soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2013/09/11 Michael Rother presents the music of NEU! and Harmonia @ CONPASS

伝説のクラウトロックバンド・NEU!のギタリストであるミヒャエル・ローターのライブに行ってきました。最初期のKraftwerkで活動していたのも有名ですね。



サポート・ドラムには同じくクラウトロックの代表的バンド・La Dusseldorfのドラマー、ハンス・ランペも。なんと初来日!



会場はさすがに年齢層が高い。ロックが好きそうなおじさまがいっぱい。何人かが来てたNEU!ロゴのTシャツいいなー。






まもなくしてライブがスタートしました。ステージに上がった二人は60代だというのに若々しい佇まい。老いはほとんど感じませんでした。



音響派/アンビエントなギターもプレイする人なんでライブでもそういう側面の曲があるかなぁ、と思ってたらひたすらハンマービートでノリノリ。2時間みっちりハンマービートです!ハンス・ランペのエレドラから放たれるビートの気持ちいいのなんの。



テクノ/ダンスミュージックの盛り上げ方の定番といえば、「リズムだけ」になったり逆に「リズムを抜いたり」のいわゆる”ブレイク”です。
しかしこの人たちはひたすらビートを刻み続ける。見方によっては「簡単に盛り上がる手法」のブレイクを完全に廃したドイツ人的頑固さと職人気質。ブレイクが当たり前の我々の世代にとってこのストイックなビート感はカルチャーショックですらありました。
一定で刻まれるビートの合間に一瞬で決める短いフィルインがめちゃくちゃ気持ちいい!



そしてミヒャエル・ローターのギターの音がめっちゃくちゃ気持ちいい。虹色のぼやけた光源に包まれる感覚になる温かみのある音です。多幸感とともにトランスしちゃいます。


僕が敬愛する山本精一のギターの元はまさしくここだな、と。*1
大好きな山本精一ROVOBOREDOMSも元を辿ったらNEU!なのかも。山本さんのライブと似た感覚をなんども味わいました。
いまなら“山本精一はミヒャエル・ローター・チルドレン”とさえ言える!


楽曲自体も全然古さを感じさせない。むしろ新しい。NEU!の1stなんてほぼ40年なのになぁ。




ライブはNEU!の2ndの一曲目「Fuer Immer」でスタート。うわ!ハンマービートってこんなに気持ちいいのか。と感動しました。

典型的なNEU!サウンドの「ISI」、ゆったりとしたギターに和む 「Neuschnee」といったNEU!の曲を中心にHarmoniaからアシッドなテクノ感のある「Veterano」や多幸感あふれる「Deluxe」などもプレイ。


前の若い女性がNEU!の「Seeland」始まった瞬間に「キャーーーー」と歓声あげて喜んでて「渋っ!」と思いましたw


一番の盛り上がりはやはり「Hallogallo」。盛り上がり……といっても大騒ぎするのでなく、どんどんビートの世界に没頭していく感覚。ミヒャエルの「チャカチャカ♪チャカチャカ♪」ってカッティングが最高に気持よかったです。物凄いポジティブ。ギター、トラックだけじゃなくてリズムもポジティブ。




伝説をしっかり体験できました。ハンマービート大好きっ!
音色とリズムに酔える最高のライブだったし、大好きな音楽家のルーツに触れることもできた。心から行って良かったと思えるライブでした。


下の写真はミヒャエル・ローターが使用してたラップトップ。シンプルなNEU!のステッカーもこの人が貼ると重みがありすぎる。



*1:山本さんはインタビューなどで影響を受けたアーティストとしてちょくちょくNEU!の名前を挙げています