soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2017/05/29 山本精一、須原敬三 @ 難波ベアーズ

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MDTの次の日に山本精一さん須原敬三さんデュオでの歌モノ~。


ROVOとの落差が大きい、と思いきやギターがなかなかに勢いがあって。ROVOから完全切り替え…ではなく軽く成分が残ってる感じ。それでいて歌の良さが半端なく感じられる素晴らしいライブでした。


前半に邦楽カバー、中盤に洋楽カバー、終盤に自分の曲と大きく分けて3ブロックで進行。曲調もブロックによって移り変わっていってた気がする。


一発目の「堕天使ロック(ジャックス)」がえらく渋いロックのテイスト。
爆音じゃなく、グラサンと荒野が似合いそうな大人のキケンを漂わせたロック。CONPASSでのカブサッキとのデュオで見せたノリを引き継いでる気もしました。


そのままいぶし銀なロックテイストで4~5曲。山本さんはシャギっとしたギター。歌モノでは珍しいかな?
須原さんもデュオでは珍しい音作りしてた。丸み&優しさよりサイケバンド的な。保海さんのPAじゃなくなったからこのデュオでの新しいスタイルを模索ってのもあったのかな?


中盤は洋楽カバー・コーナー。アメリカ・ロックっぽい乾いた音のギターが印象的でした。そこにじんわりサイケや音響派の手法もいれてくから面白い!


洋楽カバーの曲は 
「candy says (Velvet Under Ground)」
「Cinnamon Girl (ニール・ヤング)」
「Don't Cry No Tears (ニール・ヤング)」
あともう一曲あったっけ?


「Don't Cry No Tears」のカバーは大好きなんでやってくれてホント嬉しかった。後半に山本さんがこのカバーでしか出さないタイプの感情表出系の歌い方をするのがたまらんのです。
クルぞクルぞ、と思ったらその歌い方やってくれてキターー!!!


洋楽ロックのテイストを引き継いだままオリジナル曲のディープなのを3つ。「真昼間の獏」「Days」「POWDER」。ストレート、ヘヴィ、ミニマルとバランスの良い3曲。
山本さんの曲と洋楽ロックテイストが合わさって面白い感触がありました。


「Days」では山本さんがメインリフとソロを同時に弾く神業を披露してた(と思う)
「POWDER」では人力(≠エフェクタ)でダブ/チョップ処理のようなことをしてました。ミニマルなリフレインでの須原さんのベースとの絡みが素晴らしかったです。


アンコールでは”めったにやらない曲。このデュオでははじめて”と「Venus in furs(Velvet Under Ground)」のカバー。原曲よりちょいテンポ早め?ギラギラしたリフの繰り返しがめっさカッコよかった!


「Venus in furs」カバーのラストは原曲のジャラジャカジャカってのを超高速化。速すぎてほぼドローンサウンドになってる……、恐ろしいスピードでストロークしてました。
2分くらい長めにその状態。須原さんもベースで高速ストローク。大迫力で圧倒された……。


Wアンコールにも応えてくれて「サナギ」を演奏。
急に高速で弾いたりとだいぶアレンジしてたけど、しっかり合わせてくる須原さんがすごかった。ホントこの2人はすごいな。


カブサッキ終わり、MDT終わりゆえ(?)の山本さんの演奏テンションが面白くて普段の歌モノとちょい違った感触のあったライブでした。
天才の精神世界に取り込まれていく……というよりさすらいの旅人がロックを奏でてるみたいな印象を受けたり(自分でも何言ってるかよくわからない;


あとこの日のキンメさんの工芸茶は美味しかったな〜。良い歌と良いお茶でようやくMDTのお酒が抜けた気がします!