soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

湘南未来絵図 / 山嵐

日本にミクスチャーバンドが出てきた初期の時代から第一線で活躍してきた山嵐の6thアルバム。一番好きな邦バンドの一つです。
1stの彼らはラップと攻撃的なギターリフで押しまくるゴリゴリのハードコアサウンドだったんですが次第に和やジャズの要素を加えてグルーブ感を大事にしたサウンドへと変化してきました。


今作では一部の曲にあの亀田誠治をプロデュースに招いてメロディを大胆に導入してます。初期の山嵐を知っている人はとても同じバンドとは思えないほど変化してる。こんな泣けるグッドメロディが書けるバンドだったのかと驚く事間違いなし。
バンドの売りである、掛け合いの多い2MCや好き放題やっているようで協調性抜群の楽器体は健在。今までの活動で得たノウハウをうまく消化してます。メロが加わっただけでなくベースがラップする(普通に上手い)など色々とチャレンジしてます。
傑作です。


①は今作で唯一の直球ヘヴィトラック。といっても初期の荒々しい激しさではなく、311のような陽気さを感じる激しさ。サビのリフに思わず体が動いてしまいます。
②は5thのような疾走感とグルーブのある和サウンドで始まり、後半でミクスチャーらしくなる。後半がノれる。
③から新生山嵐の本領発揮。暗いラップパートの後のサビで泣ける。歌がかなり上手くなってます。1st、2ndあたりと比べるとすごい成長。
④は亀田さん参加のメロディ中心の曲。ドラゴンアッシュHYのような聴いたら直ぐにハマれるキャッチーなメロディが良い。これは泣けます。サビがたまらん。
⑤は春を感じさせる明るい曲。これもサビが良い。
⑥と⑦はグルーブ感を前に出した曲。⑥はジャムってるような感じの演奏に2MCが駆け巡る。ライド多用のドラムがカッコイイです。⑦はジャズっぽい踊りたくなるお洒落な曲です。グルーブ感が半端無く、このアルバムで一番好きな曲。2つのギターが良いフレーズを弾いてます。ベースソロは直前のラップで自ら宣言してから入る。なんて目立ちたがりなんだ。まぁ、山嵐のベースは日本でトップレベルの良いフレーズを弾くと思う。
⑧は妄走族フューチャリングしたメロウな曲。悪くは無いけどアルバムの中ではイマイチ印象に残らない。
⑨は先行シングルになった亀田さんがプロデュースに参加した名曲。とにかくサビが良いです。泣ける。楽器体も涙腺を刺激してきます。Jpopしか聴かないって人でも気に入るであろうキャッチーな曲です。
⑩もポップな曲。例に漏れずサビが良い。仲間について歌った歌詞も良いです。
⑪はアコースティックギターメインの半歌モノラップ。メロディが良いのはもちろん、昔からは考えられない優しい声が印象的。さりげなくベースも歌ってる。しかも上手い。この人はなにやらても難なくこなせるな。ラストのラップの歌詞が心に響きます。


ゴリゴリサウンドを期待すると肩透かしを食らうかもしれませんが、山嵐の変化についてきた人なら絶対気に入ります。泣き、グルーブ、激しさが良い感じ混ざり合ってる。
個々のセンスが良いので、聴くたびに色んなパートに耳を傾けられるのも良い。超オススメ。
山嵐は一般にウケは悪く、音楽好きにはあまり評価されない存在ですが良いバンドですよ。日本人にしか出せない音を出してます。もっと評価されてもいいと思うんだけどなぁ。

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