soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2014/09/14 BLACK LODGE-Feast of Blood #1(RISE FROM THE DEAD、RADIOTS、Corrupted、BALZAC、SxOxB、S.h.i) @ 味園ユニバース

SxOxBを筆頭にRise from the dead、Corrupted、Radiots、Balzacと日本のアンダーグラウンド・ハードコアのベテラン/伝説的バンドが集結したイベント。こんなラインナップはそうそう見れるもんじゃありません。若干ビビりながらチケをゲットしました。


ビビってたけど行ってみたら普通の人もいっぱいいた……なんてことはなく。
ユニバース前には革ジャン(トゲ付き)、黒Tシャツ、モヒカン、スキンヘッド……普通に生活していたら目にすることはないであろう服装/髪型の人たちが大量に集まっていました。ココはどこの世紀末でしょうか。若い人より30代/40代の人が多いのがまた怖い……。
「僕は生きて帰られるのだろうか…?」と不安に思いながら入場。中に入っても事態は変わらず。一般人は0.5割もいない。いやーすごいところにきたもんだ。


と言っても別に喧嘩が起こってるようなこともなく。ハードコアな異世界は良い意味で緊張感を与えてくれました。


転換中もDJが大爆音で音楽をかけていました。ハードコア/パンクな音楽かけるのかなぁ、と思いきやダブステップ/インダストリアル系のデジタルサウンドが主。これがエゲつない迫力でかかってて死ぬほどカッコよかったです。JONNY FUCK FEVERというDJらしいです。名前もいい。


ライブは爆音。転換中も爆音。約 時間ものあいだ、ほぼ耳の休まることのない激烈なイベントでした……;

RISE FROM THE DEAD

観るのは3回目ですがアタマから観るのは初めて。


フレーズの連呼やダンスビートなど全体を通してダブやテクノの要素が想像以上に強かったです。
でも音作りやパフォーマンスなどはハードコアなワルい空気が出まくってる。ダンス・ミュージックとワルのバランスがとても面白いです。


新曲も披露していてヨシカワショウゴさんのベースフレーズがエグくてカッコよかったです。
ヨシカワショウゴさんはがっつりダブな曲で8分間同じフレーズを弾き続けるなどグルーブを根本から作ってました。


最後にモッシュを誘発するハードコアな曲をぶちかまして終了。ワルいダブでした。かっこええー。


RADIOTS

ボーカルは元SOBUTのYOSHIYAさん。さらにギターはThe Cherry Coke$、ベースは元FULL SCRATCHというスゴいメンツのバンド。


音的にはSOBUTが一番近いかな?ちょいメロコア要素が薄まってロック/ブリティッシュ・パンクなところが強まってる。
湿っぽさのないカラッとしたパンクロックは邦楽より洋楽を聴いてるような感覚があります。勢いがあるのにメロディがとてもキャッチーでポジティブなパワーにあふれてます。笑顔でガチモッシュできる音楽。こういうの大好きです。


YOSHIYAさんのオーラがスゴい!
ツンツンの頭に革ジャンでめっちゃパンクス。でも攻撃的なだけじゃなくて表情……というか目がすごく生き生きしてる。あんな目で力強く拳を握りしめて歌われたら”アニキ、一生ついていきます!”ってなもんです。身長も190あるとかでそれがまたステージ映えする。ずっと憧れてたパンクボーカルが見れて感無量でありました!


おとなしい曲なんか一切やらずにひたすら熱いパンクロックの連打。フロアもすっかりヒートアップして激しいモッシュピットが形成されてました。
PVを見て気に入ってた「Unite Resistance」とかもやってくれてめっちゃカッコよかったです。



Corrupted

生きながらもはや伝説化してる超スロー激ヘビィーなバンドCorrupted。初見です。
ボーカルはTAIKIというインダストリアル系のDJをしてる人だったらしいです。


リフを弾いてはいるんだけどとにかくスローでほとんどドローン/ノイズ化してる。肩にずっしりとおぶさってくるみたいな重いリフが大音量でズルズルと繰り返される。
たしかに凄みはあるんですが……重すぎて終わった後にどっぷり疲れたEARTHなどに比べるとどうもクルものが少なかったかも。ノイズ系のライブに慣れてるってのもあるのかな?


BALZAC

ホラー映画を取り入れたMisfitsファッションセンスにウォーオーなコーラスでかっ飛ばすBalzac。昔大好きだったバンドです。


HIROSUKEさんの前に垂れまくった長髪、AKIOさんのハット。まったくスタイルが変わることのない出で立ちで登場。
ライブだとHIROSUKEさんの声が弱いイメージがあったけど、生でみるとまったくそんなことはなく。シンガロングせずにはいられないコーラスに支えられながら迫力のあるボーカルを聴かせてくれました。AKIOさんの熱血な表情で繰り出されるコーラスもたまらない。


「D.A.R.K」とか脳に刷り込まれてる昔の曲もけっこうやってくれて、気づいたらコーラスに合わせて拳を振り上げてました。終盤に「Day The Earth Caught Fire」がきたときはめっちゃアガった!名曲っすなー。


ラスト2曲ぐらいでYOSHIYAさんがゲスト参加して盛り上がりました。出てきて最初の笑顔がもうステキだった……。
衰えをまったく感じさせない勢いのあるライブでとても20年選手のバンドとは思えませんでした。正直いまだにここまで強烈なライブをするとは思ってませんでした。まだまだ現役!
YOSHIYAさんといい、BALZACといい高校生の頃に夢中になった人たちを生で体験できて……本当に素晴らしいブッキング〜。



SxOxB

この日の目玉でしょう。もはや伝説のバンド・SxOxB。初見です。


皆さん警戒してガチな人以外は後ろめに待機。
ゆえに前のほうは広めのスペースが出来てたんですが……そんなスペースもフルで暴れまわる客の熱狂っぷり!左右からステージの上から次々と人が飛んできて見てて爽快でしたー。”乗る”んじゃなくて”飛ぶ”ダイブ。あれだけ勢いのあるダイブは久しぶりに見た気がするなぁ。特にバク転しながらステージダイブかましてる人がすごかった。


そんなフロアの暴れっぷり以上にアグレッシブさを見せるバンドの演奏は速い!鋭い!!これぞハードコア!!!
ボーカルは誰なのはわからなかったんですが千鳥の大吾に似た鋭いフォルムの坊主の人。鋭さは大吾の50倍はあるけども。いかに切れ味の良さそうなルックスのまま叫びまくっててめちゃくちゃカッコよかった!ジャンプの仕方とかアクションひとつひとつがハードコアでカッコよさが凝縮されてました。


ボーカルもギターもベースもドラムもとにかくアドレナリンをグツグツと沸かせる凶暴さ。まるで野獣のよう。ドラムのYASUEさんはそこそこなもうそこそこな歳だろうに正確無比なブラストビートを叩いてる。うーん、ヤバい。
グラインドコアってBPMのわりに体感速度はそこまで速くなかったりするんだけど、SxOxBはハードコア要素が強いからとにかくスピード感がある。そこが良い!!
あとこれだけ凶悪な音なのにドロドロした暗い空気は不思議となくて、むしろカラッとしたポジティブささえ感じました。


最初は後ろのほうで見ていたんですが、音に当てられてジワジワと前へ。気づいたらモッシュピットの境まで行ってました。


懐メロでも、過去の伝説でもなく、現時点で最凶のハードコアでした。SxOxBヤバすぎ!!!!!!


S.h.i

本イベント主催のバンド。
元ゾウオのメンバーをリーダーにどろろ、OUTO、RFDなどのメンバーが集まっているらしいです。


(たしか)トリプルギターにツインドラム、エレクトロニクスふたり……と総勢9人くらいだったかな?
音はツービートのハードコア・パンクとかではなく、打ち込みのリズムに大人数を活かした音の壁なリフといった感じ。BPMはそれほど速くない。今回のブッキングからすると完全に予想外の音だったんで驚きました。


これだけのメンツが集まった一日なのに、MCでもイベントに触れることはほとんどせずマイペースの……むしろ軽くリラックスしたぐらいのノリなのも予想外。ちょっと呆気にとられてポカーンと見てたかも。





ユニバースというアバンギャルドな場所で、ハードコアなお客さんに囲まれて、強烈極まりないライブを見る。
360度に鋭利なモノがあるかのような緊張感。親が見たら100%と心配する空間。すごい体験でした。このレベルのワルでロックでハードコアな非日常は二度と体験できないかもしれません。