soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

挽歌の候、如何お過ごしでしょうか / 花を吐く抄女

一本道ノベルゲーム。プレイ時間は1時間半ほど。
文字&背景オンリー、ボイスあり。
音質が好きでないことから、申し訳ないのですが今回もボイスオフでプレイしました。個人的に、このサークルさんの作品はボイスオフの方がしっくりくる。


常連のご老体が居座るだけの喫茶店「挽歌」。
数少ない若人の常連であるマスターの娘の従妹・樹姫は経営不振を打開せねばとメイド喫茶に変えるよう提案する。


あらすじだけ読むと、脱・経営不振に四苦八苦する物語かと思われるかもしれませんが、メインは喫茶店でダラダラと話すだけのなんてことない日常。
メイド喫茶云々は飾りみたいなもんです。メイド萌え要素もほぼ無し。
主人公・樹姫の古風だが抜けてる語り口調が面白い。
この口調と、お洒落なBGM、必要最低限のレイアウトが加わって、なんともアンニュイ読み心地。
適度にぶっ飛びながらも、ぼけぼけ〜とした空気が漂う。お洒落のようでそうでもない。
ここらへんの個性の出し方はホント上手いです。
キャラがしっかり立ってるし、洒落の効いた言い回しもツボにハマルとたまらない。動きが少ないながらも飽きることなく読ませてくれます。


一番気に入ったのは4章。これを気に入るのはおっさん化が始まってるのだろうか。
逆に、3章はまひるが急に良い子になりすぎて、全体から浮いてた気がします。
締めはある意味グダグダだけど、この作品はそれでいいのかも。


ほどよいまったり感。
新聞に載ってる読者投稿の日常話を読んでいるよう感覚でした。
こういう気の抜けたのも良いなぁ。


初めて「死狐様」をプレイした時は読みにくくて「このサークルは合わないだろうなぁ」と思っていましたが、ここまでお気に入りのサークルさんになるとは思いませんでした。