soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2018/05/22 Nils Frahm @ 梅田クアトロ

f:id:soundwing:20190403223336j:plain


ニルス・フラーム〜。初見。
ポストクラシカル系でもこの人はテクノ寄りなイメージあるけど……どんなライブになるんだろう?と楽しみにしてました。


いや、めっっっっっっっっっちゃ良かった!
テクノ的はループとクレッシェンド。
ピアノの美しい旋律&超技巧。
面白い曲構成のオンパレード。
素晴らしい!!!




キーボード/ピアノ8台ほど+エレクトロニクス数台の大量機材に囲まれてのライブ。
ステージに設置されている機材を見るだけで大興奮しました。


リズムトラックを流したりはするけど、フレーズは基本的にその場で演奏。ルーパーも使ってなかったかな?
エフェクト/ツマミ弄りもリアルタイム。




曲は新譜+代表曲(=『Spaces』の収録曲)。
ポスト・クラシカルってジャンルは曲が覚えにくいので、音に浸る感じのライブになるかな?と思いきや、”あ!あのフレーズだ!”って場面が幾度も。
”ライブ”でした。




ピアノ/キーボードはとても繊細に弾く。
しかしシンセ/エレクトロニクスを弄ってるときはgroup_inouのimaiさんかってレベルでアクションが激しい;これは意外でした。
たまに笑顔を見せながら、機材の山を移動しながら演奏してるのは非常に楽しそうでした。静のライブでなく動きがある。


ニルスの動きはアグレッシブだけど、ダンスビートがガンガンに!って音はない。特にスネアにあたる音はまず鳴らない。
でも結構ビートが効いてる。新譜曲のシンセベースはディープハウスみたいだし、ドラムンベースみたいなリズムも鳴ってて驚いた。でもガチリズムじゃない。踊らせるのが第一の目的ではないリズム。新鮮。


リズムが~、メロディが~、空気が~、じゃなくてサウンドがトータルで魅力ある。
絶妙なバランスで展開されるサウンドは素晴らしいとしか言いようがありませんでした。




照明は独自のを持ち込んでたようで24個ぐらいのライトが天井から吊るされてアクティブに点灯していました。
フラッシュも多用。クレッシェンドパートでは視覚情報も込みで盛り上げていく。



基本は静かに聴いていたけど、終盤はけっこうキックが効いてて踊りはじめる人も何人か。ニルスも煽ったりしてました。どちらかというと踊ってほしいのかな?
TaicoClubあたりでライブをしても違和感なく入っていけそうな音。
テクノ色の強いポスト・クラシカルのイメージはライブでもそのまま。




「Hammers」などで披露するミニマルなピアノがスゴかった。めっちゃ上手い!
高速で階段フレーズを弾きまくる。そこに絶妙な人間的なアレンジを加えていく。鳥肌モンでした。
技巧的な盛り上げもできる。天才か!


「says」をやってくれたのは嬉しかったなぁ。天井知らずに盛り上がっていくシンセは一般的なポスト・クラシカルの域を越えている。Clarkもびっくりな昇天っぷり。
披露する前のMCで、曲展開を全部言っちゃうのは笑いました;
シリアスな音楽なのに人柄はめっちゃお茶目でした。


「For- Peter - Toilet Brushes - More」をフルで演奏したのが一番震えた!
トイレブラシでピアノの中を叩く驚きの奏法もしっかりとやってくれた。パーカッシブな音にアガる!さらにミニマルピアノの絶技へと続いて……完全に持ってかれました。意識ブッ飛ぶかと思った。




ポスト・クラシカルのライブ=心地よい音で(良い意味での)眠気を誘うライブ空間、ってイメージを完全に覆すライブでした。
めっちゃ面白かった!
上半期最高レベルかと思ってたRHYEに並ぶ素晴らしさ。いやー、見れてよかった~