soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2012/12/29 RADIO CRAZY 2012 1日目(モーモールルギャバン、後藤まりこ、POLYSICS、シシド・カフカ、MONGOL800、Scott & Rivers、ザ・クロマニヨンズ、難波章浩、BRAHMAN、THE BAWDIES、くるり)


東の年末フェスがCDJなら西の年末フェスはRADIO CRAZYと言われるとか言われないとか。
というわけでRADIO CRAZY行ってきましたー。
次の日から東京行ってコミケなんで疲れないようにゆったり見ようと思ってたんですが……まぁ、MONGOL800難波章浩BRAHMANとかあって大人しくしてられるはずがありませんでした。



インテックス大阪の全館を使ったしっかりした半屋内フェス。
建物内を年末の宴らしくデコレーションしてて、こたつコーナーがあったり、書き初めコーナーがあったりと個性的な催しもたっぷり。
もちろんフェスに必須のフードエリアもRUSHBALLと同等かそれ以上に店が揃ってる。正直サマソニRUSH BALLより金がかかってそうな印象も受けました。やっぱ邦楽の方が人気なんかねぇ。
予想以上のフェスらしい内容に驚かされたと、同時にテンションがあがってくる!


ちなみにRADIO CRAZYの公式HPにもレポがあります。しかもセトリ付き。
※ちょっとわかりにくいですけど左側のチケット情報上にあります

モーモールルギャバン

『ユキちゃんの遺伝子』『ユキちゃん』『POP!烏龍ハイ』『サノバ・ビッチェ』『スシェンコ・トロブリスキー』『サイケな恋人』
完全フェス仕様のポップなJ-POPチューンで固められたセトリ。『サノバ・ビッチェ』と『スシ〜』は確実に代表曲の仲間入りしてますね。
3人とも気持ち走り気味でアンサンブルがズレるところもあったけど、楽しい曲の連続で笑顔が止まりませんでした。


『サイケな恋人』ではゲイリーがパンツ二枚脱ぎ*1するサービスまであり。
最後はユコさんが派手に銅鑼を鳴らしまくって最後までハッピーなステージでした。


後藤まりこ

セッティング中は客が2割ぐらいしか入ってなかった。裏がPOLYSICSとはいえあの後藤まりこでこんなもの?
スタートした時も4割入ったかぐらいだと思います。


サポートバンドは千住宗臣(PARA)、AxSxE(NATSUMEN)、仲俣和宏downy)と超豪華なメンバー。千住さんとAxSxEさんが同じステージに立っているのが信じられない光景。


後藤まりこエフェクターを2つ持ってドローンを発していくスローテンポ曲でスタート。いきなりの変化球にハテナマークが浮かんでる客多し。
大きいステージにちょっとしか客がいないので後藤まりこもやりにくそう。もちろん彼女のことだから「タテノリだけが音楽じゃない。何もわかってへんやろ!?わからんままで大正解!おまえらのこと大好きや!死ね!死ね!!」と思ってることを隠そうともしてませんでした。


千住さんのドラムはさすがの上手さ。簡単なフレーズでも魅力的に聴こえる鋭いドラミング。AxSxEさんはあくまでもサポートメンバーということで大人しくしてました。
『ままく』『M@HφU☆少女』とわかりやすい曲が進むたびに少しづつ火が付いてきて、ワンピースで飛び跳ねたり座り込んだりしながらCD以上に感情的に歌ってる。この人にはパンチラという概念は無いのだろうか……?


『うーちゃん』ではついに客席にダイブ。BRAHMANTOSHI-LOWさながらに客に身体を任せながら熱唱。最後はワンピースをまくり上げながらダイブで前に運ばれてました。
もみくちゃにされた時に傷が開いたのかリストカット跡から血が出て白いワンピースの一部が赤くなってた……。


ステージに戻ると「え、時間ない?あと45秒しかない?」と押してることをおっぴろげに言っちゃう。
その時千住さんが「テンポ早めで行く?」みたいなジェスチャーをしてました。開始前に後藤まりこが「(マイクの位置を調整しながら)千住君がみたいねん」と言ってたし千住さんがこのバンドの核になってるのかな?
と、一悶着あったけどしっかり『あたしの衝動』を演奏して終了。ところどころ絶叫しながらの『あたしの衝動』は迫力がありました。


始まりはどうなるかと思ったけど、終わってみると熱くて良いライブだった!
しかし、後藤まりこはかわいくなったなぁ。


POLYSICS

前半は後藤まりこと被ってたので後半の数曲だけ。
3人になってはじめて見たけど、ハヤシの勢いはそのままで、クッションになってたカヨがいなくなったからこっちも楽しむ気で見ないと疲れるな。


でも『Let's ダバダバ』のイントロとか聴いてると自然と笑顔になっちゃう。大きいL-STAGEを満杯にしてました。


シシド・カフカ

女性のドラムボーカルということで前から興味があったアーティスト。モンパチと被ってたけどひと目見ておこうと前半だけ。
ステージの中央前面にドシンとドラムがあるセッティングがカッコイイ。タムがフロアだけのやや変則的なドラムセット。


出てきた瞬間スタイルの良さにびっくり!さすがモデルもやってるというだけあります。
で、肝心のドラムは……うまい!テクニックが云々というよりカッコイイドラミングの魅せ方を知ってる感じ。長い足を大きく上げる仕草は惚れます。
曲もロックな曲*2はカッコイイ。両脇のギター&ベース*3がガシガシとリフを弾いていくインダストリアルロックのような感覚で好みでした。サビのパワフルなライドは見ててスカッとする。


これは想像以上にカッコイイぞ!また落ち着いた状況で見てみたいです。
今後どうなるかは曲しだいだろうなぁ。PVありの曲がちょい微妙なのが気になるところ。


MONGOL800

青春のモンパチ!
前の方までスルスル行けたんで一番前のモッシュゾーン特攻。


『Face to Face』『Don’t Worry be Happy』など陽気な曲はもちろん『あなたに』『小さな恋の歌』の青春度はハンパない。拳ふりあげて大盛り上がりしてきました。ここらへんの曲は歌詞を全部覚えてるんだよな。
周りを見ても若いキッズからちょっと年齢高めの根強い音楽ファンまでみんな笑顔で楽しんでる。


メロコアチューンでスカッとしたあとにに始まるミドルチューン『神様』にまた感動。
勢いだけのメロコアバンドとは一線を画してます。


最後は『Party』で楽しく締める素晴らしいライブでした。
この日で一番楽しかったのはこのアクトかなぁ。
楽しむ客を穏やかな笑顔で見つめながら演奏するメンバー。
ほんと3人とも良い年のとり方をしたもんだ。奥田民生みたい。


Scott & Rivers

今回のブラックホースはこのバンド。
ALLiSTERでソロでもJ-POPのパンクカバーをしているスコット・マーフィーWEEZERリヴァース・クオモの日本大好き外国人が組んだ日本語バンド。
この日が初ライブ。音源はまだ未発表でどんなジャンルの音楽をやるのかもわからない。けどこの二人なら何かやってくれるだろうとステージに向かいました。


バンド形態でサウンドは初期WEEZERに通じるパワーポップ!改めてリヴァースのメロディセンスはすごいな。過剰なまでに泣きを強要するでもないのに確実に胸に響いてくる。


音圧がかなりのもの。リヴァースのギターは映えたなぁ。WEEZERの色々なモノを背負わずにがっつりギターを弾いてるリヴァースは最高の泣き虫ロックスターでした。
MCも日本語。スコットは流暢な日本語を話して関西弁ネタなんて高度なことまでやってる。リヴァースはちょっと辿々しいけど十分うまいし、愛嬌がありました。


上に書いたようにオリジナル曲は昔のWEEZERを思い出してグッときたし、スコット・マーフィーソロのカヴァーで『ドラえもんのうた(パンクver)』やユニコーンの『雪が降る町』(リヴァースが歌ったらWEEZERの曲になってた)なんて日本へのサービスも良かった。


終盤に「日本語で歌うのも楽しいけどたまには英語もね」と言ってスタートしたのがWEEZERの『Say it ain't so』!
イントロが鳴った瞬間に思わず叫んじゃいました。強力な音圧での大名曲は涙モノ。
しかも2番は日本語歌詞ver.というサプライズまで。高まりまくった状態で聴くギターソロは最高の一言!マジ泣きしそうになった。
WEEZERからも一曲ぐらいカバーするかなぁ、と思ってたけどまさかこの曲とは。


「リヴァースがいるから……」と軽い気持ちで見に行ったら日本愛、そしてWEEZERALLiSTERの一番良い時代が戻ってきたような曲たちにノックアウトされました。
この日で一番感極まったのは『Say it ain't so』だなぁ。イントロに合わせて突き上げられた無数の手が忘れられない。
いや〜Radio Crazy、行ってよかったです。




ここらで飯。
金肉丼なるものを食べたり、ホットチャイ(ラム酒入り)を飲んだり。ホットチャイは冬に飲むと最高やった。
フードコーナーは室内なんで寒くなかったです。


ザ・クロマニヨンズ

なにげに初めて見る生のヒロトマーシー
ほんとカッコイイなこの二人は。歳を感じさせないロックっぷり。ヒロトは相変わらずあの独特なノリで騒ぎまくってる。


『突撃ロック』『タリホー』といった曲を演奏。
ザ・クロマニヨンズの曲はそこまで好きじゃないんだけど『炎』の「僕らはただの友達じゃない もうただの友達じゃないんだ」というフレーズをヒロトマーシーが一緒のステージに立って歌われるとこみ上げてくるものがありました。


あと「2012年楽しかった?2012年は人類史上最高の年でした。でもそれもあと数日で終わって……そのチャンピオンベルトは2013年に引き継がれます。」なんてMCをスラスラ言っちゃうヒロトが本当にかっこ良くて……。
ヒロトという存在そのものに痺れました。


後半もヒロトが上半身脱いだりと盛り上がったみたいですが、次に難波さんが控えてるので前半で離脱。
外に出るとレーザー光線によるライティングデコレーションが始まっててお祭り気分を持続させてくれる。イイフェスだ



難波章浩

すっかりパンクロッカーとして息を吹き返した難波さん。
スタートを待つまでの間にハイスタの『DEAR MY FRIEND』が流れてきて早くもフロアから歓声が。すると難波さんがステージ脇から出てきてエアボーカルをやりはじめました。更に沸き立つフロア。
ここらへんの選曲はさすがFM802のイベント、って感じですね。


『PUNK ROCK THROUGH THE NIGHT』『MY WAY』とメロコア復活の2ndミニ・アルバムから2曲で軽快にぶっ放す。もちろんフロアはモッシュが大量発生。大きいサークルを作ろう、ととにかく広がるのは「なんだかなぁ」と思いながらも自分もモッシュでもみくちゃにされながら楽しむ。


PAがうまくいってなかったのか音がぐちゃぐちゃで曲がわかんなくなるところもあるけど難波さんの勢いがスゴイ。
ハイスタの『Califolnia Dreamin'』とかもやって、個人的に楽しかったのがダフト・パンクカバーの『One More Time』でみんなで回りながらダンス&モッシュしたこと。パンクロックだけど踊れる!


終盤には皆待ってた『STAY GOLD』。曲が始まった瞬間に360°がモッシュになった。この曲のパワーはすごいなと再確認です。
続いて大好きな『未来へ』。この曲のピースフルな空気が大好きなんですよね。ここの流れは最高だったなぁ。


前のドンギマナイト*4ほどの衝撃は無かったけど勢いで押す今のノリはパンクのカリスマ性健在だなぁ。
みんなはしゃぎすぎて次のBRAHMANでは体力切れてる人もいたような気がする。


The Birthday

チバユウスケを見たいのでチラ見。
おぉ、渋かっこええ。
けど曲はそんなに好みじゃないかったかも。

BRAHMAN

年の終わりにBRAHMAN見れるってのは贅沢よね。


お馴染みのSEから『SEE OFF』→新曲の『露命』。トリッキーな展開の『露命』はまだ戸惑ってる人が多くてまだ浸透はしてないみたい。
2曲終わってからの「BRAHMAN、始めます」。
『The Only Way』を皮切りに曲をノンストップで熱演。『BASIS』はやったけど『SPECULATION』は無かった。


もう喋りだしても驚かなくなったMCでは息子と一休さんの笑いながら勉強になる話。息子さんの話をするときにすごい嬉しそうな表情をしてて良い父親なんだろうなぁ、と思いました。


『霹靂』は感動……という言葉さえ陳腐になっちゃう圧倒的な精神力が音となって響いてくる。
今までなら『霹靂』で終わりだったけど、新譜を出した後の今回はさらに『鼎の問』。『霹靂』の後でも決して負けない力強い曲。BRAHMANは3.11で大きく変化したけどそこから更に、確実に、前に進んでるのを感じました。


「良いライブを見せてくれてありがとう」ってより「MC、パフォーマンスを含めありがたいモノを見せて頂きありがとうございます」と説法を拝聴したような気分。
良い悪いの別の次元でこの人達は他のライブとは何かが違うわ。


THE BAWDIES

くるりが控えていたので一曲だけ『EMOTION POTION』。
男気なロックでかっこええ!歌は思ったより普通の声だったけどシャウトはばっちりキマッてた。


後方の人がまばらなスペースで自由に踊りまくってる人が大量発生しててダンスホール化。素晴らしい風景だなぁ、と。
RUSHBALLのATMCのラストアクトってだいたいこんな雰囲気だよなぁ。
フェス終盤のこういう雰囲気めっちゃ好きです。


くるり

2012年の最後に見るにふさわしい完璧なセトリでした。


いまの4人体制は1年前のみやこ音楽祭で見てるので不安はありませんでしたが、2012年末に見た現・くるりはさらにバンドとして固まってきている気がします。
一曲目に演奏された新譜からの軽快なロック『everybody feels the same』では中盤のファンファンのひと吹きで一気に惹きこまれる。トランペットが問題なくくるりの中に入ってる。


ここから驚きの名曲ラッシュ。
まずクリストファー在籍時の良曲『ロックンロール』。この次点で大喜びするファンがいっぱい。
TOSHI-LOWのMCに巧く乗って笑わせた後に『ばらの花』。名曲すぎる!「安心な僕らは旅に出ようぜ〜♪」に合わせてオーディエンスがユラユラと揺れてるのは静かだけど幸せな空間。ちなみにファンファンがピアノを弾いてました。
次に『街』。ゆったりしてるだけじゃなく正真正銘のロックバンドであることを証明するハードな演奏。血管がブチ切れんほどの熱唱には驚いた。岸田さんってこんな迫力ある歌い方できるのか。
新譜の高速曲『chili pepper japones』でハンドマイクを披露し、次が一番驚いた『ワールズエンド・スーパーノヴァ』まったりとしながらしっかりと身体を揺らしにかかる四つ打ち。
そしてキラーチューンの『ワンダーフォーゲル』でみんなで笑顔で飛び跳ねる。
本編の最後は『glory days』


『東京』は無しと言えど文句なしの名曲ラッシュ。スクリーンには思わず涙してるファンも映っていました。


トリということでアンコールもあり。
「ここで東京くるか?」と思ったら意表つきまくりの『宿はなし』
謡曲とも言えるこの曲を年のラストに持ってきたのは紅白を意識してるのでは……ってのは考えすぎか?
始まった時は「この曲で終わりか、う〜ん」と思ったけど帰り道にずっと頭で流れていたのはこの曲でした。
穏やかな気持ちで日本の年末を迎えることができる。


熱量がハンパないBRAHMANの後にまったりしたくるりって並びはどうなるかと不安だったけど、気持ちよく2012年のライブを終える事ができました。



僕は年最後のライブってのはイイモノを見たいって気持ちがあります。
今年は七尾旅人が最後にあったからRadio Crazyに行くかは悩んだ。トリのくるりは当たり外れ大きいし。
けど行ってよかったです。予想以上のフェス感。シシドカフカ後藤まりこBAWDIESなどフェスじゃないと見ないだろうバンドも見れた。SCOTT & RIVERSや神セトリくるりなどサプライズもあった。


来年も都合が合えば見に行きたいな。

*1:脱ぐ用パンツ2枚+最後の砦1枚の計3枚着用!

*2:動画2曲目

*3:ドラムメイン、ギターがサブに見えるのがイイ

*4:あの時は客のノリも密集率も音も完璧だったし、『STAY GOLDやるか?』ってドキドキもあった