soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2018/01/25 想い出波止場 @ 難波ベアーズ

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自分がベアーズに行きはじめて関西アンダーグラウンドに触れ始めたのが2011年。想い出波止場が最後にライブをしたのが2009年。
当時、みなさんの書かれたライブレポを読んでると”想い出波止場はもうめったにやらない」”宣言されてたそうなので、”自分は見る機会はないかもなぁ”と思ってました。
すると突然ベアーズのホームページに想い出波止場の文字が!
”まさか見れるなんて!”と大興奮のまま速攻で予約してワクワクしながら当日を迎えました。


当日は全国から想い出波止場を見ようと人が集まっていたらしく、ベアーズでは珍しい長い待ち列が。LAVI側の高架下にまで列が形成されてました。最終的に130人入ったとか。




で初・想い出波止場
第一の感想は「想像してたより真っ当なバンドや!」
もっと水道メガネ的なわけわからんことになると思ってました。
そして”オルタナ/アヴァンギャルドとしてめっちゃカッコええな!!”と。
”あの曲のあのフレーズが!うおっ、カッコええ!”とテンション上がりまくりでした〜。


山本精一津山篤のコアメンバー+砂十島NANIの3ピースバンドって感じでした。他にはゲストボーカルが×2。
余計な装飾がなくシンプルな分ロック/パンクな印象。このミニマルな編成で出来るのであれば想い出波止場としてのライブ頻度も増やせそうだけど……どうなんでしょ?


山本さんはギター&ボーカル、津山さんはベース&コーラス、NANIさんはドラム。
他には山本さんがサンプラー?やキーボード、津山さんが縦笛や木の枝を使う場面も。(終演後は木の枝が散乱してたw) そういった小物よりも、メインの演奏をしっかりやる。ってのが今回のライブだった気がします。
どっかの層の音が抜け落ちてる感じがボアダムス的なジャンクさにも感じて、それが逆にカッコよかったりもする。


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最初の曲はクリスデイヴ(いや、ディアンジェロか?)的なつんのめるビート。
最近流行りのビートですが、この人達がもう何年も前にやってたんだなぁ。トリッキーなリズムはライブが進むに連れどんどんストレートにパンクなビートに変わっていく。


音源で聴いてたフレーズが再現される嬉しさ!ってか編集じゃなくて人力でやってたんだ!って驚き。
山本さんはサングラスモードに帽子無しモード。基本的に機嫌がよさそうだった。 シャウトは少なめ。 ギターの音がジャギジャギ鋭いうえに重くて。最近の他のユニットじゃ聴けないオルタナな音。ノイズでもない。めっっっっさカッコよかった!
津山さんのベースはメロディアスで渋い……。蛇のように動き回っておりました。シリアスな顔で弾いてて……波止場のイメージからするとなんか意外(笑)
NANIさんは勢いあるビートから細かいフィルインまでなんでも来いでもうパーファクト!




ゲストボーカルはデイビット・ホプキンズとケン・スギサキさん。
ケン・スギサキさんはベアーズの客席で酔っ払ってるのはちょくちょく見るけど……ステージだと存在感すげぇ! 居酒屋に居そうなおじさんが奇妙なポーズと興奮を誘うシャウトで歌いまくるカオス


デイビット・ホプキンズを呼び込んでのブラックハワイのtr3~5の再現はヤバかった!音源のまんま再現されてる!「Peace Ball」の暴走→停止の連続もエゲツない。津山さんの手が速すぎて見えなくなってました;




「Out Rockers on Your Angel Hair」はスゴすぎた! 山本さんが腕を振るとコードが変わる。なんでこの人達合わせれるの? 最近じゃZAZENとかが近いことやってて”よう練習してんなぁ”、”集中力すごいな”と感心するけど波止場はタイミングがめちゃくちゃで”は?”ってなる。脳の処理が追いつかない;
腕を振る(ってか空を殴ってる)山本さんがロックでカッコいいんだ!


「台湾ディストーション」メインの声は津山さん一人でやってるのね; 絡んでくるNANIさんの”ワンツーワンツー!”の声がカッコよくて~。若さと勢いある声!
「SHELTER BEERHALL」のドコドコドコ!とかおぉ、まんまや!と感動。




アンコールはデイビット・ホプキンズが洗面器に顔をツッコんで喋る「水中JOE」。マイクを向ける津山さん山本さんのお二人。アホだ(笑)


オーラスは山本さんの
”スリー!”
”じゅうなな!”
”さんじゅうに!”
ってなカウントに合わせて3人でその回数分だけ音を出すパフォ。
”74!”で揃わずにグダったのに、”99!”は3人がピタッと止まったのはたまらんかった~。多分数えずに感覚で合わせにいってる。それが合うのがすごい。




そのあと津山さん山本さんが即興な歌をフザケて歌ったり、完全に壊れはじめた山本さんの寸劇がはじまったり。
山本さんは”もっとやりたいよう~”と普段のアンコールと真逆の言動を。”バンジョーがほしいよー”と謎なことも言っておりました;
結局、山本さんの”このままじゃ水道メガネと同じになってしまう”の冷静な一言で帰っていきました。面白かった~!




想い出波止場は変なことをするのが目的でなく、確かな演奏力と楽曲の下地があるバンドでした。
変な部分は関西人の性として”出てしまってる感”が強い。
あくまでもめっちゃカッコええバンドだった!見れてよかった! 次は大人数編成も見てみたいなぁ。ホントまたライブやってください!