soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2018年 アルバム・ランキング TOP25

2018アルバム・ランキング!

もう3月ですがようやくアップです;
邦楽・洋楽・ジャンル・メジャー・マイナーが入り乱れた分裂症具合は変わらず。
いつもよりはポップなアルバムが多いかな?

25 My Mind Makes Noises / Pale Waves

ゴスメイクなのでゴシックで甘美な音かと思いきや……とびっきりポップでキラキラした音。このギャップにやられました。


The 1975以降と言っていいキラキラしたサウンド・メイキング。その中でもシンプルに曲が素敵ですな。
ストレートに良い。

24 Combat Sports / The Vaccines

聴いた瞬間にパワーがみなぎってくるUKロックのポップな側面がよくでてる一枚。
エネルギーと音の説得力に満ちてる。この自信満々にロックな感じ。ワンフレーズ・ワンフレーズが生き生きしてる。
良いUKロックとはこんな曲たちを言うのでしょう。

23 ONE! / ネクライトーキー

これは良い日本のロック!
バラエティ豊かにポップなロックを鳴らしてるお手本みたいな一枚です。
同メンバーが2人在籍するコンテンポラリーな生活に通じる楽しさ&スレた感覚がある。


ハム太郎ボイスと言われるもっさのボーカルはチョコマカと元気に歌う曲もいいけど、実は「ゆうな」とかしっとり歌う曲でも映ますね。Shiggy Jr.の池田さんタイプかもしれない。


こんだけキーボードがフューチャーされてるのに正式メンバーじゃないってのが面白いよなぁ。

22 CHATMONCHY Tribute 〜My CHATMONCHY〜 / V.A.

チャットモンチー自身が選んだ人たちによるトリビュート・アルバム。
これだけワクワクするトリビュートは久しぶりです。


みんな自分たちの色を出してて、その色が一方向に向いてない。
チャットモンチーがどれだけ音楽的に信頼できるかがわかる一枚。最後のギターウルフとかもう最高ですよね笑


ただ、さらっと聴きたくてもグループ魂のコントが邪魔するのがネック;

21 魚図鑑 / サカナクション

ベスト盤なんでこの順位にしてますが満足度で言えばベスト10には入る。


日本のロックバンドの頂点が良曲を集めtことで改めて凄さを実感。
次々と飛び込んでくる名曲、そしてアイディア!


シングル集になっておらず、アルバム曲も良いのを引っ張ってきてるのが信頼できます。
だから余計になぜ「さよならはエモーション」入ってないんだー、と。

20 7 / Beach House

ひたすらドリーミー。かぎりなくとろける。
粒子が包み込んでくれるみたい。聴いてると起きながら寝てるみたいな気持ちになる。
要素より概念としてめっちゃ気持ちいいです。


似た作風のバンドは多く入れど、ここまで感情や意識が白昼夢な方向に動かされるのはないのですよね。

19 ネット上の人間関係についての簡単な調査 / The 1975

ここまで深い音を出すようになったか……と衝撃。
アイドル的な人気を持ちながら音はめっちゃマニアック。


キラキラしながらめっちゃドープに来てる、そして実はそこまでポップ/キャッチーでもない。
っていう独特のサウンドはフォロワーとはひと味違います。


前作で見せてたエレクトロニカ/アンビエント側面はいい感じにソフトになりThe 1975サウンドに取り込まれてる。
さらにニューJAZZの要素もそつなくこなして天才ですなー、と。

18 CINEMATIC / Owl CIty

2nd以降はEDM/デジタルポップ色が強くなって1stの繊細な良さが無くなってそれほどピンと来ず。
ここ数作で徐々に昔のメロディセンスを戻してきて、ついにポップセンスが大爆発した!


なんたってメロディがいいです。全曲がシングル・カットできる。
あぁ、良いメロディですよねってすぐになる。


フォークトロニカ、ロックな感じにうまくEDM的なサウンドが合わさって、いままでの軌跡が無駄になってない快作。ポップはええなぁ。


17 天体 / Polaris

最初の1音で優しい気持ちと切ない気持ちが溢れてくるサウンド・メイキングの素晴らしさ。
近年のバンドの流れであるサンバ/ラテン要素も心地よくはいっている。


ちとダブ的な没入感が弱いトコもあるけどいいアルバムです。


16 No Tourists / Prodigy

なんかあんまり話題になってないけど個人的に大ヒット。
大好きなProdigyが戻ってきたって感じがします。


『Invader Must Die』と『The Day is my Enemy』と同路線のようで全然違って聞こえる。
ビート感覚が、ベースラインでのブロステップ/エレクトロの感覚ではなく、デジロック/ビッグビート的なドッカンドッカンしてるのがツボなのでしょうか?


”オラオラオラオラ、暴れろー!”的なワルさ。これぞProdigy

15 ホームタウン / ASIAN KUNG-FU GENERATION

とても大人になったアジカンの新譜。
まぎれもなくアジカンなんだけどWEEZERとかのエモよりGirlsとかインディー・ロックとしての側面が強い
落ち着いたグッドミュージックです。
メロディが暖かく包み込んでくれて最高。


「レインボーフラッグの」”タタタタ(片足)”とかの””アーノコガースケットゥボードゥケッチェー(あの娘がスケートボード蹴って)”とか日本語の響きでめっちゃ挑戦してて、それが大成功してるのがたまりません。


アジカンで一番好きなアルバム。


14 ORDINARY CORRUPT HUMAN / Deafheaven

ポストブラック・メタルの若手~中堅の筆頭。
もはやデス声がなければポストロックな美しさの一曲目にぶっ飛ばされました。65daysofstaticとかExplosion in the skyとからへんの文脈で語った方がウケが良いでしょう。


一曲目以外もブラックメタル要素よりポストロック要素がかなり出ててポジティブに昇天します。
凶暴さがありながらフレーズがポジティブなフィーリングに溢れてる!

13 DRIFT Episode 1: DUST / Underworld

Driftをテーマにした6曲入りep。
ノリノリにビートが効いてるUNDERWORLDって久しぶりだから最高っす。
ダークにグイグイのせていく感覚がたまりません。


テクノ四天王(死語?)のなかではキレイな面が前面に出てるユニットだけど、ビートのクオリティもすんげーのです。
ここらへんの曲もライブに入れてくるのかな?だとするととんでもないことになりそうな……。

12 AINOU / 中村佳穂

天才が満を持して出した天才的なアルバム。
グルーヴは完全にブラックミュージックなんだけど重さを全く感じない。オーガニックな響き。この心地よさ。
メロディセンスの半端なさが目立つと同時に、ライブでの自由な音遊びの感覚をうまく音源に落とし込んでる。
あー、中村佳穂のアルバム聴いてるって気持ちになります。


「それいのち」の”いけいけ生きとしGOGO!”のフレーズが大好きです。リズム、音程、歌詞のすべてに勇気もらえる。

11 Made an America / The fever 333

衝撃の登場、そして衝撃のフジロックでのライブ。
ラップ+ラウドでここまで強烈なのはホント久しぶりでした。
しかもトラップやら最新のサウンドも組み入れている。


やっぱ自分はヒップホップビートなんだなぁ、と。とにかく興奮興奮興奮!!
この音が好きなんや!そうです、リンプ世代です。

10 BI / FINLANDS

喉を絞り切る独特の歌唱方法。そしてエモみのある楽曲。
2018年で一番”エモ”ってな部分を刺激してきたのはこの一枚。


なにげにギターも良いんですよね。カッティングしてるでーってなギター。リードしてまっせーてなギター。
気持ちいいっす。


9 Bad Witch / Nine Inch Nails

がっつりドラムンベースを突っ込んできたのには驚いた!
まだまだ出てくる新基軸。


何よりウネウネと不穏な雰囲気が昔のNINを思い出して興奮しました。
まだまだカッコええぞ~。

8 CIRCUS LOVE / Nick Moon

Kyteのボーカルのソロ。
やっぱこの人のセンスはめちゃくちゃいいな!


温かいエレクトロニカ × 胸が締め付けられるエモの化学反応が出てます。
演奏力が(主にライブで)微妙と言われていたバンドだったのでソロで打ち込みになることでそこはクリアしてる;

7 Singularity / Jon Hopkins

知的な空気のテクノ/IDM
かつセカイにピキピキとヒビ割れが発生する音が聴こえる爆発力も持っている。
ここまでクールにアッパーなサウンドが存在できるんだなぁ。


テクノでありながらポストロック的なパワーも感じることのできる快作です。

6 FOLK2 / ハンバートハンバート

カバー+セルフカバー+新曲1つ。
「小さな恋のうた」「ひこうき雲」「教訓1」といったメジャーどころも揃えたカバーの選曲が秀逸。
シンプルなフォークカバーながら、ハンバートハンバートの温かみと隠れた厳しさ/孤独感が感じられるのが素晴らしい。とにかく良い歌/音のお二人です。


「ホンマツテントウ虫」「おいらの船」のセルフカバーはほっこり。
ピアノ伴奏になって少し雰囲気が変わった「虎」も素晴らしい。
「おなじ話」は今回ばかりはイマイチだったかな?
そして唯一の新曲「永遠の日」の名曲っぷりが号泣レベルです。


楽しいときも、寂しいときも、慰めてほしいときも、落ちこみたいときも……どんなときに聴いてもしっくりくる素晴らしい一枚。


5 Music For Robots / MF Robots

The Brand New Heaviesの元リーダー、ヤン・キンケイドの新ユニット。
ファンク/ディスコ/ソウルサウンドに絶妙なアシッド/デジタル・エッセンスを足して最高にノリノリなサウンドに!

とにかくポジティブにハッピーです。
”あー、音楽は楽しいな”ってのを深みも持った音で届けてくれる。
それがスローテンポの曲でも起こってるのが素晴らしい。


気持ちをウキウキさせたいときに高確率で聴いてました。
2018・ベスト・ハッピーアルバム!


4 祝日 / カネコアヤノ

2018年最大の出会いはカネコアヤノさんでした。
弾き語りでもバンドでも素晴らしい。メロディも演奏も歌詞も素晴らしい。
はっぴぃえんどあたりが好きそうなオーガニックな趣も、めっちゃロックな感覚も、優しいフォークな感覚もすべて飲みこんでる。居そうで居なかったタイプのSSWだと思います。


「ジェットコースター」の”ジェットコースター 逆さまになって怖かった~♪”のフレーズで完全にノックアウトされました。
ロックにトゲトゲしい感触があるのにめっちゃ女の子やん!


曲全体の歌詞の物語性よりワンフレーズの破壊力が半端ないです。歌詞は2018年で一番良かったなぁ。

3 Sleep Better / Tom Middleton

睡眠のための音楽を目的として作られたアンビエント・アルバム。
Sleep、Relax、Rechargeとタイトルがついた9:59のトラックがそれぞれ8、6、3曲づつ収められています。


これがホントに眠れるのです!
基本はずっとアンビエント・ドローン。水族館のクラゲゾーンで流れてそうな音楽。
まったく意識を乱さない音楽でありながら、絶妙に音に重みがあって包まれていつような感覚になります。


去年の寝る時の音楽は70%ぐらい今作だったと思います。
どんな気持ちのときもこのアルバムを流すとスッと寝れた。
他のアンビエント、ポスト・クラシカル、ノイズのどれよりも睡眠(導入)を邪魔しない。今作はもはや発明です。


1位にしたいぐらいだったけど、CDのコンセプト的にさすがに……;
超超超オススメです。



2 ソングライン / くるり

ついにこのレベルに達したか……というのが第一の印象。
確かに存在するマニアック要素を、肩の力を抜いて奏でてる。そして抜群の遊び心。
細野さんやビーチボーイズの域に達している、一種の悟りを開いているかのような大人のロック。


”あ、良い音楽ってっこういう事なんだな”ってじみじみ想う。
聴けば聴くほど発見のある緻密さ。それを感じさせない耳当たりの良さ。とにかく音が上質。
日本のロック史に残る一枚でしょう。

1 Start Over / GOMA & The Jungle Rhythm Section

記憶が無くなる大復活から奇跡の復活を経てついに出たアルバム。
GOMA&JRSは新作が出るたびにその年のNo.1にしてる気もしますが……やっぱ大好きなのです!


今までは4人全員でひとつのグルーヴを一気に放出する感覚でしたが、今回は各パートがじわじわと絡まっていく。それはGOMAさんの絵が点と点の集合体でひとつの絵を形作っていくかのよう。
BPMを抑えてもトランス感はそのままに、いや深くまで潜れるという意味ではさらにトランシーになっている。


「Awamori」や「Cosmic Party」の終盤にある”引き”の部分が大好きです。GOMAさん映画の事故直後に光へと向かっていく場面のトランス感を思い出す。
とんでもない高揚感と、どこまでも深くいけるトランス感と、そして確かな希望を与えてくれる傑作です!



次点で「ヘブン / 曽我部恵一」「YOAKE / KYONO」「ar / 吉田ヨウヘイgroup」「SHISHAMO5 / SHIHAMO」「Substance in Retrograde / Ssuba」「Monsters Exist / Orbital」「Blood / RHYE」「Occasus / Goldmund」もよかったです。


新人がポンっ!と出てきたというよりベテランで良作が多かった。
天才の満を持しての一枚だったり、成熟してきての一枚だったり、復活の一枚だったり……。
難しいこと考えずに素直に良い/身体が反応するってアルバムにあふれてました。