soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2013/01/28 芳垣安洋 × 池田安友子 @ コモンカフェ

ROVOアルタード・ステーツのドラム・芳垣安洋さんと女性パーカショニスト・池田安友子さんのパーカッション・デュオライブ。
昨年末のROVOライブのチラシに今回のフライヤーが挟まってたのを発見。
芳垣さんのドラム・ライブは2011年のソロライブを見に行った時に衝撃を受けて、そろそろもう一回行きたいな、とちょうど思ってました。


会場はコモンカフェ。たびたび名前を聞くことはあったけど訪れるのは初めての場所です。
ライブハウスではなくイベントもできるカフェ。白、緑、茶色といった優しい色に包まれて心地いい空間。ステージは無く、客席と同じ高さに大量の打楽器が用意されていました。


この日は二部構成でした。何をするか決まってないぶっつけ本番とのこと。

第一部

芳垣さんはシンバル、ミニ銅鑼、ブロック、鉄の棒…など楽器に囚われない色々なものをドラムセットの上に置いては落としてしながらドラミング。モノを置く音、落ちる音も演奏の一部に聴こえてくる。
リズムはちょこっとトライバル気味。芳垣さんは根っこはジャズなんだろうけど、そこに民族的なリズムも乗っけるのが好きです。


片手にスティック二本を持ってハイハットを挟んで高速連打には痺れました。一人とは思えないリズムを叩いてる。
またミュートと高速連打を使ったトライアングルのカッコイイこと。この人の手にかかれば小学校の時に叩いてた楽器も一級品の演奏へと昇華させてしまう。


池田さんはコンガがメイン。どちらかといえばサブ的な位置で演奏してました。
事前合わせ無しということでまだ様子を伺っているみたいだった。


中盤に赤ちゃんの鳴き声みたいな音の出る笛を吹き合うタイムが。なんか気に入ったみたいでこの後も何度か登場してました。
途中、シンバル飛ぶアクシデントもありながら第一部終了。
始まる前に「何も決めてないから楽器の投げ合いが始まるかも」と冗談を言ってて本当に飛んだから面白かったw
まずはウォームアップ&手探り?



第二部

両者の緊張もだいぶほぐれた状態でスタートした第二部。
芳垣さんの手元にはBeckのNausea(Youtube)で有名なビリンバウが。実際に目の前で叩いてるのを見るのは初めてでしたが打楽器のようで弦楽器のようでもある、面白い楽器だなぁ。芳垣さんがまた巧い!


なかなかノってこない池田さんに挑発するよう情熱的なリズムをビリンバウで叩く芳垣さん。
池田さんも得意のコンガで次第に盛り上がっていき、気づいたら2人サンバ・カーニバル状態。芳垣さんの民族的な歌付き。二人とは思えない手数の多さに驚かされながらも土着的なリズムに客も興奮しっぱなし。キメのフレーズを2人で合わせたりと呼吸も合ってきた。
サンバタイムが終わるころには客から拍手もあがりました。


そこからしばらくバイオリンの弓でシンバルを弾いたりと大人しい時間が続き、今度は池田さんが挑発するような形でコンガがラテンのリズムを刻み始める。そこに芳垣さんも小道具なしのドラムセットで迎え撃ちジャズドラム vs ラテンコンガが勃発!
芳垣さんのマジモードは見てるこっちが叫びだしたくなるほどバワフル。池田さんのコンガも負けじとすごかったです。
合図ゼロ*1の即興とは思えないビッタリあった終わりで最高の第二部が終了しました。
いやー、見ものだった!!




アンコールはシンバルと仏壇の鈴*2のドローン。三途の川に連れて行かれそうな和の虚無感を感じる音。
すると店の外から救急車のサイレンがかすかに聴こえてきてフェードアウト、っていう微笑ましいハプニング(?)で終了。


お二人とも素晴らしい演奏でした。行ってよかった!
客は20人くらい。(((芳垣さんと交流がある小説家・田中啓文さんもたぶんいました。))名演と呼ぶに相応しいセッションだと思いますが、それをこれだけの少人数しか聴いてないってのも不思議な感覚だよなぁ。



*1:シロート目には

*2:お椀みたいなやつ