soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2012/04/29 渚音楽祭 2012春(韻踏合組合、KURANAKA、ZION TRAIN、YOJI、XPRESS2)

今年初の野外フェス、春の渚音楽祭


イママデ東京と大阪の共同開催だったのが今回から分離。出演ラインナップも方向性が若干変わっている……と不安もあり、同時にYOJI(a.k.a YOJI BIOMEHANIKA)とXPRESS 2が参戦という期待もあった。




行きのバス*1で既に缶チューハイに口付けてる女性グループ発見。飲み終わった後握り潰したりと既にパーティーモード入ってんなぁ。とこの時点ではまだ穏やかに見てたんですが……。
会場に着くと入り口に今まで見たことないような長い列。マッチョな黒服な人たちによる入念なボディチェックが行われている模様……とはいっても前回も似たようなもんだと思ったけどなんか時間がかかってるんだろうか?


入ってみると……うーん、狭い。そしてほぼどこいっても地面がコンクリート。寝転べるような草むらがない。
まったり休憩する場所が無いってのはかなり痛手です。アンビエント、チルアウトメインの光ステージが無くなったってじゃない場所自体が無くなってる。常に圧迫感に迫られている感覚。
ステージから聴こえてくる音もどうもよくない*2。前はステージから離れたところからでもしっかりと音を体感できた記憶があるけど今回は接近しないと風に流されてる。たぶん会場が狭くなってステージが近くなったことで音を弱めないといけないんだろうな。


初っ端から苦言でスタートしちゃいましたが、気を取り直して各アクトの感想へ〜。

韻踏合組合(メインステージ・太陽ステージ)

今回は4MC+1DJの構成。MCが誰かは判別できなかったんですがERONEとHIDAはいました。
オーディエンスに”韻踏合 マザファッキン 組合”をコールさせ『MECCHA MECHA』ではHIDAが1バース丸ごとフリースタイルに差し替えるエンターテイメント性。さすがのステージングでした。
ヒップホップのレールをなぞりながら、どこか憎めない関西のノリが見え隠れしてるのが楽しい気分にしてくれる。


ダンス系中心のイベントでも暖かく迎え入れられてました。


KURANAKA(最高音響ステージ・雲ステージ)

日本が誇る最強のサウンドシステム・最高音響×1945 a.k.a. Kuranakaとヨダレモノの組み合わせ。


ドープなダブでじわじわ酔わせて → 軽くダブステップ要素を含ませてアゲてく → 鋭いブレイクビーツのジャングルでがっつり踊らせる、という構成。
さすがというか、ジャングル部分に到達したことにはがっつり踊らせれました。自分の中でハイのスイッチが入っていくのがわかった。


ただ音が期待していたよりはるか軽め。もしかしたら最高音響止まっていた?音がステージ中央側しか届いてなかったような……。
DJのウデはもちろん良かったけど、最高音響×Kuranakaの化学融合は感じることができず残念。


KURANAKAのあとにやってた韓国の女性DJ・Cookieの時は音がマシになってた気がする。
ケミブラの『Hey Boys、Hey Girls』の声ネタを使ったトラックなど有名ドコロも使ってのアゲアゲな選曲でフロアも湧いてた。
自分はメインステージが気になってたので後ろ髪引かれる思いで離脱


ちなみに雲ステージは下がコンクリートじゃなく砂。狂ったように踊ってる人が大勢いて今までの渚音楽祭の雰囲気を一番引き継いでました。

ZION TRAIN(太陽ステージ)

ダブ界の大物 from UK。といっても今回のラインナップ公開されるまであまり知らないアーティストだったり。。
生楽器隊も携えてのライブもやるみたいですが今回はDJのみでの出演。


ガチでダブ。これ以上ないくらいにダブ。
ラガ系の裏打ちピアノに一音一音がボディブロー級のド低音ベース。音のすき間が空きまくり。アッパーのアの字も感じさせないスモーキーなノリ。


本当に音の隙間が空きまくりでしかもノロノロとした展開なんで「大物のわりに地味だな〜」と思ってたのが前半。
終盤にサイレン音からませて0.1mmずつ高めて今まで2秒に一回ぐらいしか鳴らなかったベースがブワっとイルなベースラインを刻み出した時の気持ちよさはすごかった。元々ベースの音が強烈なんでもの凄い威力なんですよ。


お見事っ!っと唸らされました。でも全体でみるとやっぱダルかったかなぁ……。

YOJI トークショー(エンターテイメント(?)ステージ・森ステージ)

各ステージは音を止めてこのあと登場するYOJIによるトークショー。主催やラジオDJなど他3名との対談形式。


登場するなりドリフの話をはじめてどうしようかと思ったけど最終的には非常に面白いトークショーでした。
「オレが喋ってるのになんで彼らは素通りするんや」「このすぐあとにDJってどんだけハードスケジュールやねん」などと毒を吐きつつ、「有名DJとどんな会話をしているか」「311以降の活動」「ゴミ問題の話*3」など。


風営法」の話題も挙がりました。YOJIはロンドン(だったかな?)のクラブでは1時までしか営業できていないことやアルコールの販売許可が取れず水を飲みながら踊ってる例を挙げながら「クレイジーになるためにクレバーになれ」と言っていました。反抗するのでなくその中で楽しむ術を見つけていくという話。
この話をしているときの聴衆の表情が真剣そのものだったのが印象に残ってます。


僕が気に入った話題は3.11後に楽曲を募ったコンピの選抜でBiohazard*4はバンド名の時点でふるい落とさせてもらった、というエピソード。




トークが終わる頃には渚音楽祭も後半戦。太陽ではRaja RamのバンドSHPONGLEパーカッショニストNogeraが煽る煽る。58歳の初老が原色のサイケファッションを着て騒ぎまくる姿は衝撃的。客層はサイケエリア・空のオラオラなノリが移民を開始してた。
バンドライブもちょこちょこ挟まれる月ステージではISSEI×熊井五郎のビートボックス&MPCのパフォ。めちゃくちゃカッコよかった!ビートがHIPHOPマナーに囚われずテクノしてた。DAVID GUETTAの『Where them girls at (Nicky Romero/Sidney Samson remix) 』に合わせたりもしてた。トークショーと被ってなかったらフルで見たかったなぁ。
雲ステージではShuが気持ちのいいプログレッシブ・トランスをかけてました。最高音響の効き目が全開になっててめちゃくちゃ良い音出てました。飛ぶほど気持ちよかった。一番精神が逝ったのはココかもしれない。



そうこうしてるうちに今日の目玉・YOJI。

YOJI(太陽ステージ)

万を期して登場のYOJI。結構な歳だろうに変わらない派手な煽り方。


いきなりの『SAMURAI』。チップチューン気味のシンセが耳に突き刺さる。フロアは空ステージのサングラスな人達が大量にいたからよくわからないノリなってる。前方はそんな調子だし後ろ方で広々と騒ぐにも太陽は遠ざかると音が悪いというジレンマ。
集まった人数のわりにあまり盛り上がってないように感じたんですが、YOJIの煽りによって徐々に身体を動かしハンズアップする人が増えてくる。そうか、盛り上がってないオーディエンスを盛り上げるのこそ一流のDJだもんな。

『Kernkraft 400 / Zombie Nation』のテックダンスリミックスをかけたころにはかなり盛り上がってきてる。お馴染みのフレーズを大合唱。自分もうまく盛り上がってる層のところに潜り込めた。


そしてついにやってきたあの曲。「This place is rockin'」の声ネタ後に聴こえてくる特大アンセム『Look @ the Heaven』!!会場のテンションが爆発するもの凄い盛り上がりでしたよ。
さらに続けて一番好きな『HARDSTYLE DISCO』。ナニコレ、鬼すぎる流れ!!アゲてもアゲても天井知らずにアガっていく奇跡のような曲。最高ーーーーーー!!!
トドメとばかりに『Never End』で締める。


……すごかったです。ラスト三曲のうち一曲ぐらいやってくれないかなぁ、と思ってたんですがまさか続けて3連発でくるとは。沸騰するぐらいのアドレナリンが出てもうわけわからないほど盛り上がった。
YOJI最高!


Xpress 2(太陽ステージ)

YOJIからガラッと雰囲気が変わって大量のハウス・クラシックを生んだ大御所Xpress 2。オラオラなYOJIの客を追っ払うかのようにプログレッシブ・トランス系のチルアウトな曲でスタート。


がっしりしたグルーヴのハウスが連投される。ベースが聴いてて気持ちいい〜。オサレとビート感の絶妙なバランスがなんともいえない。
最後はFat Boy Slimが「Big Beach Boutique 2」の印象的な部分でかけてる『Lazy』。めちゃくちゃ気持ちいい〜。と酔ってると突如聴こえてくる日本語歌詞。どういうこと?と思ってたら こんなことがあったみたい。良い話だ〜。



トレーラーのサウンドシステムを載せて会場の中心で鳴らしていた星ステージを通り過ぎると強烈なダブステップがかかっててかっこ良かったなー。
星ステージは午前中はサイケトランスとかかかってたのにいつのまにかドラムンブースになってて盛り上がりまくり。ジャンルの読めないカオスなステージだったな。
後半のドラムンはMCも参入してみんなクレイジーになってた。一番健全な盛り上がり方してたかも。


最高音響でクソドープなダブテクノ/ミニマルがかかってた雲やらをウロウロしてる内に終了〜。楽しかったー。次回は10月にやるみたいです。




しかしウロウロしてると地面のゴミがすごかった。何処を見てもゴミ、ゴミ、ゴミ。至るとところでポイ捨てを見た。手洗いとかもナチュラルにモノを捨てていく。フェンスを乗り越えてる人とかもよく見た。


ポイ捨てする人もアレだけどゴミ捨て場のスタッフがめっちゃ態度悪い。ゴミ箱に足かけて座ってたり、ずっと顔を伏せてたり。感じの良い人もいるんですけどね。スタッフの態度の悪さがフェスのマナーの悪さに影響を与えていた気がする。
トイレも酷いことになってて男性トイレは詰まって小便器から溢れそうになってた(もちろんタバコのポイ捨てで)。地獄ですよ。


客の盛り上がりも全開までもっと楽しそうに開放的に踊ってた人がいたと思う。身体が止まんねぇって人。それが今回はあまり見なかった。パーティ的にクレイジーじゃなくてただ単に騒いでるだけ。音楽とリンクした騒ぎ方じゃない。草むらなくて狭くて圧迫感ってのもあると思うんだよなぁ。




いや、めっちゃ楽しかったんですよ。何度もテンションが頭を突き抜けた。終わった瞬間も幸福感で溢れてた。ここでこんなに批判的なことを書くつもりもなかったんですが……ただ時間が経つとこういうことばかり考えてしまう。それってイベントとしては成功じゃないと思う。


やっぱり出演メンツも今までに比べたら弱いってのは感じた。まぁ、それは今回の仕切り直しで仕方がないところもある。今後変わっていけばいいかもしれない。
場所、環境、客層、マナー……といったイベントとしての質は正直このままだとヤバいなって感じました。大阪で独立して変わっちゃったな。もう別モンと思った人もいるかもしれない。


いい方向に変わって欲しい。
客の意識がどうこうだけじゃなくイベント側に変わって欲しいところがいくつもありました

*1:シャトルバスは出てないので一般の人も乗車

*2:主に太陽ステージで感じた

*3:ポイ捨ての話をしはじめた矢先に最前の人がタバコをポイ捨てした場面も。笑い話ではないな

*4:ガスマスク子供ジャケで有名なハードコアバンド。その名前で良い人達だww