soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2018/07/12 Three Mantras、Victoria shen、Kevin、金属太古+sandersonia @ 難波ベアーズ

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ベアーズでノイズ系寄りのイベント〜。面白い出演者いっぱいで楽しかった!
Three Mantrasは2年前に見たときよりめっちゃ良くなってたぞ〜!


kevin

初見の3ピースバンド。
ドラム、ギター、ボーカルのベースレス編成。
ミッシェルガンエレファントとホストの間のような風貌が独特でした。


音も独特。トリップホップとサイケ・ハードコアを合わせたよう。ANYO meets Vivakappa的な。けっこう好きでした〜。


基本は反復とノイズギターの組み合わせ。
常に全力で叩きまくるドラム。休符ゼロで音が詰まりまくってる叩きっぷりでした。ありゃスゴい!


ギターはズギューンってなノイズギターをかましたり、ベースの代わりに低音でトリップホップ/インダストリアルなベースラインを弾くこともあって、これがかなりカッコよかった!


ボーカルは高音スクリームから早口アジテーション、そして凶悪スクリームと器用。見た目がホストっぽいのでその多才さに違和感が;


基本は勢いのあるサイケ/ノイズ・ロックでちょこちょこ見かけるパターン……なんだけど、突然コクトーツインみたいな歌が始まったり、独特な見た目だったり……カオスを感じました。
ギターの音とかちょいワンパターンだけど、この迫力とごちゃまぜ感。かなり好きです!


金属太古+sandersonia。

メタルパーカッションとバイオリン(&たまにスネア)のデュオセッション。


インダストリアル・ドローンでありました。
不穏な空気と工場環境音のような音。つい最近にプレイしたLIMBOとINSIDEを連想しました。アレってすごくいいインダストリアルサウンドだったんだなあ。


メタルパーカッションはカン!カン!と叩くのではなくマレットでサスペンデッド・シンバルのように叩いてることが多かったです。
バイオリンはメロディでなくドローンサウンド


良い音だったけど、展開の割に演奏時間が長かったかなぁって印象も。


Victoria shen

アメリカから来日したノイズ/電子音楽のアジア女性。強烈なライブでした!


動作/ポーズのひとつひとつがエロティック。
露骨でないのにエロスを感じる。こうなると幾本も伸びるシールドまでがエロいものに見えてきます;
身体で魅せるライブ。エロティックとノイズの融合でありました。


モジュラーシンセのギュギュギュ!って音がメイン。
シールドがスネア、フロアタム、バスドラにも繋がってたので音にも作用したはず。叩くのではなく、傾けたり移動させたりしてました。


音は超個性的でもない。でも良い音であることは間違いない。
音単体より身体性との融合こそキモ!


最初はステージで普通にライブをしてたけど、しだいにスネアをフロアに担ぎ込んだり、バスドラをスピーカーに押し付けたりとちょっとずつ無茶苦茶になってく。
でもコレもまだ序章にすぎなかったのです……。




突如”脱いでー!”って声がフロアから聞こえる。”面倒な客がでてきたか?”と思ったらPIKAさんでした。
ってことでスペシャルゲストにPIKAさんが参加。
ここからが大変!


ターゲットになった男性客がPIKAさんに上半身脱がされて、Victoria Shenにシールドをボトムスにつっこまれて;
PIKAさんとVictoria Chenにバックブリーカーされたりスピーカーに押し付けられたりとわけわからんことに。
最終的にはVictoria Shenとくんずほぐれつ……ってかローリングバックドロップ状態でフロアを転がりまわるカオス。タイツも破れて破天荒エロス。


男性客を弄り倒したあとも暴走は止まらず。
スネアのスナッピーを咥え、スピーカーによじ登って頭を振り回す(妖怪みたい;
PIKAさんと向かい合ってスナッピーを咥えあってドラムを叩く
とメチャクチャな行動の連発。思考が追いつかない;


前半はエロティックとノイズの融合を。
後半はPIKAさんとの大暴走を。
パフォーマンスが衝撃的すぎて正直なとこ音はほとんど覚えてないです;
PIKAさんとShenの出会いは河端さんのブログに詳細が。これはとんでもない二人を巡り合わせてしまったのでは……;



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Three Mantras

Three Mantras = 河端一 + 山崎マゾ + 吉田ヤスシ。
冷徹なビートにノイズな音がリズミカル&ドゥーミーに乗る。
ジワジワと気持ちよくなって最終的に黒い音の快楽に溺れ死にそうなる最高のインダストリアルでありました!


吉田ヤスシさんはヴォイスとメタルパーカッション(ビールタンク)、そしてシンバル。シンバルは前回(2016年)に見たときはなかったような?
ビールタンクはドラムスティック以外にトンカチで叩いておりました。少しづつ変形していくのが怖い&ゾクゾクする!


マゾさんはシンセ。そしてヴォイス。たしか前回はシンセオンリーだったはず。
ヤスシさんとマゾさんのヴォイスの絡み合いは最高でした!この追加要素でこのユニットの面白みが爆発的に上がったと思います。
シンセもエグい音出してた。たまにControlled Deathを思わせる神聖な音も。


河端さんはギター。(シンセもちょこっと?)
一般的なギターの音は鳴っておらず、シャー!とシンセのような音で味付けしていました。
また一定の感覚でシャン!と音を出してリズムに溶け込むことも。


最初はリズムレス・ドローン。
そこにベースのビートが追加され、各者の音/声がビートに絡みついて中毒性抜群のリズムを生み出す。
1mmレベルの微調整により熟成された工芸品的なビートでありました。これが気持ちいいのなんの!


ビートが、ノイジーな音が、暴れ回る声が……どんどん暗黒的に気持ちよくなっていきました。
一回リズムが無くなって終わる……かと思いきやマゾさんが極悪かつちょいファンキーなループをシンセベースで奏でる。再度盛り上がっていきました。


2つめのビートも消えて……最後にズギャー!っと音を出してマゾさんが去っていく。
河端さんもラストにドギャー!と音を出して退出。
ひとり残る吉田ヤスシさん。
どう終わらせるか?と見守ってると……タバコに火をつけて一度だけ吸って去っていく……カッケーーーーーーーー!!!!


最後のヤスシさんカッコ良すぎやん!
恐ろしい爆音のなかで余裕の表情で一服とかあんなもんヤバいやん!!
惚れるやん!!


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この日のベアーズは照明がよかったなぁ。
特にThree Mantrasのときの照明は神がかってました。
ベアーズの照明は人力感があって好き。