soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2011/03/20 ねごと @ 梅田Shangri-La

JAPAN COUNTDOWNのEDで『ループ』を聴いて以来ゾッコンのガールズバンド・ねごと。ついに念願のライブに行ってきましたー。
チケはLISMO CM効果かSOLD OUT。人いっぱいのShangri-La


どんな層が来るのかなぁと不安だった客層は、男女比7:3ぐらい、若い人が多くて高校生〜大学あたりが中心の模様。ちょこちょこCOUNTDOWN JAPANのTシャツを来てるロック層の人もいたけど、大方はカジュアルでライブ慣れしてなさそうなファッション。

Qomolangma Tomato

対バンのチョモランマ・トマト。


表現するなら青い音の塊。FUGAZIのサウンドを日本人特有の青さで塗りつぶしたかのような激情は聴いててすこぶる気持ちいい。音にまったく迷いが無く、轟音がストレートに届いてきました。
癖のあるボーカルは生で聴くとと思ったより気にならず、むしろバンドに合ってる。ボーカルというよりエモにありがちな不協和音ギターのような働き方でサウンドに潜り込んでいた。アクションも派手でかっこいい!
キラーチューンだと思ってた『Through Your Reality』はプレイせず。ファンの友達曰くメンバーチェンジしてセトリが変わったそうな。


ねごと

フランク・ザッパをSEに登場。渋い…。
ルックスが売りのバンドでは無いと思うけど実物見るとかわいい!


お決まりっぽい入場ポーズを決めて、ゆったりとした轟音のCD未収録曲→カロンのカップリング『彗星シロップ』とスタート。


開始2曲で演奏力の高さに驚かされる。女性四人とは思えないほど音に厚みがある。チョモのあとでも見劣りしないパワー。『彗星シロップ』のギターの鋭い切り込み方とかゾクゾクする。
演奏中の佇まいで印象的だったのほとんど客を見ないこと。全パートとも基本うつ向き加減で大きく頭を振り回し、前を見るときも遠く…フロアよりもっと先を見ている印象。
MC中は和やかだけど一旦演奏に入るとシューゲイザーとか好きなんだろうなって思えるロックなアクション/表情に惚れました。


個人的に一番なベース。実物見るとマジかわいい!
一見して華があるギターとキーボがいるんで、隠れ美人とか称してたんですが失礼すぎた……笑顔でベースを弾く姿が普通にめっちゃかわいい!
そして、ベースを弾く姿がかっこいい!しかもうまい!!小さい体のピック引きから出る音とは思えないぶっとい低音にヤラれた……。
『七夕(仮)』という新曲でベースだけになるパートがあり、フレーズ自体は2回鳴らすだけなのにグッと耳を引きつけるすごい迫力。ぶっ飛ばされた〜。


長身が映える大振りなアクションのギター、サウンドチェック時点でタイトなビート叩いてた激テクいドラム、荒々しい歌声、透き通った歌声とスタイルを変えながら一貫して安定したボーカル&キーボ。全員が只者ではないバンドです。


逆にMCと曲のつなぎ方、全体の流れを意識したステージングという点ではまだまだ甘いかなぁ、とも。
一週間前に見たのがステージングの鬼であるソウルフラワーユニオン七尾旅人だったってのもあるとはいえ、ここらへんはまだぎこちなさがあって発展途上の印象でした。


セトリは序盤で新曲二曲をやって、中盤から「Hello Z」の曲を中心に。「Hello Z」は聴き込んでるし、バンド側も安定感がある。イイ曲ばかりだ〜。『NO』みたいなミドルテンポの曲をじっくり聴かせてくれるはバンドとして実力のある証拠。轟音に合わせて思いっきりヘドバンしたら気持よかった!
終盤は『ループ』『透き通る衝動』『カロン』とアップテンポのキラーチューン・ラッシュで盛り上がり、ラストは『夕日』で力強くフィニッシュ。グランジ経由のこの曲は最近聴いたパワーポップの中でもピカイチ。哀愁を浴びたメロが大好き。ライブでも情熱的だった。
ねごとの真髄はこっちの路線にあるんじゃないだろうか。そこにループやカロンのようなダンスな味付けのポップな曲が入ってくるから両方が映えてくる。


そこらへんのベテラン男性バンドよりしっかりしたライブ・アクト。ライブでも実力は本物とぶっ飛ばされた次第であります。


ただファン層がアイドルノリというかロック系のライブ慣れしてない人が多めだったのは確か。身体動かさずに腕だけ動かす、ピンと張らずに振り上げる手、MCでの妙に長ったらしい掛け声……とか自分が苦手なノリ。結果Countdown japanやらのバンド/フェスT着てるロック層の人たちが押される形になった。
MCで客の声を拾って返したりしてるんで、ねごとのメンバーがこういう方向を望んでないわけではないんだろうなぁ。うーむ。


演奏は最高だった。でも、自分が会場の雰囲気に完全に馴染めなかったか。シャングリラ・マジック*1はねごとよりチョモのほうが効いてたかも。


『ループ』とかもっと皆で身体動かしてノッたら楽しいと思うんで、そういうノリになるであろうロックフェスでとかで見てみたい!
最後が苦言ばかりになっちゃったけど、強烈な演奏力、ベースのかわいさを実感できた有意義な夜でした。今後どう活動していくか楽しみだ!



1:41の表情がツボ

*1:奇跡の空間シャングリラでのライブは期待値の150%以上を行く現象。シャングリラは音楽の魔境、最高のライブハウス!