soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2013/09/21 ななのば(嶽本野ばら+北出菜奈) 、長谷川静男(長谷川裕倫+内田静男)、ASTRO、MASONNA @ 難波ベアーズ

MASONNA出演ということで即チケット予約!ノイズな4組が集ったイベントでした。


ななのばで嶽本さんファンのゴシックな女性客がいっぱいくると予想してたけど実際それっぽいお客さんは4〜5人くらい。普段のベアーズとそこまで変わらない客層。Masonna効果か外国人は多いっすな。

ななのば(嶽本野ばら北出菜奈)

嶽本野ばらさんはギター+α。北出菜奈さんはDJ。バックには「フランダースの犬」のアニメが音と非同期で映されてました。*1


黒いドレスで黙々とDJをする北出菜奈さんの佇まいが好きです。出してる音もなかなか面白いと思う。特にビートのセレクトセンス。
嶽本さんはギターだけじゃなく電気ドリルや拡声器やらを持ちだしてノイズ。


オリコン11までいった歌手と小説家がやってるユニットとは思えない音。
しかし、どうも向かいたい方向がわからないと言いますか「ノイズをやる」が目的になってて「ノイズで何をしたいか」まで踏み込めてないように思いました。
ノイズイベントに入ってきても浮かないレベルではあります。ただその道でずっと続けてきたノイズミュージシャンの域に到達するにはもう少し説得力が必要?


北出菜奈さんはペルソナ3のアニメで歌ってるの聴いてたのに……こんなところでノイズを発してる姿を見るなんて何が起こるかはからないもんだ。いまはオルタナ系バンドのボーカルももやってるみたいですね。


長谷川静男(長谷川裕倫+内田静男)

あぶらだこの長谷川裕倫さんと内田静男さんのユニット。静のノイズでした。
長谷川さんは帽子をかぶって大人の男なルックス。


長谷川裕倫さんはウクレレを小さい弓で弾いたり、爪弾きしたり。弦じゃなくてサドル付近を弓で弾く…というか削ってる時もありました。キコキコと奇妙な音がベアーズに響く。
ウクレレはスピーカー通ってるのかよくわかりませんでした。。サウンドホール付近を弾いてる音はスピーカー通さずにそのまま。フレットを押さえる手が擦れるとスゴい残響音がスピーカーから聴こえる。どうなってんだ?


内田静男さんはベースを弓でプレイ。
聴こえてくるのは巨大幽霊船がきしむような音。とびっきり重苦しい音。巨大な何かを連想させる音に「ウソだろ!?」と驚きました。でも大好きな音!
ときおり悲鳴のような音も聴こえてきました。どうなってんだ?


面白いことに二人とも足元、いわゆるエフェクター類はほとんど触ってる様子がなかったです。でも色んな音が出てた。最初から最後までどうやって音を出してるかわからなかったです。それがまた面白い。


ジャパノイズ系の轟音ノイズとは異なる音。でも”普通”とは違う音でした。心地よさと緊張感が同居してた。


ただ内田さんの着てる顔が大きくプリントされたTシャツが、弓を弾く度に諭吉折り曲げの法則で大きくなったり小さくなったりを繰り返してるのに気付いて集中力をそっちに取られた時もありましたw

ASTRO

二人組の卓上系ノイズユニット。


大量のエフェクタやらがテーブルの上に。さながら宇宙船のコクピットのようですごいビジュアルインパクト。
メンバーは長髪二人で兄弟みたいだったのも視覚的に印象的でした。


音の方は凶暴すぎないインキャパシタンツ?
クオリティは高いけどちょっと地味だったかなぁ、って気もしました。




Masonna

いつもどおり本人自らのセッティング。今回はマイクスタンドを固定するブロックが2つしかありませんでした。*2しばらくすると「ズギャン!」とものすごい音。思わず息を止めてしまいます。



一旦退いて登場。



「ワン!ツー!スリー!!フォー!!!」からの第一音……がなんと短い音しか出ずに不発。「おいおい、ブチ切れるんじゃないか?」ヒヤッとしたムードがフロアにも漂います。
すぐに気を取り戻して*3威嚇するように短い音を出していきます。大きく動きながら右のモニター・スピーカーに足を置いて客のすぐちかくで絶叫。ふいにマイクを捨てた……と思ったらスピーカー横にさりげなく用意してあったサブ・マイク(?)を手にとってまた絶叫*4


ジャンプしてエフェクタに足からダイブ!着地の時に足にかなりダメージあったように見えました。Masonnaの表情が若干の「あ、やべ」的な真顔になった気がします。身を削ってのライブなんだろうな。


床に落ちてたマイクを蹴りながらステージをウロウロ。音は相変わらず短い音が中心。いつになくピリピリしてる……その状態でフロアへ突っ込む!
いつもは空いてるところに飛び込むといった風ですが、今回は最前列のお客さんに掴みかかる勢い。いつになく対人の攻撃性が増してる!大暴れしてステージへ戻りノイズノイズ!


終わったか……?と思ったら再度フロアに突っ込む!ステージに戻ったらマイクスタンドをバットのようにして握りしめて……「え?これ振りかぶってくるよね?」と一瞬死を覚悟しました。客の当たらないギリギリのところ、モニタースピーカーをぶん殴るように振りかぶって終了。


ストップウォッチで測ったライブ時間は1分39秒。
そんな短時間とは思えない脱力感。縮こまってた身体の緊張感が取れてドッとやってくる疲れ。でも表情は笑顔。笑うしかない!


出だしが挫かれたことでで、逆にいつもと違うライブになって面白かった!
最高です!!






この日はノイズデーなライブでしたが、その中でもMasonnaのノイズの凶暴性は他の出演者とは大きく違いました。
Noise Maydayに出る人たちはまだどこかMasonnaに近いところがある。やっぱりMasonna主催のイベントなんだなって思いました。
そういう意味でも新鮮なMasonnaでした。


*1:無音で見ると恐怖も感じるOPの歩くシーンのおかしさ。それだけのために流してたんじゃないかなぁ、と予想してます。

*2:普段のベアーズなら3つ

*3:といってもこの”すぐ”はめっちゃ長く感じました。無音が一番怖い。

*4:もしかしたら落としたマイクを拾っただけかもしれません。Masonnaのライブを全部把握するのは不可能!