soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2013/05/18 KRAFTWERK(クラフトワーク) @ なんばHatch


テクノゴッド・クラフトワークの来日!東京の各アルバムごとの再現8公演をやったあとに大阪にも来てくれる……こりゃ行くしか無い!

客層は坂本龍一のような白髪の人から学生まで幅広かったです。女性も多かった。ほぼHatchいっぱいに人が集まってました。


開演時間から2分過ぎたくらいの頃、メンバーのドット絵か描かれた幕が降りた状態で『The Robots』のイントロが流れてきて歓声があがりました。幕がバッと取り除かれるとすでに4人がパソコンの前でスタンバイ!かっこええ演出!!さらに大きい大歓声が響いたのは言うまでも無いです。



今回のツアーの一番の特徴は3Dメガネをかけて立体のVJを楽しむ構成になっていることです。これがよく出来てる!
想像してたよりしっかりと映像が飛び出てきて視覚的な近未来感がプラスされてました。
また、ただ単に「飛び出て面白いね〜」だけじゃなくてライブ体験的に今までにない興奮が加わわってる。例えば曲を音で盛り上げようとするとスネアロールを「」とクレッシェンドしたりしますが、そういった音の変化が無くとも映像の物体が「」と近づいてくるとまるでトランスのブレイクみたい「わ〜〜〜〜っ」って盛り上がる。これは今まで一度も味わったことのないライブ体験でした。さすがクラフトワーク。未来を行ってる。
厚紙素材の簡易なメガネのわりには掛け心地もよく、安定して立体に見れる。大満足でした!




サウンドももちろん最高。クラフトワーク色を残しながら今の音にアップデートされてて古臭さを感じない。そして圧倒的な個性のある楽曲。よくライブ後にその日のセトリを思い出すと「あれ?この曲やったっけ?」ってなるんだけど今回はしっかりとどの曲をやったか覚えてる。
メンバーはほぼ直立不動であからさまにノッたりはしないけど腕は結構動いてるなぁ。




セトリは東京で言うとThe Mixの日に1曲追加された完全ベスト盤状態の大サービスセトリでした。代表曲は完全網羅。


映像で印象に残ってるのは:
『NUMBERS』スクリーン一面に映しだされた緑色の数字がウニョウニョと動く映像は一番最初の「うわ、3Dヤバいな!」って映像。電脳空間にダイブしたみたいだった。
『SPACELAB』客側に迫ってくる人工衛生はこの日一番の飛び出しぐあい。思わず掴もうとしてる人が何人もいました。曲は展開しなくても映像で会場が盛り上がる感覚は新鮮でした。
『TRANS-EUROPE EXPRESS』白黒だけの世界。レールの直線と線路変更の線が混ざる絵が綺麗。


音楽では:
『COMPUTERLOVE』の切ないメロディがめちゃくちゃ良かった。うっとりしながら身体を揺らしてました。
『AUTOBAHN』The Mixの9分ver.かな?切り替わりはゆっくりだけどどんどん展開していくのはクラフトワークが”プログレ”の枠で捉えられたのがよくわかる。中盤では4人が音を足しまくってさながらセッション状態。カッコイイ!いや、動きがわからないから多分だけど。
『RADIOACTIVITY』日本の放射能事情に対して強いメッセージ性を込めたver.。チェルノブイリハリスバーグセラフィールドに並んでフクシマ、ヒロシマ。「日本でも放射能 今日もいつまでも」と日本語で歌ってくれる。僕はNO NUKEの思想は無いけどシリアスで強烈なメッセージはすごい力が篭ってました。VJも今までの黒基準から赤と黄色の警告色。


個人的に一番良かったのは『TOUR DE FRANCE』映像がスタイリッシュかつ綺麗。中盤で沸き起こった客の手拍子がツール・ド・フランスで選手を応援する拍手のように聞こえてグッときました。映像に出てくる選手や客の表情がまた良いんだ……。*1



最後は『BOING BOOM TSCHAK』→『MUSIQUE NON STOP』。各者のソロ部分は生で見ても何やってるかわからないw帰りには最高の拍手を。ヘニングがベース・ラインを弄ってる時にラルフが身体をのけるぐらいにノリノリだったのには驚きました。こんな動くとは。


『MUSIC NON STOP』が始まった時点では『DENTAKU』がまだ未演奏で悲鳴と歓声が同時にあがってました。
そんなこともあって物凄い音量の手拍子。クラフトワークってイメージ的にアンコール無さそうと思ってましたがしっかり応えてくれました。出てくるなり腕時計を気にする仕草をして寝るポーズをするラルフがおちゃめw
ひゅ〜っと電卓が飛んできて、「これを待ってたんだろ!」と言わんばかりにドロップしてきた『POCKET CALCULATOR』→『DENTAKU』。こんなん反則ですよ!この日一番盛り上がってました。『DENTAKU』では大合唱。
最後に新曲「PLANET OF VISIONS(EXPO2000)」。かなりダンスな感じでびっくりした。一瞬リズムがよれて本当に演奏してるんだなぁ、と。
最後に4人がステージ前まできて深々とお辞儀。90度の丁寧なお辞儀。




文句の付け所がない。*2数々の名曲を堪能してきました。ホントにセトリが良かった。
テクノゴッドは今もなお最先端を行ってる。音も映像も、そしてライブ体験も。
ラルフが元気なうちに見れて良かったです。



セトリは公式から転載

THE ROBOTS
METROPOLIS
NUMBERS
COMPUTER WORLD
HOME COMPUTER
COMPUTER LOVE
THE MAN MACHINE
SPACELAB
THE MODEL
NEON LIGHTS
AUTOBAHN
TOUR DE FRANCE 1983 + INTRO
TOUR DE FRANCE 2003
VITAMIN
RADIOACTIVITY
TRANS-EUROPE EXPRESS
AERODYNAMIK / TITANIUM
BOING BOOM TSCHAK
MUSIQUE NON STOP

  • encore -

POCKET CALCULATOR
DENTAKU
PLANET OF VISIONS

*1:ライブ/クラブでの手拍子ってあまり好きじゃないけどクラフトワークはしっくりきた。単純なクラブ体験とは違うなぁ。

*2:あ、阪神を応援するノリでThe Robotsを歌る隣のおじさんにはちょい困ったw