soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2017/12/04 bikke+近藤達郎+服部夏樹+かわいしのぶ (&ゲスト:山本精一) @ ムジカジャポニカ

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bikkeさん @ ムジカジャポニカ〜。めっちや良かった!
音が出て開始2秒で”今夜は良い夜になるな”ってわかるライブがある。今日がまさにそうでした。



ギターボ―カル、ギター、ベース、キーボードの4人編成。ドラムがなくても不足感はない。
温かい歌はもちろん、演奏がよかったなぁ。紡がれる音すべてが輝いてて魔法みたいに感じる。無から有を作り出す魔法。
職人の工芸品を見たような感動が得られるフレーズ。芸術品。ギターとキーボードの絡みがスゴかった〜。


基本は穏やか歌モノ。たま〜にギターの二人がめっちゃ変な演奏する。
ミュートっぽい音、半歩ズレたテンポ。急に差し込まれる奇妙さしかない演奏。アヴァンギャルドっすなー。
bikkeさんは前にベアーズで暴れまわってるのを見たことあるので変わってる人のイメージは強くある(笑)


ベースの人はどこかで見たことあると思ったら大友良英スペシャルビッグバンドで弾いてた人かー。近藤さんも大友さんバンドに参加してるしラブジョイから結構参加してたのね。


2部制でした。2部の途中から山本精一さんが参加。
ステージに用意されてるのはギターとドラム(バスドラ、スネア、ハイハットだけ)。
まずはギターで参加。


4人だけで完璧だったから”ここに山本さんが入ったらおかしくなるんじゃないか?”と思ったけど……さすが。完全に溶け込んでましたた。最初の一音目から。


山本さん加わっての一曲目は打ち込みビートを流しての微サイケな演奏。
元々いた二人のヘンテコ・ミュートギターに加えて、山本さんのサイケなカッティングが気持ちいいのなんの。音の作り/鋭さがキレキレでした。


2曲目は羅針盤の「永遠のうた」。コレが”極上”以外の言葉が見つからない素晴らしさで!
いつになく感情的な山本さんの歌を包み込むような4人の演奏。山本さんの歌に対してこの接し方が出来る人達はそういないぞ。最後の英語部分はエモすぎて鳥肌モンでした。
山本さんがアンプの上に腰掛けて歌ってるのもよかったなぁ。
山本さんが誰かと共演するときは普段なら異分子として入るかもしくは山本精一with○○になることがほとんど。けど今日は5人が溶け合ってました。なんかいままで見たことない山本さんでした。


ギターを置いてブラシスティックでドラムを叩き出す山本さん。スマートではないんだけど味があるんよなぁ。つんのめりビートの気持ちよさ。なんかベースみたいなリズムの取り方をします。
スマートに叩けないのを利点に変換してるのか、わざとスマートに叩いてないのか……真相は不明だけど山本さんのドラム好きです。


bikkeさんがムジカジャポニカへの感謝を語ったあとに「さよなら」って曲を演奏するのが素晴らしかった。曲がアップテンポで明るいのがまた。ちょっとマジ泣きしそうになりました。歌詞もよかった……。


山本さんが童謡みたいな曲を歌ってるのもあったな。あと英語歌詞の冬の曲。普段の山本さんなら絶対に歌わない歌。
でもめっちゃよかった。bikkeさんとのハモりが。そういや山本さんのハモりって珍しい?
冬の幸せにムジカジャポニカが包まれて素敵な空間でした。



アンコールあり。
山本さんも出てきてドラムにスタンバイ。シャンソンのマリリン的な曲のカバー。
”どんな曲やっけ?”、”テンポは?”と訊きまくる山本さん。
切ない曲をいくつも歌ったけど、最後はみんなで楽しく!bikkeさんの笑顔がええわ。山本さんも半笑いになりながら叩いてました。
最後の1音が揃わずにドリフのようにズッコける終わり方。
この和気あいあいとした緩さがええじゃないですか。キマらない終わり方にほっこりしてなんだか泣きそうになりました。




bikkeさんがせい子店長を”セイちゃん”と呼んでる後ろで、山本精一さんが”俺もセイちゃんなんだけど”とボソボソ言ってた(そして無視されてた)のが後日になってジワジワきました;