soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2017/10/07 全感覚際 2017(GEZAN、テニスコーツ、ロンリー、LOSTAGE、山本精一&OSAKA、LOOP H☆R、ゆうき、The GUAYS、Hard Core Dude、NOT WONK、ふちがみとふなと、bacho、踊ってばかりの国、渚にて、寺尾紗穂、falls、DODDODO BAND、KKmanga) @ ROUTE26 野外特設会場

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GEZANが主催する全感覚祭。毎年、東京でやってるのを見て羨ましく思ってました。
大阪でやると発表されてからずっと楽しみにしてた!
そしてめっちゃ良いフェスでした!
正直フードも微妙、ドリンクも好みのモノ少なかった。
けど鳴ってる音が、会場の空気がユースで最高なフェスでした!


KK MANGA

一発目に景気よくハードコア。昔は狂ったようにバンド名を繰り返し、フロアにつっこみまくってたイメージ。
今回はそこまで突き抜けたことはせず。フロアに降りたのも一回だけかな?
パワーはすごい。とくにギターのズギャギャギャってな音がヤバい。


繰り返される崩壊寸前のハードコア……の最後に繰り出されるスネア連打が異常に気持ちよかった。
まだフロアもあたたまりきってなかったからか、世界の崩壊的なカタルシスはなかったけど……いま思い出すと曇り空の下で、初・大阪全感覚祭の伝説のはじまりが沸々とはじまってた気もします。


DODDODO BAND

室内のステージ。ステージ前方が狭くてあんまり人が入らない……ので横側から見てました。
落ち着いた素朴なステージング。DODDODOの優しい面が出てました。「夕日」のメロディがじんわりと室内の広まっていくのは気持ちよかった。たまに和田さんのドラミングが恐ろしいけど(笑)

falls

爽やかな音を元気に鳴らすバンド。
ドラムのキックの踏む勢いが常識外でした。スネアに足を擦らせながら踏んでた。短パンはいてるものだからスネアのすり傷がすごいことになってた。そりゃそうなるわ;
音に曇りがなくて、野外で聴くと気持ちええ音ですなー。 

寺尾紗穂

キーボードの弾き語り。とても優しい声。メロディは絶妙にポップな耳触り。青葉さんにも似ててマヒトさん好きそうだなー;
ラスト2曲くらいはマヒトさんがゲスト参加でギター&コーラス。静かな面のマヒトさんも最高です。
2人でGEZANのカバーで「エンドロール」を。めっちゃよかった。


渚にて

なんと野外でのライブは初らしい(情報間違ってるかも;)
柴山さん武田さんの佇まいがわび・さびの世界。なんとも無情な歌が心地よい。このバンドは曇り空が似合いますね。
吉田さんは伴奏的な演奏が多く、ポップな面は少なめだったかな?


踊ってばかりの国

自分がいたのが最前だったのもあるだろうけど爆音でほぼシューゲイザー状態!シュゴーー!ギュイーンとギターが唸ってました。メンバーチェンジして音も大きく変わったなぁ。
陽の下津さん&ドラム、陰の他3名の対比がおもしろい。ってか両極端(笑)


ステージの袖でマヒトさんが見てるのに気づいてるのかいないのか、下津さんがマヒトさんへ本気の感謝の言葉を述べてたのはグッときたなぁ。


bacho

タオル鉢巻をして男臭さしかない風貌でライブ。
熱い!とにかく熱い!拳を振り上げて一緒に歌う!それでいいのだ!いまの自分にガツンと響くシンプルな言葉。


ずっと大人しかった客達についに火が。軽いモッシュのような現場になっておりました。
野外ステージは最前の真ん中だと歌詞が聞き取りにくいのが難点だな。


bachoはGEZANの大阪復活ライブの対バン相手。そのときもMCと演奏に泣かされた。今回も熱かった。大阪初の全感覚祭に出てくれてよかった。


ふちがみとふなと

スタートから少し遅れてふちがみとふなとを見る。


ゴーイングマイウェイな渕上さんの歌にどんどん引き込まれるていきました。癖の塊なのにそれが気持ちよくなってくる。”なにが”の説明はまったくできないけど。
歌(と人間)の根本にあるパワーをむき出しで触れられた気持ちです。最高だったー!


NOT WONK

パンクな中にシティ・ポップのようなオサレな空気もある。
少しづつ薄暗くなっていく空に合ってました。
WONKとNOT WONKがよくごっちゃになるけど音自体も似た部分があるのかもしれない。


HARD CORE DUDE

ある意味一番印象に残ってる。ハードコアという名の漫談。
バンドじゃないもん、タイトMC、長浜=LONG WAVE、時間がない……といった話題に腹抱えて笑いました。
演奏も勢いはあるから(一部が)がむしゃらに盛り上がってました。


客がずっとニヤニヤ笑ってるのがええよなぁ。あれぞ大阪でした。


ゆうき

ゆったりと歌われておりました。あまり姿は見えなかったけど心地良い声。やはり声がいい。

LOOP H☆R

話題の新次元・LOOP HR。聴く者の精神を不安定にさせる歌はすごいインパクトです。
ライブ前から会場をウロウロしてて、どんなパンクスより、どんなモヒカンより、どんな長髪よりオーラを発していました(笑)


その話題性ゆえ人いっぱいで姿はまったく見えず。


ライブはもうほんとにPVのままのアレですよね;
ってかリズムが音源通りで完璧だし……ある意味すごい;;;;;;;;
しっかりと再現してたとこから確信犯でホンモノよなぁ。


山本精一 & OSAKA

謎の& OSAKAとは……まったく大阪が関係ないメンバーでした。
京都のRickyさんと尼崎(そうやったんや!)の西さん。
歌モノ……だけど山本さんはグラサンモード = 危険なモード。
始まる前に”めちゃくちゃの大音量なので耳の弱い人は逃げといてください”との発言も。爆音の歌モノでした。


すんごい音で掻き鳴らされる「Discord」のリフ。ネックをグワングワン動かしながらの緊迫感あるステージング。
「Be」で爆発ギリギリ。爆発して暴れるよりギリギリで抑えてるのが一番怖いのかもしれない。
そこの並びにトリップする「POWDER」を持ってきたのは意外でした。


西さんのキーボードは素晴らしいの一言。ポップな装飾も、太いベースもついていく。支えながら色をどんどん足していく。相棒・須原さんがとにかく支えて無意識的に高めていくとは違う感触があります。
Rickyさんもロックよりちょいジャズ寄りなドラムで爆音にも合わせていく。


最後の曲の前に”GEZAN頑張れ!”と一言。
冗談にも受け取れるけど本心でもあるんだろうな。若者も巻き込んでぶち壊して欲しいと。GEZANが今やってることが面白いと。山本さん自体のおかしいテンションが物語ってた。
あの一言には大阪のシーンを見てる人間としてはグッときました。


そして”フルテンにしちゃっていいですか?”とアンプのツマミをグルっと。暴れまわるギター。ノイズじゃない、でもハードコアでもサイケでもない。”アブナイ”が凝縮されてるギタープレイでした。まさにGEZANがプレのトークイベントで言ってた”言葉に出来ない得体のしれない関西のナニカ”だった。単純な奇抜さじゃないんです。


最後の最後、山本さんのテンションが高まりきってアンプに駆けつけてツマミを回そうとする……もすでにフルテン(自分でやったのに;
やれることないけど衝動を抑えられない様子でキョロキョロしてる。取った行動は……アンプの電源を切る!。それでライブ終了。最高やった!!
テンション高まりすぎてアンプの電源切る人をはじめてみた(笑)(笑)

Lostage

山本さんで盛り上がった直後にLostageダッシュ


山本さんの後でもビンビンとくるギターのカッコよさ。繊細さもパワフルさもある。とにかく見てて聴いてて気持ちがいいのです。CDでも動画でもなくライブで特に感じるこの感覚。
特別変わったことをやっている風でもない。でも一番好きなギタリストにあげたくなるだけ惹きつけられるナニカがある。
これも関西のナニカなのかもしれない。


そして五味さんのボーカルもベースもええんよなー。熱い。


GEZANの大阪ラストでツーマンしたlostage、復活でツーマンしたbacho。この二組が大阪の全感覚祭で最高のライブをした。どちらも魂の絆を感じる熱さ。最高です。


ロンリー

室内ステージでがっつりモッシュが起こっておりました。
ワンフレーズのシャウト連呼で押すシンプル・ポップネス・ハードコア。客が良いテンションになって騒いでた。無駄を削り落としてるけどちょいと泣ける。楽しくて切なくて。フェスの真ん中なのにアンコールも起こってました。


テニスコーツ

じつはあんまりこの人達はわかっていなかったりする。淡々とした歌。優しいでも破天荒でもなく。
夜にむき出しのライトで防波堤の後ろにいっぱいの人が座ってるなか聴くのは不思議な空間だった。
最後の曲(カバー?)がズンっときたな

GEZAN

GEZANがスタートする直前に小雨が。ミストのようで暖色のライトに照らされると幻想的ですらあった。どんなお金のかかった演出よりも美しかった
フロアの空気がいままでと明らかに違う。ギラギラしてる。時間になったけど青葉市子(=全ステージが終わってから)スタートすると宣言。


「瘡蓋と爆撃機」でスタート。
絶対的な主催として全出演者の期待を背負う演奏と表情。衝動が抑えれなくなる客。モッシュでありながらみんな表情がステージを見ている。騒ぎたいだけのひとがほとんどいない。みんな音楽とバントとGEZANと向き合ってる。


「blue hour」「言いたいだけのvoid」「absolutely imagination」「Ambient red」。
「Ambient red」以外は勢いのある曲ばかり。感傷的に浸らせようなどとはせず、とにかく攻めて攻めて攻めまくりのセトリでした。


もみくちゃになりアドレナリンが分泌して細かいとこもまで把握することはできなかった。
ただ変わったことはしてなかったと思う。真摯にロックをユースを奏で、全力をぶつけてきた。とくにカルロスさんはずっと優しい青年のような目でしっかりと着実に弾いて、歌ってました。


雨も音楽もとにかくすべてが幻想的で破壊的で……やはりユースだったのです。
ダイブはステージ後ろにいる出演者が多い。誰かスゴい勢いで飛び込んできたと思ったら完全に目が”入ってる”下津さんだった。この2組の関係はすごいな。


「Abolutely Imagination」のPMAを全力でシャウトする。(自分はKEMURI Tシャツ着てた)
マヒトさんの言葉を一緒に歌うと自分の気持ちが発散されるような気分になる。パンチラインの嵐。


アンコールでは「wasted youth」。もうコレは動画を見てもらったほうがいいと思います。ダイブの嵐。人もどんどん潰されてる。前を見えない人もいる。でも不思議と暴力的な空間ではなかった。みんながポジティブにステージを見てた。マヒトさんも突っ込んできた。




GEZANの時、横にめちゃくちゃ盛り上がってる人がいると思ったら下津さんだった。
そういや山本精一さんのライブは吉田さんの横で見た。なんという空間。


めちゃくちゃで自由。だけど本気。遊びじゃない。正面から向き合ってる。全感覚祭、最高のライブ空間でした。