soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2017/04/27 山本精一 - 音響ノイズ三部作 @ 難波ベアーズ

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山本精一・ノイズ三部作と称されたライブ。
エフェクタの実演や”ノイズとは?ノイズの種類とは?”といったミニトークを挟んでの3種類の即興ノイズ+アンコールでした。耳にも脳にも面白かった~。
なによりここまでガチにノイズに集中した山本さんは久しぶり。




一つ目は<フィードバック>を主としたノイズ。はじまりは綺麗なドローン系……かと思いきや特大音量で重めの音が鳴ったりと幅/空間が広いノイズでありました。
ハコが揺れるレベルで音はデカかったもののロック的なカタルシスは抑えてのノイズ。


重いノイズは”大きく”も感じた。ワンダの巨像を見上げた時のような”畏怖”に近い感情。それをビジュアル・ゼロの音だけで感じさせるからすごいなぁ。
綺麗なドローンもTim Heckerばりに美しくて。山本さんの『milky way』のスタイルに似たトコあったかな? 




プチ休憩を挟んで二つ目は<不協和音>のノイズ。チューニングを狂わせたギターでエフェクターを使わずに演奏。
チューニング変えたあとにジャラン♪と鳴らした音がいい感じにズレてておお!となった時点で”自分もだいぶおかしい世界に足を踏み入れてるな”と思った。


演奏が始まると音程の不協和音……とかの前に山本さんがギターを弾くパワーがすごい!
ギターをぶん殴るかのうような荒れ狂う弾き方。これは興奮せずにはいられない。比較的短めながらもインパクトあるセット。
次にノンストップで<エフェクター>を効かしての演奏。もうこの世の終わりみたいなノイズノイズノイズ!


エフェクターは(足元にあるのを)ガンガン踏むわ、(机に置いたのを)ゲンコツで叩くわ……ストロークは超高速。
直線に進んでた音がキャパの限界を越えて時空を歪ませながらカーブするような感覚。インキャパやASTROで似た感覚を得ることはあるけど山本さんのノイズでこの手の感覚は初かも。


見てる方も拳に力がこもるような緊迫感と衝動のあるノイズ。勢いが止まることなく音が暴走し続けてました。
”3つやっちゃいました”と発言して本編終了。相当な熱量だったので終わりかな?と思いきやアンコールあり。



アンコールでも、接触音のノイズ、文鎮を使ったギターノイズ、チューニング狂ったままドゥーミーなリフを奏でるロックなノイズ……など色んな種類のノイズをたっぷり堪能。
文鎮をスライドさせながら”これが普通の使い方”って発言がツボりました。普通の人はギターを演奏するのに文鎮を使わない(笑)


山本さんのガチノイズをいっぱい……非常に興味深い体験できて大満足!演奏も熱量すごかったし、よくしゃべってたしご機嫌そうだったなぁ。


プリペイドギターの演奏の前に「プリペイドギターはあの人もやってますね……誰だっけ?」と言って演奏を始めて、終わった直後に「ああ、思い出しました。◯◯だ」。
あの壮絶なノイズをやりながら思い出してたんだろうか;