2014/03/30 PunkSpring 2014 Osaka(ROTTENGRAFFTY、SNUFF、SiM、The Fratellis、Dragon Ash、Me First the Gimme Gimmes、10FEET、The Hives、Bad Religion) @ 神戸ワールド記念ホール
今年もフェス一発目はパンクの祭典パンスプ!今年はトリがなんとBAD RELIGION!大好きなバンドだけど見たことがなかったのですごく楽しみにしてました。
他のバンドはパンク色が少ないのも多くて不安だったけども……。
当日は大阪は雨でしたが会場の神戸は雨はあがってました。屋内とはいえ物販やフードは外だから助かる!
開演45分前ぐらいに到着してグッズ販売へ。洋バンド・オフィシャルグッズともほとんど並ばずに買えました。オフィシャルの黒Tシャツは自分のサイズがラスト一枚で買えた!あぶなかった〜。
周りをみると邦バンドTの人が大半。洋楽目当てのほうがアウェーな気分になるのはなんとも……。
人多すぎと感じることはなかったけど、アリーナ後方のイスが出てなかったから去年より客入りは多かったのかな?
ROTTENGRAFFTY
一番手はfrom京都のロットン。
最初の「This World」のイントロでグッときました。最初の最初でこの曲をぶっこんでくるのはかっこいいなー。
ツインボーカルのパワーはやはりすごい。オーディエンスに合いの手を促す曲で否応なしに盛り上がります。
新譜一曲目の「STAY REAL」のダブステのノリとかもうまく乗りこなしてました。
「響く都」はの長いコール&レスポンスは相変わらずやってるのね。ひたすら疲れるのであんまり好きじゃないんだけどファンは好きなのかな?
最後はアガる要素しか詰まってない「金色グラフィティ」。やっぱ強烈です。
SNUFF
ドラムボーカルのイギリスのバンド。
いい感じにラフな空気が出てます。適当そうで締めるとこは締める。この空気は海外のバンドならではだよなぁ。
たまにハードコア、たまにレゲエ、たまに直球メロコア。色々な種類の曲調がって面白かったです。しゃがれたボーカルの声がまたいい。
SNUFFといえば日本の曲のカバーで有名ですが今回は一曲だけ。「アンパンマンのカバー」。終わったあとに「Yeah! BAI-KIN-MA!! 」とか言ってて笑いました。そっちかい!
ステージ脇ではMe First and the GIMME GIMMEのメンバーが超ノリノリだった。
SiM
アリーナではなく2F席から観てました。
切れ味のある音と動きがスゴい。完成されてる。MAHさんが女座りの形で倒れてそのまま足だけで立ち上がるのはぶったまげました。
でもバンドも客もお約束……というか「SiMといえばこれでしょ?」みたいなのができちゃって、当時の「こんなとんでもないことを引き起こすのかよ!」って驚きは薄れてたかなぁ。
The CLASHの「London Calling」のカバーからノンストップで「Blah Blah Blah」へと転がり込む展開はカッコよかったです。
MCでは自分たちがなんでパンスプに出るのかその理由を明確に言葉にしてました。「デカいステージに立ちたいわけでも、憧れのバンドと共演したいわけでもない。俺たち(=邦バンド)目当ての客が、オ俺が中学生に夢中になったBAD RELIGIONやNoFXとか夢中になったバンドを見て良さに気付いてくれたらいい。」
他の邦バンドも自分たちが日本のバンドでこのイベントには海外のバンドが出てることについて触れてました。そしてみんな「海外バンドより盛り上がろうぜ」と対抗心の方向だった気がします。それに違和感を感じました。
そんななかSiMのMCはその理由に100%同意するかは別として、これだけしっかりと言ってくれたら納得はできる。
The Fratellis
1stが大好きなバンドです。シンバル高めにセッティングされたドラムセットがかっこいい。
一曲目に「Jeannie Nitro」。どちらかといえば地味なこの曲がなぜ一曲目?ということでスタートはじゃっかんこけ気味。
2曲目に代表曲の「Flathead」。イントロが鳴った瞬間に一気に人が流入してきてモッシュが起こる。そういうノリかー。Fratellisはモッシュしながら見る気分じゃなかったので少し後ろのほうに戻りました。
「Henrietta」の”wah wah wah wah〜♪”や「Chelsea Dagger」の”tululu tululu♪”とか耳に馴染んだフレーズが聴こえてきて嬉しかったです。
ただどこか演奏に締まりがない……。アリーナという音が広がりやすい環境がそうさせたのかも。どうもパッとせずにあっさりと終わってしまいました。「Flathead」も想像してたよりは……。
楽しみにしてたんでこの結果は残念でした。
「Everybody knows you cried last night」聴きたかったなー。
Dragon Ash
「Show must go on」「Run to the sun」「The Live」「Still Goin' on」「百合の咲く場所で」「Fantasista」「Lily」
「Fantasista」終わりじゃなくて「Lily」で締めって以外はいつものDragon Ashでした。盛り上がったけど想像以上のモノはなく。つい最近にレコ発ツアー行ってるからなー。
ラテン色はほぼ無くなって”踊る”って雰囲気が無くなってるのは個人的にちょっと残念。あのFreedom〜Mixuture時代のラテンとミクスチャーがいい感じに混ざり合ってるノリが好きだったから。
ただ今回は”パンク”スプリングに合わせた可能性もありますね。
シリアスにカッコよく決めながら最後は「おおきに!」とお茶目な一言で終了しました。
Me First and the Gimme Gimmes
NoFXのファット・マイクやLagwagonのメンバーで結成されたカバーバンド。
有名曲のパンクカバー。NoFXと同じくダラダラしたノリ。でもカッコイイんですよね。テキトーにやるのも徹底的にテキトーにやればかっこよくなるというのがわかってる人たちです。
名曲のグッドメロディとツービートの組み合わせは気持ちいい!
あとトークが面白すぎました。
”ダマレ”、”ウルセー”と変な日本語ばかり覚えたらしく連呼してました。ギターがひらたすらなじられてたw喋れば”shut up!”.。果てには喋らなくても”ダマレ”
あと多すぎる自己紹介。曲毎に”We are Me first and the Gimme Gimme from Califolnia”と名乗って、カバーしかないのに”Next song is cover”といちいち紹介するのが笑える。飄々とボケをかまし続けるのは芸人の粋に達しています。
ディスコヒットの「I will Survive」を腰をクネラせながらパンキッシュに歌ってスタートし、ビーチ・ボーイズの「Sloop John B」や哀愁ただよう「Jolene」などの痛快なカバーをかましていく。
SPACE JAMのイメージが強いR.KELLYの「I Believe I Can Fly」のカバーでは前半を原曲のバラード調のまま綺麗な歌声で歌いあげてました。ボーカルとファット・マイクがステージの端に腰掛けて演奏してるシーンに思わず本気でウルっときてしまった。もちろん後半はツービートで爆走!
日本語曲は甲斐バンドの「Hero」にブルーハーツの「リンダリンダ」。後者の盛り上がりはさすがでしたね。
個人的に一番ツボったのは「Country Road」のカバー。他のどの曲よりもスピード感があってカッコよかった。左回りサークルも自然発生してました。
10FEET
2階からカレー食べながらゆったりと見る。客入りはこの日一番だったと思います。
ベースの動きがかっこいい!「その向こうへ」のサビに入る時やる美しいハイキックに惚れ惚れとしました。
上から見てると最近のサークル(≠左回り)ってやっぱ気持ち悪いなと正直思ってします。ちょっと作りすぎじゃないかと。その場にいるとテンション次第では楽しめるんですけどね。あとサビで左回り始めるのね。なんか違和感ありました。
演奏力あるし、Riverはいい曲だし。喋りたがりのTAKUYAがMC少なめで巻きにしたのも好印象。
ただ客のノリがだいぶ僕と遠ざかってきてるからなかなか100%のめり込むってのは難しくなってきたかも。
The Hives
2003〜2004あたりにヒットしたガレージバンド。
彼らのライブではおなじみの黒子……といより忍者の姿をしたスタッフがセッティングをします。
一部の熱狂的なHIVESファンから伝達して場内が熱いハイヴスコール。エエカンジに盛り上がってる。
スタートのSEがまさかの下手すぎるオーケストラ・The Portsmouth Sinfonia!!*1ズコッけそうになる感じはHIVESらしいですね。
5人が登場。貴族のような上品なスーツに身を包み紳士……だけどどこかキテレツな空気を醸し出してる。ギターのニコラウスは王子様みたいなルックスでえらくイケメンになってたけどカクカクとした独特の動きは相変わらず。ケツ向けて股の下から顔を覗かせてギター弾くとかエキセントリックな行動もしてました。
ガツンガツンとくるギターリフ。ペレのロッキンなシャウト。かっこ良すぎる!全然落ち着こうとしてない。まだまだロックンロール。
客もモッシュせずとも踊り狂ういい感じの盛り上がり方。みんな目をキラキラさせながら最高の笑顔でロックスター達を見ていました。
ペレは「Ladies?Gentleman?Ladies & Gentleman?」ととにかく煽りまくり。下まで降りてきたりファンに触れたりとサービスしまくり。運のいいことに自分の近くで柵から身を乗り出してきたのでボディタッチしまくりでした〜
セトリは全アルバムからまんべんなく。
"カモン!"の一言だけで盛り上げてく5thのリード曲「Come On!」で始まり、「Main Offender」「Die, All Right!」「Try It Again」「Hate to Say I Told You So」と印象的なギターリフが続きます。どのアルバムの曲がいい…じゃなくてどのアルバム曲”も”いい!「Take Back the Boys」のちょっと物悲しいメロもグッときた。
「Walk Idiot Walk」の破壊力はもうものすごい!曲中に何度か出てくるベース&ドラムにギターが入ってくる展開がとにかくカッコよくて……気持ち悪いくらいに踊り狂いました。
最後の「Tick Tick Boom」では"Tick Tick Tick BOOOOOM"の後にメンバー全員の動きが完全に停止。あれだけ激しいライブをしてきたのに息を切らす様子も見せずに蝋人形のように固まってました。表情もまったく変わらない。すごいな。メンバーが止まってるあいだに黒子がニコラウスのギターを別のモノに差し替えます。おもしろいなぁ!
再開とともにメンバー紹介。ドラムのソロのパワフルさはすごかったです。
パンスプになんでハイヴス?と思ったけど一番魅せたのはコイツラでした。
エンターテイメント性の高さ。小さいギミックなんかじゃなくて、とにかくロック的なオーラを放つことそのものがエンターテイメントへとつながっています。黒子がせわしなく動いてるのがまた楽しい。
そしてなにより楽曲、特にリフの良さとまったく落ち着く様子のない元気いっぱいの演奏が最高でした。
楽しすぎた〜。ロックンロールであると一緒にこれもパンクでロックですよね。そんなお高く止まってるバンドじゃない。
今年度のパンスプのベストアクト!!!
Bad religion
ロゴの入った巨大な垂れ幕が用意され、壮大なオープニングSEがかかる*2。あれ?なんかこの時点で泣きそうに……。
グレッグいつのまにか白髪になってて”おじさん”から”おじいさん”に近づいてました。
一曲目はTrue Northから「Fuck You」!生のグレッグの声だ!コーラスに合わせて一緒にシンガロングするのがめちゃくちゃ楽しい。2曲目はAgainst the Grainから「Modern Man」。うおー、名曲!
3曲目になぜか「New America」。人気のないアルバムからのまさかの新曲にびっくり(笑
そのあとも超初期のSufferからTrue Northまで彼らの歴史からまんべんなくプレイしてくれました。東京に比べてかなりセトリが良かったみたい。
パンクロックチューンはもちろんミドルテンポの曲がよかった。
特に前半に演奏された「Los Angelas is Burning」は目頭が熱くなりました。他人の目を気にせずに拳を握りしめて熱唱しました。
後半にきた「Sorrow」もめちゃくちゃいい曲だよなぁ。ミドルテンポ曲の重みがしっかり出てる。ギターソロもほとんど速弾きしてないのに印象的なんですよね。
「Suffer」「Do What you want」「You are (the goverment)」「I want to conquer the world」「Come Join us」と何度も聴いてきた音楽が目の前で演奏される様に感動しました。
しかしフロアではサークルは2〜3人しか回っておらずに不発。たまに自分も回ったけど……やっぱり人数少ないと盛り上がらないですね……。前のほうはガタイの良い外国人ががっつりモッシュしてました。
個人的にはもっと思いっきりサークルを走り回りたかったけどその分空いたスペースで全力で拳を振り上げてシンガロンできたから後悔はないです。
「21st Century (Digital Boy)」ではMFGGのファット・マイクが乱入。サビを一緒に歌っていきました。こりゃたまらん!グレッグと腹をぶつけあったりしてて意外とこの2人って仲がいいのかも?
ライブも終盤。ここでBad Religion史上でもっとも爆発力の高いProcess of Beliefの頭三曲「Super Sonic」 → 「Prove it」 → 「Can't Stop it」を。これは聴きたかった!激速チューンにようやくサークルも形になりました。全力で駆けてたら体力切れギリギリまで行って死ぬかと思った。でもこれぞパンク!
最後は「American Jesus」で終了。アンコールは無し。
いや〜、楽しかった!
youtubeのライブ映像とか見る限り、コーラスは下手なのかなと思ってたけどライブだとまったく気にならずでした。
ワッカーマンのドラムセットはパンクバンドにしてはシンバルが多くて(5枚?)テクニシャンであることを思わせます。彼のビートは気持ちよかった。
NOFXみたいアンニュイムードを出すでもなく、Offspringのようにエンターテイメント性が高いわけでも、Rancidのようにいぶし銀なパンクソウルが出ているでもない。とにかく真面目に音楽を演奏してるのがBad Religionらしかったです。
10FEETまで「まだ死んでもいいと思えるほど楽しいアクトがないぞ」とか思ったんですが、最後の二組、Te HivesとBad Religionで大満足でした。
洋楽好きがアウェーに感じる変なイベントでした。
邦楽バンドがどこか洋楽vs邦楽みたいな感じのMCをしてたのが気になったなぁ。
アリーナ席の荷物置きも酷い。サークルをすぐ作りたがるのも……自分たちがその世代だったときはどうだったかなぁ?
適度な人入り、移動しやすい会場。好きなイベントです。これぐらい大きな会場でパンクが見れるって滅多にないし。