気づかせてくれた。
Telephonesから続くダンスロックよりむしろRapturesあたりのポスト・パンクのノリがあるんじゃなかろうか?
勢いだけじゃなくて、練り込まれた面白いアレンジがいっぱいのアルバムです。こんな地力のあるバンドだったとはー。ロキノン系とか邦ロックと呼ばれる音楽を普段聴かない人にも届く音楽をやってると思う。


12. D.A.N. / D.A.N. (日本 | ロック)


圧倒的な音とグルーヴによる泥酔感。ズブズブと神経の中に潜り込んで気持ちよくさせていく。それをあくまでもクールに実績する驚異的な若手です。
日本のロックシーンに現れた1番の衝撃ですね。フジロックのアフタームービーで曲が使われてたのからもそれはわかります。
完成度はピカイチ。そしてドラッグ的な毒もピカイチ。


11. White Album / Weezer (アメリカ | ロック)


グッドメロディに溢れまくってる。青春にどストレート。泣ける。これぞ僕達のイメージするWEEZER!色んな媒体で言われてますが初期の雰囲気に近いです。WEEZERってアルバムのどっかに癖が強すぎる曲が入ってるけど今作はそれがない。一枚トータルでは一番好きなアルバムかも。



10. milky way - live at 外 Kinrinshako-mae, Kyoto 24 sep. 2016- / 山本精一 (日本 | アンビエント)

京都に新しく出来たライブハウス『外』で山本さんが行ったギターアンビエントライブを収録したライブ盤。
Ken Ikedaがランダムな物音、Julien Marchalが物悲しいピアノ、EX Confusionがポジティヴなドローンで静の世界を作ったとしたら今作は無。ただ音だけがそこにあってなんの感情もない。その気持ちよさに脳が溶けてしまいそうになります。
遅く/慎重に動いた結果として生み出されたドローン・サウンドは、PCやシンセでは出来ないライブならではのドローン・サウンドです。それは明らかに違う。
また展開も音数も少ないのに聴くたびに新しい発見があります。いや、毎回新しい音を聴いてるんじゃないか?ってなぐらいに聴くたびに印象が違う。
なんだか狸か狐に化かされてるんじゃないかとすら思ってしまう。山本さんの音の深さは計り知れないです。

9. New Generation / 雨のパレード (日本 | ロック)


スーッと風のように透き通ったモダン・デジタルなロックとJ-POPのキャッチーさが融合してとても面白くも聴きやすいサウンド。この最新ロックな期待感はサカナクションを始めて聴いたときに近いモノがあります。またはDelphicのダンスとメロディの融合にも通じる。
洗練された音、スピード感、グルーヴ、メロディセンス……とにかく聴いてて気持ちいい。歌詞もなかなか良いのが多くて。
すでに完成度が高いアルバムであると共に今後が楽しみになってくるアルバムでもあります。



8. Not The Actual Events / Nine Inch Nails (アメリカ | インダストリアル・ロック)


”12/23に新作だすよ”と一週間前ぐらいに予告して本当に出たNine Inch Nailsの新作。The Slip以降の音源にそこまでのめり込めてないのもあり、正直なとこそこまで期待してませんでした。
しかし聴いてみたらぶっ飛んだ!1曲目「Branches / Bones」のグイグイ迫ってくるノイジーなベース&シンセ(ギター?)。めちゃくちゃ攻撃的!2曲目「Dear World」もデジタルなビートながらドンドン気持ちを高ぶらせるロック感がある。4曲目「The Idea of You」なんて吠えまくりの突進ビート!ヤバい、興奮する!!!
ロックの攻撃性とインダストリアルの冷たさが融合してる。これぞインダストリアル・ロック!トレントソロとNINは別モノなんだなと。NINはやっぱロックなんだなと。
5曲だけですが何度も聴いてしまう中毒性があります。フル・アルバムが楽しみだ!

7. No Fantasy Required / Tiga (カナダ | テクノ / エレクトロ)


前半は妖美なニューウェーブ/エレクトロR&Bの空気なんですが、アルバムの途中から音がビョンビョンと奇妙な鳴りになってどんどん頭がおかしい方向に。昔のアシッドやハードテクノのドラッギーな奇妙さがあります。下の動画の曲は奇妙さがピークにきてるとき。癖になります。
前半と後半でどうしてこうも変わってしまった?
最後は繊細なトラックで綺麗に終わった風になってるし……すべてTIGAの手の中で遊ばれてる感じがする;


6. XI / ROVO (日本 | インスト / 人力トランス)


大好きなROVOの新作。今回も素晴らしい。フュージョン感のある「XI」「Palma」はアゲアゲだけでなく優雅なROVO。聴けば聴くほど面白いことをやってる。
逆に「R.o.N」「Kmara」はガシガシと踊らせてくる。特に「R.o.N」は過去にライブで何度か披露してどこか物足りなさもある曲でしたが見事に完成形へと昇華させて収録されてます。
そして「Liege」がスローテンポのじんわり昇天させてアルバムを締める。
ノリの良い曲は健在ですが、ここ最近のアルバムに比べると6人の音がキュッとひとつの方向に向かってて落ち着いたアルバムな印象があります。


5. くるりの20回転 / くるり (日本 | ロック)


くるりの3枚組ベスト盤。
ベスト盤をランキングに入れるものか悩んだんですが、2016年で1番聴いてるし1番幸せな気分になるアルバムなので。
くるりはアルバムだと癖の強い曲が一曲は入ってるため聴いててもたれることが多い。それがベストとして必殺曲だけ集められるとこうも素晴らしいコトになるのか、と。本当のベストが収録されてます。
特にDISC2のハイウェイ→ロックンロール→NIKKIのシングル曲の流れは何十回と聴きました。くるり、わかっちゃいたけどすごいバンドだ!


4. Dead light / Dead light (イギリス | ポスト・クラシカル/アンビエント)


ポスト・クラシックをベースにポストロック、ミニマル、アンビエントとか色んな要素が入ってる。モグワイ65dosライヒもjulianna barwickもニルス・フラームもオーラヴルも感じる
全体的に”世界の終末の美しさ”、虚無と虚無ゆえの美しさがあります。
ゆったりしすぎるでもなく、ドローン/轟音に行き過ぎるでもなく。ミニマルなノリもありイージー・リスニングなノリもあり。自分の理想のポスト・クラシカルの音がここにあります。


3. After dance/Before sunrise / あらかじめ決められた恋人たちへ (日本 | インスト / 人力エレクトロ・ダブ)


踊れるビートが多くてダンスな方向に寄ってる新譜。12曲入りの大作ですがにそれぞれの曲に個性がある。これだけ一枚通して全曲の存在感があるアルバムも久しぶりです。ポエトリーリーディングからのボーカル曲といったギミックがめちゃくちゃ良い感じに働いてる。
いままでの過剰なドラマチックさによるヘヴィさは薄くなった、かと言って深みが減ったわけでもない。バランスの取れた名盤!


2. LUNATIQUE / 石野卓球 (日本 | テクノ)


卓球さんのソロは機械的な音、点と点が集合して曲になるガチガチなテクノのイメージがありました。でも本作はテクノでありながらとても肉体的な感触がある。雅な空気といいましょうか。電気グルーヴのSlow Motionを卓球ソロ寄りにしたみたいな。
コンセプトは官能的だそうで。そのエロさも露出高いエロさというより紫の照明だったり腰の動きだったり……なんとも趣きのあるエロさですよな。良いフロアの空気といいますか。
そして曲調がバラエティに富んでる。いままでの卓球さんのCDのなかで1番”アルバム”してる1枚だと思います。「Rapt In Fantasy」や「Fana-Tekk」みたいなしっかりとした4つ打ちのテクノもあれば「Lunatique」みたいなドリーミーにトリップできる曲もある。そしてドンドコ鳴るトライバルビートの「Amazones」は卓球さんの曲でも特に爆発的に踊れるチューンになってる。
踊れるテクノ!がベースにあって、飽きない曲調の広さがある。名盤です。


1. A First Aid Kit / DIALUCK (日本 | ロック / 微ミクスチャー)


女性3人のロックバンド。ヒップホップなビート&ボーカルはちょいミクスチャー。ギターの音はギターポップ/シューゲ感。そしてほんのりとメロコアな歌。
全体的にゆるふわな雰囲気を漂わせながらドラムはえらくシャープ。ラップ気味のボーカルは女の子らしさの裏に”影”が見え隠れしててなんとなく初期のDaokoを思い浮かべたりも。演奏もキメるとこはビシっとキメてて決してユルいバンドじゃない。そしてメロの良さ!キュンとエモいメロディセンスがどツボです。
今回のミニアルバムは過去のシングルとepの曲が6割でそこまで期待してなかったんですが、通して聴くと曲の配置が絶妙で単体より倍と言っていいくらいに魅力があがる。「憂日幻想列車」→「勇灯最終列車」をノンストップで繋げて極限までエモさを高めて、内面を吐き出すようにサビを歌う「おとぎばなし」で感情を出した直後に「Daydream」にZAZENBOYSばりにクールなグルーヴでガツンと落とすって流れは素晴らしいです。
なんというか自分の好みにカチッとハマった。そんなバンドがさらに魅力をアップさせてきたミニアルバムが今年の1位です。


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邦楽が16枚と洋楽より多い。去年もそうだったし、自分は意外と(?)邦楽寄りなのかも。
今年はアンビエント/ポストクラシカルなCDに良作が多かったです。買ったのは大体ランクインしてる。


WEEZERGood CharlotteKornといったそのバンドに求めてた音をストレートに出してくれたベテランバンドもいればDIALUCK、雨のパレード、D.A.N.と今後が楽しみで仕方がないルーキーもいました。今年の音楽シーンも面白かった!


TOP25以外では

  • まさかのDIPLOとかガチなデジタルサウンドになった「そして、愛してる E.P. / The Mirraz
  • アンビエントとピアノ・ポスト・クラシカルがいい具合に混ざった「Murmurations / Sonicbrat」
  • キャッチーさは減退したモノのガチな洋楽的魅力が出てきた「A_B / bomi
  • ロディアスなラップとオーガニックなトラックが心地よい「風光る / LIBRO」
  • じわりじわりと展開していく演奏でドローンのような感覚を”演奏”する「Infinite Loop / PARA」
  • 深化しづつけるドープな音に浸れる「A Moon Shaped Pool / Radiohead

も良かったです。



来年も良い音楽と出会えますように!