soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2016/06/01 TAICO CLUB 2016(MOODMAN、クボタタケシ、Special Others、Taylor McFerrin & Marcus Gilmore、サカナクション、ハナレグミ、Oneohtrix Point Never、Tycho、ARCA DJ + JESSE KANDA AV SET、Traxman、KiNK、灰野敬二、石野卓球、Tobias.、Losoul、Nick The Record) @ こだまの森

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日本の残り少ないクラブ系フェスTaico Club~。


今年も電車に揺られてゆらゆらのんびりと会場へ。


趣きのある駅・木曽福島駅に乗り換えのために降りる。30分ほど時間があるのでウロウロ。
ギターを持った2人も同じ駅で降りて"テントで弾くのかなぁ"と見てたらあふりらんぽのお二人でした(笑)
こんな地道な交通手段で……DIYやなー。



14:00頃に会場に到着。
この時間帯ならまだテント張る場所も選ぶくらい余裕ある。MOODMANのDJをBGMに設営。この時間が楽しい~♪

クボタタケシ

毎年恒例、下のステージのオープニングはMOODMANのロングDJセット。
安定しながら盛り上げるトコはしっかり盛り上げてなにげに大好きな時間帯。フロアの空き具合もちょうどいいし~。



こちらも恒例、坂の上のステージのオープニングはクボタタケシ
MOODMANがテクノ/ハウス中心ならこっちは歌謡曲とかなんでもあり。星野源の「SUN」ではやくも会場全体が爆発してて”こういうアンセム級が日本の曲から出てきたのは嬉しいことだなぁ”とか思ったり。

Special Others

スペアザ、キャッチーな曲少なめで大人な感じでした。最後の「LIGHTS」が一番ポップってなぐらいに。


初見なんですが想像以上に演奏がうまかった!
ドラムが、アクションはほとんど動いてないように見えるのに音はめっちゃ細かく鳴っててマジックみたい。


アッパーなライブをするイメージがあったので……うーむ、ちょい煮え切らない感も無きにしにあらず。



Taylor Mcferrin

エレクトロニクス(Taylor)とドラムのデュオ演奏。
ドープで気持ちよかった〜。

ムーディで爽やかなウワモノにズレが気持ち良い生演奏ドラム。ビートがニュージェネレーションジャズのズレたリズムの極みでたまらん!かなり気持ちいい事になっておりました。途中で女性ボーカルの参加もあり。


一曲目を始めるまえに”ALIに捧げる”と一言。おそらくモハメド・アリへ。この日に亡くなりました。
自分はまだ訃報を知らなかったから、”ATCQのアリ?亡くなったのはファイフだよなぁ?”とハテナ状態に。


サカナクション

めっちゃ良かった!


Taicoに寄せてクラブ寄りにスタート。バンドスタイルだけどリミックスみたいなアレンジで2曲。そのままクラブサウンドで行くかと思いきや、自然に歌モノへとシフト。「夜の踊り子」で舞子&レーザーとがっつり演出あり。フェスでも手を抜きません。


ダンス好きのハートをしっかり掴んでから自分達のゾーンに引き込んでいったのかな?
一郎さんが達成感ある風に笑ってたのが印象的。TAICOでやる意味はわかってるだろうし作戦は見事に成功してた!


「夜の踊り子」から「SAKANATRIBE」。そしてお得意の「アイデンティティ」から「ルーキー」の繋ぎ。さらに@新宝島」も!と怒涛の後半戦には震えた!

ハナレグミ

ド派手でダンサブルでポップなサカナクションのあとにハナレグミへ。
野外音楽堂に着くと大きいステージにぽつんと座って1人で演奏。
ギターと歌だけで完全に客を魅了してるハナレグミ。そのあまりの空気の素晴らしさに感動でブルっと震えました。いまでもあの光景を覚えてる。


Taico Clubに捧げて歌った「あした天気になれ」。(このあとガチ降りだったので望みは叶わず;)
「光と影」もやったりしながら飄々としたMCで気分盛り上げてくれる。最後に「サヨナラColor」でまた涙腺やられた。


今年のTaicoのメンツは他のフェスに出てる邦楽勢も多くて”良いアーティストなのはわかるけど…うーん”と思ってたけど”TAICOでやることでそこだけの空気ができる”ってフェスだったなぁと考えを改めました。そこから一気にフェスへの迷いが消えた。


夜のハナレグミの弾き語りをトリとかではなくサラッと見れるフェスなんてまず無いもんなぁ。TAICOみたいなオールナイトのフェスってほんと貴重。

Oneohtrix Point Never

サカナクションハナレグミでノックアウトされて”しばらくは何見ても感動薄れるかも”と思いながら下のステージへ。
そこで見たOneohtrix Point Neverでこの日一番の衝撃を。


「Freaky Eyes」のラスボス登場的な冒頭部分でサイドのライト2機が客側を向いて雨が演出のように浮かび上がったのにはゾクゾクしました。
爆音になる瞬間に照明が明るく光って視界一杯に雨が広がった時に”ヤベェ!”と思わず声が出てしまった。自然と光の奇跡的な演出!雨がプラスに働きまくってた!


野外の大きいステージで爆音ってのがよかったなぁ。
単独より軽く見積もって3倍は良かった。野外と雨と照明と爆音の組み合わせで奇跡起きてました。
先日のFANJ TWICEじゃOPNのスケール感は表現しきれなかったんだ!サイドの映像映す装置もタイコで見た方が断然存在感がありました。

Tycho

夕方を思わせる淡い色使いの映像をバックに演奏。夢心地で美しかった~。
演奏する楽器は曲によってコロコロ変わってました。個人的にはギターあるときが好きだった。ゲッチング先生的な気持ちよさあった。


新曲も2曲あり。ドラムン的なシャープな曲が好みでした。ドラムは柔らかいようで鋭いビート叩くな―。
もう一曲は中速でTycho流温かみのあるトリップホップ的な曲。



MCでは良い人感が出まくってました。
途中、フロアの後方にある焚き火の近くにいってみる。Tychoを聴きながらの焚き火はヤバい。アッチにいってしまうトコでした。


ARCA

体型、服装、MC、動き、音。すべてが変態度200%だった。最高やった!


ジャンルもぐちゃぐちゃ、繋ぎも常識はずれ、曲に合わせてARCAが絶叫してる。ルール無しの型破りなDJ。
だけどハマるととことんハマってしまう最高なDJ SETでした。オリジナル曲のイメージと全然違う。こんな発狂踊りまくりDJになるとはー。


深いスリットの入った衣装で奇人オーラ出まくりのダンスを踊ってる。Tバックを見せつけてきたり……;狂っとるわ―。
この得体のしれない危険さはDie AntwoodやDeath Gripsを彷彿させるモノがありました。


TRAXMAN

冒頭からテクノクラシックをかけまくってクラフトワークなんかも。スクラッチがめちゃくちゃうまい!


Jukeゾーンに入る前からTaylor McFerrinのバンドメンバーやらの出演者がステージで踊り出す。このフレンドリーな空気はバックステージでがっつり意気投合したな(笑)
 

踊ってる出演者+FOOTWORKダンサー、さらに少し前までステージに居たARCAとジェシーカンダも登場してもうカオスなことに。ARCAとカンダの存在感はスゴイな……長身だしファッションと動きが常軌を逸してる。居るだけで異次元になる。


Jukeタイムが始まるとダンサー達のFootworkがスタート。
SATURNでファンになったウィージーさんは今回は不調なのかどうもキレが無かった?
ハット被ったリーダー各(?)の人が声ネタに合わせたり、全体に指示したりで意欲的に活躍しました。


FOOTWORK始まってもARCAらが乱入してくるからスムーズなJukeステージではなくカオスなステージに。
おかげでTRAXXMANはDJやりにくそうだったけど、場の空気に合わせてJukeにこだわらず進めていく現場能力の高さには驚かされました!


「Strawberry Field Forever」ネタのJukeがかかった瞬間にARCAがガチ発狂してたのは笑った(笑)


KiNK

想像してたよりかなりライブ的なアクションのDJ。さながらローラント・ガルニエ。
ドヤ顔でシーケンサーを魅せつけるようにかかげるポーズは印象てき。
スネアロールのたびに派手なアクションで連打してたのはリアルタイムで打ち込んでた?


盛り上がりがあってわかりやすいDJ。
惜しむらくは空が微妙に夜明けが始まってたことか。暗い中踊りたい音楽でした。
踊れるって点では一番だったかも。でも踊れない音楽も気になるので途中で離脱。


灰野敬二

ギターは使わずエレクトロニクスによるノイズ。


大きく分けて3パート。
空気の音のようなノイズで30分。
教会音楽のような神聖な音で30分。
手をかざして音のなるヤツで攻撃的なノイズを15分ほど。

各パート内での展開は極小。でも気づいたら約1時間聴けてました。
ってか、持ち時間過ぎたところで新しい楽器にとりかかる灰野さん;



約1時間ほどノイズ尽くし。
その最後に”神はいる しかし何もしない そしてまったく個性が無い”と短い言葉を発して終わりました。意味はわからないけど強烈に心に残る声と言葉だった。


攻撃性や爆発力より研ぎ澄まされた匠の趣きのあるノイズ。
ステージの後ろには霧がかった山が見える幻想的なロケーションの中での灰野さんのライブは、脳の奥から刺激されるモノがありました。


あと、動きが盛り上がってきたところに虫が飛んできてビクってなってたのが萌えポイント;

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石野卓球

夜明けだからか、どこかかわいらしい/ひょうきんなDJでした。NICK the Recordの時間の空気があった。


卓球さんの動きもウルトラマンポーズ的な悪ふざけが多くて変なテンションにスイッチ入ってました;
これはこれで。だけども個人的には夜中に踊り狂うのが好きだったかも。


'14に「Poing」、'15年に「saturate(ケミブラ)」とタイコでは毎年面白い曲で締めてくれる石野卓球
今年は下の曲の卓球さんリミだそうで。ドイツ愛のあるまったりテクノポップですんごい良かった!

Tobias

変化ほとんど無しのストイック中のストイック。


一度フレーズが始まると5分は展開無しでひたすらループするストイックないぶし銀なプレイ。
ムスッとした顔でDJしてるから怖い人かな?と思ってたら、去って行く時はめっちゃ笑顔でなんだかホッとしました(笑) 

Losoul

Losoulでラストダンス!
過度な盛り上げはせずにストイックなDJをするLosoulの3時間セットで締め。
機械のように足を動かしてるとそのうち気持ちよさの極みに。


黙々と踊り倒した!
あとはテント畳んで恒例のNick The Recordでゆるりと自由を楽しむのみ。


Nick The Record

ずっと曇りだったけどNick The Recordの時には晴れてきた~。


裸軍団やフラフープといった、いつものフリーダムな光景が広がっていました。
これで締めれるのがTAICOの好きなトコなんだよな~。
Freedom with music!