soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2011/01/05 鴨田潤×山本精一 @ 難波ベアーズ

今年一発目のライブ。難波ベアーズで意外な組み合わせの鴨田潤(イルリメ)と山本精一。弾き語り2マン。
各人のソロとデュオというライブ構成でした。いや〜、楽しかった!


開始時刻にベアーズに入ると座席スタイル、というより客が自主的に椅子を並べたのかな?
客数は40人くらい。30分遅れでスタート。

鴨田潤

ヒップホップ畑のイルリメが弾き語りするときに使用する本名名義。
ハンチング帽を被ってイルリメの時より落ち着いた雰囲気。でも喋り出したら饒舌でやっぱりイルリメと同一人物だ。


自己紹介代わりの短い曲(アドリブ?)を披露してから、一発目にイルリメ名義の名曲『トリミング』のアコースティック版。軽快なギターに合わせて通常の1.5倍速で歌っているのにいつも以上に言葉が耳に飛び込んでくる。綺麗な歌詞だ。早くも持ってかれました。


引越しで荷物の無い部屋、君と僕が好きなバンド、いい時間になってきた。そんなどうってことない日常、いや「今日は何して遊ぶ?」「○○行こうか」ぐらいの簡単な言葉を交わし合う”日常会話”が愛おしくなるウタが歌われる。
ギターも歌も特別うまいわけじゃない。でも鴨田潤にしかない味がある。これがアーティストか、と聴き入ってました。


ラップ調も混ぜた『愛の正体 / 柳田久美子』カバーなんかも良かったし、アコギにエフェクターをかけてノスタルジックを演出したイルリメ名義曲のカバー「たれそかれ」では泣きそうになった。


「普通の日々の大切さ」が染みこんでくるライブ。
近いテーマの「けいおん!」にどっぷりハマってる今の自分にはめちゃくちゃ心打たれる歌ばかりでした。
彼が今年最初のライブでよかった!


山本精一

鴨田潤があまりに素晴らしかったから、こりゃ食われたかな?と思ってたら……。


「新年から鴨田潤くんのやさしい歌が聴けてよかったですね。」「ここからは暗黒の時間です。どうぞ死にまくってください。」
開始からMC絶好調。


「この曲がやりたいから新年にこのイベント組んだ」と一言挟んでから名曲『もの投げるなや』。「正月だから賽銭箱の真横に座りこんで 外れて落ちる小銭を拾い集めるのはやめろ」のフレーズで客も意図に気付いて苦笑い。終わった後の山本さんの満足そうな表情。もうこのまま帰っちゃうんじゃないかってぐらい。でもまさかこの曲をやってくれるとは思わなかったからめちゃくちゃ嬉しかった。
そのあとは適当……とまではいかなくても勢いに乗せた演奏。山本さん、新年の空気にやられてるなぁ。


中心はラプソディアの曲。
唯一レコ発でやらなかった『いつものうた』も披露。後半で思いっきりギターが歪ませるのがカッコイイ。めちゃくちゃいいじゃん!
そのあとに『眼が覚める前に』『ハルモニア』と続く。バンドから弾き語りになることで歌の存在感がより強くなってました。2倍速、3,4倍速とギアをあげていったり、グワングワンにディレイをかけたりとギターでも見せてくれる。すると歌も際立つ。
「(難しいから)やらなくていいですかね?はい、やりません。ではやります。」と気合を入れて「ラプソディア」。出来は70点ぐらい?歌詞もよく飛んでギターソロでもあたふた。レコ発でのギターソロはかなり綺麗に決まったっぽい。
最後に『まさおの夢』


鴨田潤に譲らない素晴らしいライブでした。ラプソディアは弾き語りのほうが好きかも。
そして曲間の軽いMCがいちいち面白くて笑いっぱなしでした。山本さん、機嫌よかったなぁ。


デュオ

鴨田潤:作詞、山本精一:作曲でお客さんのための曲を作るというお年玉特別コーナー。


生贄(?)に選ばれたのは偶然にも関西フリーペーパー「おとうた」を発行している方。
ということでおとうたのCMソングを作ることに。名前がついさっきやった某曲と一緒という下りで吹いたw


製作過程は爆笑の連続。
鴨田潤のトーク進行の上手さと山本さんの暴走具合で漫才を見てるみたいだった。
自分を音楽神とのたまったり、指咥えてぶりっ子したり、ライブハウスの名前があがるたびに「ぶっ潰してやる!」と叫んだり、山本さんここでも絶好調。あまりに好き放題やるから鴨田潤がタメ口で突っ込んで敬語で謝る立場逆な場面も。


鴨田潤は、世間話でもするような緩やかな空気で話を引き出していき、手はどんどん紙にリリックを書きこんでいってる。山本さんの「エンジョイ ユアセルフ」なんて適当な発言も拾っていく。すげー。


そして制作時間20分ほどで曲を披露。
山本さんは墓穴を掘って早川義夫(ジャック)を憑依させながらメジャー(明るさ80%)の曲という無理難題をそれっぽくこなす。
驚きは鴨田潤の書いた詞。さっきまで適当に話していたようにも見えたのに、会話の要点をしっかり拾って綺麗なストーリーテリングになってる。パンチラインもある。これを即興で作ったとかスゴすぎる!
声を震わせてコーラスをする山本精一なんてレアなのも見れて大満足。


笑いあり、感動あり、サプライズあり。正月明けらしい朗らかで特別な空気。新年早々に最高のライブでした。
いきなり今年のベストライブ来たんじゃないか?ってぐらいに。


↓さっそくデュオの一部始終がアップされてました。良い曲です。