soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2018/06/02 TaicoClub 2018(MOODMAN、クボタタケシ、never young beach、PUNPEE、サカナクション、スチャダラパー、LONE、FKJ、Mouse on Mars、EGO-WRAPPIN、Marcel Dettmann、Kiasmos DJ、Powder、Nick the Record) @ こだまの森

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この年が最後の開催になるTaico Club
はじめてキャンプしたフェスなので思い入れがあります。
最後も思いっきり楽しむぞ〜!


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藪原駅〜。
バスいっぱい来るからすぐ乗れました!


taicoclub到着!そしてテント設営完了!
良い場所取れた〜。めっちゃスムーズにコトが進んでて逆に怖くなってくる;

MOODMAN

恒例のオープニングDJ・MOODMAN


まだ人が少ない時間帯にしっかり踊らせるハウス/テクノなDJセットでよかった!


毎年この光景を見るとTaicoに来たなぁ、って気持ちになります。
MOODMANが優しい笑顔をフロアに向けてて泣きそうになりました;
MOODMANもこの時間帯好きなんじゃないでしょうか?



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クボタタケシ

ハウス、ファンク、サンバ、歌謡曲……フリージャンルに盛り上げる毎年恒例のオープニングDJ。今年もニクい選曲でした。


眉唾はレディへの「Creep」!野外で大音量で聴く「Creep」は最高でした。客の反応も素晴らしい。みんなで大合唱でありました。
次のネバヤンにつながる選曲でもある。うーん、さすが!。


never young beach

ネバヤン良すぎた!
フジロック/MDTでのオウガばりのケミストリーが起こってた!元気に楽しみまくりで最高やったわー。
はやくもコレを超えるアクトが出てくる気がしない;


クボタタケシの作ったフリーダムに盛り上がる最高の空間をそのままブーストアップさせた素晴らしいライブ。
ギターが頸肩腕症候群で休養中なので4人だけど、taicoのフリーダムな空気を味方につけて爽快にぶっぱなしてくれました。




「あまり行かない喫茶店で」「明るい未来」「SURELY」「なんかさ」
テンポ良い曲でほぼ固めてたのがtaicoの空気にあってた。初出演だけど常連のようにマッチ。
「お別れの歌」で感極まって泣きそうになりました。良い歌だ。
新曲だけ落ち着いた曲調だったかな。
「どうでもいいけど」 のラストはギターがひとり不在でもしっかり形にしてた。


いやー、ホント良かった。
ネバヤンのワンマン以上に盛り上がってたんじゃなかろうか?
あんぐらいフリーダムに楽しむのが合ってるサウンドなんだよなぁ。



PUNPEE

ライブ見るのは初。


なーんとなく出てきてフリースタイルをかましながら自由な姿勢でライブが進んでいくのは七尾旅人さんみたい。ソレにしっかり合わせてくるDJも素晴らしい。


SEIHOさんの「I FEEL RAVE」をトラックにラップしたり(共作で色々動いてるのだとか)、「お嫁においでよ」をやったり。クボタタケシが流してた「Creep」をカバーしたり(歌った!)……自由で面白いー。
正直アルバムは微妙だったんだけどライブはめっちゃ楽しい!
Mary J bligeの「Real Love」をビートジャックしてラップする場面も。J-HIPHOP的には「Garden」ですな。


終盤にSTUTSがゲスト参加。
曲の途中でさりげなく「Real Love」のビート叩くのは”上手いな!”と笑顔になっちゃいました~。
MCは相変わらずキョドってた(笑)


サカナクション

かなり気合の入ったライブ。
クラブ向けのフェスであるtaicoが、サカナクションのテクノな部分に目をつけて初期から呼んでくれてたのには思い入れあるだろうな。



「SAKANATRIBE」やクラブアレンジなどは無し。TAICOCLUBの表記演出も無し。あえてテクノな方面に寄らずに素のサカナクションでした。
素の状態でもテクノを血肉として取り込んでるのがサカナクションだもんな。それをぶつけてきた気がします。


「ミュージック」「アイデンティティ」「夜の踊り子」 「サンプル」「ルーキー」「新宝島」「多分、風」「ネイティブダンサー」「ホーリーダンス」……など。ホントいい曲だらけ。
ホーリーダンス」が異常なほどエモかったなぁ。


TAICOで炸裂した「ネイティブダンサー」も感極まるモノあった。イントロで一番歓声があった気がする。


バンドがテクノに寄りにいかなくても、客がテクノを感じ取りにいけばいいんだ。それが出来る客が集まってるのがTAICOCLUBだと思います。


スチャダラパー

バンドスタイル。あまりスペシャルなことはせず。でもしっかり盛り上げる上手さ。
EGO-WRAPPINも出るし「ミクロボーイとマクロガール」 はやると思ったんだけど無しでした。
あ、6月突入ってことで「サマージャム95'」やったのはスペシャル&最高だった!


ラストに「彼方からの手紙」をやりました!はじめてライブで聞いた。フェスではレア?
また少し経ったら遊ぼう(開催しよう)ってことかな?


Lone

IDMのインテリジェンスとレイヴの野蛮さが融合したDJセット。


大好きな「Pineapple Crush」もかけてくれたー。印象的なシンセの音が小さかった気もするけど;


がっつり踊らせてくれました!周りも踊ってた。
今年は客がいい感じ。みんな全力で楽しみにいってる



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キャンプファイヤーも始まって本格的に夜モードに入りはじめたtaico。これぞこのフェスの醍醐味です。


FKJ

素晴らしかった~。
ギター、ベース、キーボード、サックスをリアルタイムでサンプリングループしていくスタイル。その完成度たるや!


歌もセクシー。VJ超綺麗。さらに顔もイケメン。弱点は髪型がちょっと変ぐらいしかない。反則ですわー。


どの楽器も良いフレーズの連発なんだけど、とくにサックスの音色はセクシーすぎて男の僕でも惚れました。あんなもん反則です。


アルバムの曲はあらかたやってくれたかな?
大好きな「Lying Together」はイントロのピアノからがっつりと。セクシー!


客の声をサンプリングして即興で曲を作っていく場面もありました。これまた良い曲が出来上がるんだ。
ぜひともまた見たいアクト。いやー、良かった!


mouse on mars

正気の沙汰じゃない低音の音量でありました。皮膚が震えるレベル。野外であの音量はZETTAI-MUでのO.N.Oさん以来かも。
低音がヤバすぎてステージ近くに人が近づかない案件が発生してました(笑)




新譜はジュークの影響があると言ってたけど、ライブはストイックに爆音&ちょい変なリズムの連打連打連打。むしろインダストリアル?



MCもけっこう喋っててご機嫌だった?
爆音で反復するフレーズに次第に精神が発狂しはじめてアホみたいに踊りました。
ライブの後半になるほどバイオレンスさが増してモッシュが起こってもおかしくないぐらいのアグレッシブさだった!


ブースにスネア、タム、シンバル、カウベルが飾ってある。
ビートでスネアが鳴ってる時はスネアが光る演出。楽器としてもちゃんと音が鳴っていたみたいですね。ギミックのわりに見た目は地味だっただけどAphex TwinのMonkey Drummerを思わせるキテレツ感があって面白かったです。



気が狂ってる低音とストイックさ。
低音で殴り続けるようなライブ。
8割の客は置いてけぼり。2割の客が頭おかしくなって踊り狂ってました。


EGO-WRAPPIN

2:00amで眠そうな客が増えてきたのを叩き起こすようにポストロック系統の曲が多かった印象です。
自分が到着したときには「sundance」をやってた。「5月のクローバー」も披露。このモードのEGO-WRAPPIN'はフェスじゃあまり見ないので新鮮でした。


自分は『merry merry』からエゴ・ラッピンに入ったのでポストロック系の曲が聴けたのは嬉しかった。
よっちゃんは眠そうな客にちょい苦戦してたかな?
……なのでTOSHI-LOWよろしく客の上を歩いて自分から積極的に盛り上げてく!その根性に惚れた~ 。


ラストは「くちばしにチェリー」→「Go Action」で爆アゲモード。
「Go Action」は会場が揺れてた。3年越しでこの光景がもう一度!


Marcel Dettmann

深夜のMarcel Dettman。
ウネウネして4つ打ち
過度に盛り上げるでなくズブズブとテクノ地獄へ。
みんなが無心で踊ってた。職人ですな。


自分ももう体力切れたかと思ったけど、Marcel Dettmannにまんまとノせられました。わては踊る機械や。
踊り明かしたーって気持ち。テクノ系フェスの真髄ここにあり!


Nathan Fake

で、Dettmanに体力を持ってかれたのでテントで寝転びながら聴いてました。
ちょい神聖な音+テクノって感じでDettmann続きで踊り倒した人もいるのかな? 


Kiasmos DJ

早朝のKiasmos DJ、めっちゃよかった〜。


KiasmosのJanus RasmussenによるDJ。
自分たちの曲は全体の1/5もかけてないと思うけど完全にKiasmosの空気でした。澄んでて、少し悲しくて、そしてしっかりと踊れる。素晴らしかった!
TAICO13年間の早朝DJアクトでもベスト級じゃなかろうか?


今年のタイムテーブルが公開されてKiasmos DJが早朝だったとき”いやいや、絶対に星空の下のほうが似合うでしょう。なんでこんな時間に~”と心底残念に思ってたのですが……ごめんなさい。早朝のKiasmos DJは最高でした。
日の出の”優しい光”とKIASMOSの”優しい音”が300%融合してた。




曲はJosinやSashaのKiasmosリミックス、Ryan DavisのOlaf Stuutリミックスなど。どの曲も完全にKiasmosの空気でした。DJスタイルだけど完全にKiasmos!それに感動した!


たまんなかったのはインターステラーのテーマをサンプルした曲「Bliss / Butch & C. Vogt」!
下の動画の20:00からもかけてる曲。絶対に野外で聴きたいと思ってたのでフレーズが聴こえてきたときは震えました。日の出とこのフレーズの組み合わせは反則。


自分たちの曲は、「Looped」を中盤にかけたのは覚えてる。
それとラストに「Blurred (Bonobo Remix)」で幸福感が爆発→「Bent」でKiasmos流にグイグイ盛り上げて最高の締めでした。
いやほんと「Blurred(Bonobo Remix)」が始まった時は泣きそうだった。この曲大好き。
「Bent」はかなり音量を上げてぶっ放して去っていきました。




Janusは”ジム・オルークが若い時から髭生えてたらこんなんかな”ってな見た目でふにゃふにゃした動きをしてるのが可愛らしかった。笑顔もかわいい。
でも何度かブース前にきて煽ったりしてました。意外!
どこか夢の中にいるような雰囲気が、早朝のまだ鮮明になりきってない意識とマッチして素敵な空気作ってた。ベストアクトのひとつ!


Powder

下のステージのラストは日本の女性DJ。


ハウスを中心にかけて最後まで踊らせてました。ただガツンとくるものはなかったかな?

Nick the record

Taico名物、Nick the recordの6時間ロングセット。


音楽と共にフリーダムな空気にあふれるTaicoclubの大好きな時間です。今年も素敵だった。


同じダンスでシンクロするグループ、踊り狂うカップル、フラフープ、走り回る、寝転ぶ。スタッフもセキュリティも踊ってる。
日本人ってこんなピースフルに開放的になれるんだと。日本で一番自由に楽しんでる場所/時間!


途中、恐竜の被り物をした人が突入してきて踊ってました。それをみんなでワイワイ言いながら楽しんで囲む。本当にフリーダムなタイム。
大モノアーティストももちろん楽しいけど、これこそTaicoclubなのです。最高な瞬間だった。みんな笑顔!


音楽無視の自由でなく、”音楽と一緒にあるフリーダム”って空気が最高なのです。みんな好きに楽しんでるけどしっかりと”音と一緒に楽しんでる”!
ほんとあの光景は一度見たら感動しますよ。素晴らしい音楽フェス/レイヴの景色。自分もバス時間ぎりぎりまで踊った! 



今年のベストアクトを決めるのは難しいな。
Taicoclub×バンドのケミストリーが起きたネバヤン、サカナクション
純粋にアクトがよかったMOM、FKJ、Kiasmos DJ。
そしてTaicoの恒例=最高のMOODMANクボタタケシ、Nick the Record。
ほんと素敵な瞬間ばかりでした!


Taicoは今後どうなるかは色々なウワサがとびかっててまだわからない。
完全に跡形もなくなることは無さそうです。


海外勢を含むテクノな野外イベントは無くならないでほしいな。メタモも渚音楽祭ももう無いのです。
贅沢をいえばMOODMANクボタタケシ、Nick the Recordのあの時間をまた……!
(追記:後継フェス・FFKTで3名の出演が決定!やった~)