soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2012/05/03 モーモールルギャバン @ 梅田クアトロ

今年ナンバーワン候補!ってぐらいに新譜が傑作だったモーモールルギャバン
ワンマンに行ってきましたー。




開場は今年4月にオープンした梅田クアトロ。初訪問です。
場所は泉広場からほぼ直結なんで雨の日でも濡れなくて便利。
中は広いんだけど狭い。というのは総面積は広いんだけど壁とかの関係で通路やロビーが狭い。待機列が階段ってのも窮屈。心斎橋クアトロはロッカー周り以外は楽に移動できるイメージだったんだけどな。
フロアは「2階席、3階席〜!ノッてるか〜?!」ってMCがあったぐらい大きな段差がある。元・映画館ってのも納得のレイアウト。あの邪魔な柱が無くなったってレベルじゃなくて全然違いました。受けた印象は小さいなんばハッチ。ステージも天井が高くて心斎橋と印象がだいぶ違う。
照明とかフラッシュは複雑に動いてたので最新の機器が揃ってる?音も良い感触でした。
あと一番衝撃的だったのが床。ジャンプすると木(?)の床がものすごい勢いで弾みます。ちょっと怖くなるぐらいの弾力で立ってれないレベルでトランポリン状態。必然的にジャンプのタイミングが一緒になる一体感wこんなハコ初めてだ。




とクアトロ話が長くなりましたが肝心のモーモールルギャバンのライブ。
今までのバカ騒ぎでバカポップなライブを見失わないまま確かな成長も感じるライブでした。


一発目が『パンツ泥棒の歌』。ゲイリーはのっけかそこが基本の場所と言わんばかりにドラム椅子の上に立って歌う。
客のモッシュは音から想像できるより相当激しい。個人的にはもう少し踊った結果できるモッシュの方が好きなんですが……。「あ、黒なら結構です」の大合唱で盛り上がる客は良い客ですよね。
『琵琶湖とメガネと君』『BeVeci Calopueno』と旧作からの曲を続けてキラーチューン本日の一本目『美沙子に捧げるラブソング』。これだけ大勢で「I Love you 美沙子〜♪」と叫ぶ光景は爆笑モノかつ輝かしい。


7曲目ぐらいの『午前二時』でようやく新譜から。ユコのボーカルソロ曲なんですけどボーカルよりゲイリーのドラムに見惚れた。普通の8ビートにここまで説得力を持たせるドラマーもなかなかいない。もちろんユコのボーカルも素晴らしい。
次に『裸族』の初期バージョン。後半の「この街で一番バカになれよ〜♪」は何度聴いても熱い。


新譜のタイトル曲『僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ』。軽い気持ちじゃ聴けないシリアスな曲。自分は音楽を聴くとすぐ身体を揺らしちゃうんだけどこの曲ばかりは聴き入ってました。ドラムロールの入り方は鳥肌モン。
それとBメロのユコのコーラスが「こんな悲しそうな顔をして歌う人がいるのか」ってぐらい希望も何も見えない表情してて驚いた。いわゆるレイプ目状態。それがまた心に染みる。
モーモーの三人が奏でる「震災以降」の曲にアーティストとして成長したのをビシビシ感じた。


次も『コンタクト』と大人しい曲が続いたと思ったら一転『POP!烏龍ハイ』で大盛上がり。この日の一番の盛り上がりの一つじゃないかな。『ハイ!』の掛け声が楽しすぎる〜。ここらへんから踊ってみんなで楽しむ良いノリがフロアにもでき始める。
新譜からPCカットされた『サノバビッチェ』。最初の掛け声がたまらんです。自分はモロにタイミングミスったけどwこの曲もポップでパワフルで本当に楽しい。逆に2ndからPVカットされた『Hello!!Mr.Coke-High』は良い曲に違いないけど大人しく感じた。


ここらでマルガリータのベース弦が切れるトラブル。ベースの弦が切れるって……どんだけ気合入れて弾いてんだっ!
ここでMCでつなぐことになるんですが、まさかのゲイリーの生声カラオケによる『君のスカートをめくりたい』で3人一回づつコーラスを歌う。「繋いでー」と言われて自分の曲のリズムを歌い始めるアーティストを初めて見たw
「こんな歌詞の曲の歌を女に歌わせるなんて」と怒るユコの横でゲイリーが変な踊りをしまくって歓声がそっち向くのが面白かった。


ベースが復活したら『野口、久津川で爆死』で大暴走。また弦切るんじゃないかってぐらいの渾身の演奏。ユコもキーボードを担いで前列まできて客をタッチしたりと大暴れ。このときの照明フラッシュすごかったな。


代表曲のひとつ『ユキちゃん』から『いつか君に殺されても』でマルガリータの叫ぶ「悲しくないよ」に合わせて叫んでるとこっちもそんな気分になる。
そして本編ラストの『サイケな恋人』やはりめちゃくちゃ良い曲。
最初のドラムフィルインをみんなでハラハラと見つめる楽しみとかある。当然ながらパンティコールは楽しかった。ただお約束ゆえに熟れた感もあってほとばしるものは過去のライブより無かったかも。もうパンティのバンドではないのかもしれない。最低でもパンティ”だけ”のバンドではない。でも矛盾してるようだけどパンティはやり続けて欲しいけどね。
しかしボクサーを脱いだゲイリーの股間がびっくりするぐらい張ってて釘付け。「下にパンツ履いてるからJ-POPです。妹もおばあちゃんも連れてきても大丈夫!」と言ってたけどその張りはJ-POPの限界をギリで超えてる気がしますw




めっちゃ早く出てきたアンコール。「体力ヤバい。三箇所ぐらいツリそう」ということでバラードを演奏するとのこと。曲は『悲しみは地下鉄で』やってくれるとは思わなかったから嬉しい!「僕は死ねばいい」のイントロからガツンつくる強烈なバラードですよね。
『Ca☆Na』で手拍子をみんなで楽しく叩きながらフィニッシュ。この幸福感。ライブでのこの曲大好きなんです。




さらにダブルアンコールもあり!
最後の最後に新譜の一曲目『スシェンコ・トロブリスキー』。コーラスが染みる良曲。ここでこの曲を持ってくるセンスに脱帽。最高にハッピーな気分で終われました。




最高にハッピーな気分で汗だくになりながらロビーに出て物販でTシャツゲット。その際に「サイン受け付けます」の掲示に「途中でも23:00までで終了します」って書いてた。いや、23:00って凄いな。ファン想いな部分を発見して感動した。


めちゃくちゃ良いライブだった!
演奏レベルは高いし、歌の表現力もホンモノ。騒ぐ曲と大人しくする曲のバランスも良かった。
騒ぐのは楽しい。そしてバラードが心に染みました。どこまでも音楽に真剣に向き合ってるんだなぁってのがよくわかるバンドです。
PVではサイケデリックな方向に走ったりと変わったように感じるかもしれないけど、バンドの本質はJ-POPテロリストのまま変わってないままにクオリティがアップしてると感じました。



↑震災直後にゲイリーが取った行動は楽器をギターに持ち替えてのストリートライブで日本にパワーを与えることでした。
音楽家として日本を元気づけたいと真剣に思ったがゆえのアクションだと思います。
短い動画だけど全力で向き合ってるゲイリーに何度見ても胸が熱くなる。
爆笑を誘う前半から10秒後には顔を歪ませて泣きそうになるくらいストレートなJ-POPを聴かせてくれる。弾き語りでもモーモーのコアの部分を確かに感じます。