soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2016/10/14 怪獣教室#2(山本精一+勝井祐二+芳垣安洋、岡部洋一) @ UrBANGUILD

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怪獣教室#2(岡部洋一+芳垣安洋+山本精一+勝井祐二)、怪獣としか言いようのないステキ即興セッション×5でした。
全体的にノリの良い演奏が多め。主に山本さんと芳垣さんがかき回しながら岡部さんと勝井さんが何年も練習してるアンサンブルのように合わせていくって役割分担でした。



第一部=最初の2セッションは、山本さんがタイコでROVOの鬼ドラム2人を出し抜いて湧かすまさかの展開!
ウソやーん!ってなりました。

セッション#1

山本さんがおもむろにタイコをもって山本さん芳垣さん岡部さんの打楽器3人でスタート。
勝井さんはいきなり暴走する3人に苦笑いしながら親指ピアノみたいな音をヴァイオリンで出す。適応力すごいっ!


山本さんのタイコが細かい音の切れ味やらインパクトの強弱まで見事で美味すぎる。並のパーカッショニストが見ちゃうと心折れそうなレベルの名演奏。ギタリストですよね?
10分後くらいにギターに持ち替えるも音は完全にベースな低音。
そして、もう一度タイコに戻ってGOMA&JRSばりに叩きまくり!ドラム2人も追うしかない状態(笑)


ということでセッション#1は山本さんはまともに”ギター”らしいギターを弾くことなく終了。たぶんどこかでスイッチ入っちゃったのでしょうね。
本人も笑いながら”二度と見れないでしょう;”と言ってました。


セッション#2

ダブ→ドローン→ドラムン→山本さんタイコ暴走と展開。


岡部さんがまさかのエレキベースを演奏!重い音でしっかり土台を作ってる。普通に上手い!
ドローンサウンドから芳垣さんがドラムンで切り込んだ瞬間がヤバかった!MDT2014の即興演奏でも面白かったし芳垣さんの仕掛け方は好きだなー。


芳垣さんの人力ドラムンがすごすぎました。高速ビートの動きからDJがスライダーをミュートするようにストップしてタメを作ったりする。人間か……?
終盤、また山本さんがタイコを乱打。鈴まで取り出してガムシャラに振り回しながら盛り上げて終了~。なんだ今日の山本さんの暴走っぷりは(笑)

セッション#3

休憩を挟んでのセッション#3。中東風の旋律のセッションでした。
山本さんは途中からエレキベース。岡部さんとひとつのベースを使いまわししてました。
ボディにSlipknotのシールが貼ってて意外。ROVOなら原田さんがまだイメージあるけど誰のベースだったんだろう?


前半の2セッションにくらべて落ち着いた演奏。肉体より精神をトランスさせていくような感覚。山本さんがベースを弾いてた時に、脇に置いてたギターから流れる”ピーーー”ってノイズが気持ちよかったです。


セッション#4

メタル・テイストのギターリフでスタート。ドラムもドゥーミーに。勝井さんがメタルギター・ソロみたいなヴァイオリン・ソロを披露。器用だなー。
たまにROVOっぽい演奏になっても山本さんがザクザクしたメタルギターをぶっこんで宇宙ではなく人間味ある演奏に引き戻してました。


終盤に宇宙な美しく昇天する展開に……と思ったら山本さんが急に下降フレーズをぶっこむ。即反応してユニゾン調に合わせる勝井さん。長年の戦友っぽさあるシンクロ率に熱くなりました。


アンコール セッション#5

ROVOの「REZO」のような大人しい演奏から静かに、そして確実に盛り上がっていく演奏で締めました。
ROVOっぽさもありながら”即興”と”曲”の違いをかいま見れました。ROVOという”コンセプト”と”個人”の違いが見れて面白かった~。



アンコール前では岡部さんがMC(もちろん山本さんの無茶振り)。はじめて喋ってるトコ見たかも。


MCでは山本さん勝井さんの
勝)「怪獣教室って何ですか?」
山)「(演奏)やりましょうか」って無視漫才が何度か。


山)「まだ大阪(第一回)と京都(第二回)でしかやってないからね」*ホントは今回の京都が初
勝)「一回目は誰とやったんですか」
山)「ありがとうございました」
と最後の最後まで無視オチで天丼をかましてカンペキ。MCの即興も一級品!




今回の即興を見てROVOはやっぱり"ROVO"って制約があるんだなぁと感じました。型と言ってもいいか。この4人だから当然ROVOに似てる。けど違う音が生まれていました。