soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

bp-undercurrent / TO-MAX

テクノ系のオリジナル・アルバム。サイトにてライナーノーツあり。POMさん、Xinonさん、Nitrixさん、LUさん、ELE-GさんとBMS関係者も複数人参加。


「90年代テクノと2009年現在の音楽技術の融合」がテーマとのこと。
ハウス、テクノ、トランスあたりのサウンドが主で、ダンスサウンドの要素をしっかり入れながらもゲームBGM的なメロディアスさがあって聴きやすいです。


全体的にアグレッシブな勢いと哀愁のあるメロディを兼ね備えた曲が多い気がします。ちょっと悲哀な空気が漂っておりシリアスなテンション。メロディは良い旋律が多い。


曲から今作のテーマはあまり感じられなかったかなぁというのが正直なところ。
ただ要素を見れば確かに90年代、でもそれを感じさせない(=現在)ということはある意味テーマ通りなのかも。


強烈なインパクトのある楽曲は無いので、ある種地味な印象はありますが、各曲はしっかりと個性を持っており、聴きごたえはあります。


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①POMさんによるハウス。渋いベースとラテンなリズム、その上を彩るウワモノの数々と聴きごたえのある一曲。ハウスのわりには疾走感があって真夜中の高速のようなクールさがあります。天性の才能によるメロディはもちろん、パーカスが良い感じ。


②デジタルなサウンドでありながらトライバルなグルーヴを感じるチューン。真ん中のミニマルな展開に萌えます。


⑤ピコピコチップチューン。キャッチーな哀愁メロディがすごく良い!今作で一番耳に残る曲。


⑥レイヴィーなアゲアゲチューン。次々と展開しながらも飛び出すのは王道なジュリアナフレーズ。いわゆるハイパーテクノ的な音が満載でノれます。


⑦LUさんによるドラムンブレイクビーツのカッコよさはさすがだけど、氏にしてはメロディアスなピアノがちょっと浮いてるかなぁとも思う。


⑨一曲目をレトロさを感じさせるシンセで本人がビルドアップ。執拗に繰り返されるスネアロールやギュイギュイしたシンセなど攻撃性アップ。その分哀愁メロディがより際立つ形になっており、元バージョンにおとらず良い曲に出来上がってます。


⑩おバカで下品なロッテルダム・テクノ(褒め言葉)。過激に装飾することはなく『Rotterdam is hard hard hard』あたりのスカスカな攻撃性が上手く出てる。声ネタの使い方とかツボを押さえててたまらんなぁ。


⑬POMさんの名曲「ANGEL」を主催DANさんがリメイク。原曲の美しいメロをそのままに現在の音源で復活させたライトアレンジです。ブレイクビーツで終わるのがカッコイイ。しかし、この曲が世に出てからもう10年も経つのか……。


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ごった煮なテクノ系オリジナルアルバム。
本格志向ではなく、良くも悪くも一昔前の同人CDのような感触があります。


頭に入りやすいフレーズ/メロディと確かな楽曲へのキャラクター付けが強み。
全体では地味な印象であともう一声と思うところもあるけど、各曲の質はかなり高いです。