soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2015/08/31 山本精一presents~’60s サイケデリック・ギターソロ~ @ 難波ベアーズ

即興のエレキギター・ソロ。めっちゃ良かった!まさに60'sサイケデリック。"サイケデリック・ロック"ではなく"サイケデリック"。映画のクスリでトンでるシーンBGMみたいな音でした。


音から得られる感覚が先日見たブライアン・ウィルソン伝記映画のブッ飛んでるシーンにそっくりだった。淡い照明の部屋が回転して、気分が無になりながらただ浮き沈みするような。


轟音無し。ループさせたフレーズに密に絡んだり、全然違うトコから断片的にフレーズが入ってきたり。ゴマかし一切無しの作り込まれた崩壊した音楽。恐ろしい集中力やった……音源化してほしい名演!
3日間かけてミックスしたみたいな完成度の高い音がその場で創られてくのは魔法みたいでした。人間ここまで音をコントローラできるのか、とただただ唖然。


ここ一ヶ月ほど夏フェスやらで色んな激テク/名ギタリストを見てきて「山本精一のギターは味はあるけどテク的にはギターヒーローには及ばんのかな?」と思ってたけど……とんでもない。今日の山本さんは正確無比にものすごいスピードで指が動いてた。すんごいギタリストだわ!


暗い照明の中、動きまくる山本さんの指が芋虫がうごめいているようにも錯覚して「あ、これは脳やられてるな」と思った。そんぐらいサイケデリックでした。


音楽におけるサイケデリックってお花畑的なトリップ感やエネルギッシュな開放感に向かいがちだけど、今日の山本さんのサイケデリックはどんよりと頭が揺れるみたいなもっと生々しいモノがあった。別世界への逃避だけじゃなく感覚と生理の繋がったもっと人間的なモノ。


頭がマヒするような鈍いトリップ感の中にちょこっとの希望あるフレーズを混ぜるのが音の幅が広い山本さんならではだな、と。
それ聴いてビーチボーイズの幸福感あるサイケってマジでサイケなんだと再確認。もしかして今日の演奏はブライアン・ウィルソン映画の影響あった?


RovoのComposition Hibiyaでも聴けるような単音を前例のないようなリズムで弾くの大好き。「どんなリズム感してんの?」ってな気持ちになる。今日のライブでも飛び出てきて、しかもそれをループさせて、次々とリードギターを被せていくのがカッコ良すぎた。


サイケデリック・ロック的な路線かな?と思ったら、”体験”としてのガチのサイケデリックな音で度肝を抜かれた」ってなライブでした。
そうきたかー、と。あと一切MC無しでした 。