soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2014/10/15 エマーソン北村、Yossy Little Noise Weaver、TUCKER @ 梅田クアトロ


じゃがたらキセルエゴラッピン忌野清志郎、そしてMute Beatと日本のロック、スカ、ダブに大きく関わってきたキーボード奏者・エマーソン北村さん。10年ぶりのソロ作のレコ初です。
TUCKERさんのライブパフォーマンスもずっと気になってたので楽しみにしてました。


今回はカレー屋のボタがフードで参加。クアトロでフードありは珍しいです。階段上の客席の一番上のところで出店してました。おいしいわー。


客入りは50人にくらい、とハコのキャパからしたらちょっと寂しい感じでしたがゆったりできてライブの雰囲気に合ってました。

TUCKER

初見。
エレクトーン奏者と名乗っていることが多いですがドラム、ベース、ギター、スクラッチ、キーボード、テルミン、一斗缶、おもちゃ……などあらゆる楽器(?)をその場でサンプリングしていくパフォーマンスが有名な人。


僕としてもそれを見れるのを楽しみにしてました。
もちろんサンプリングをどんどん重ねていくのは楽しかった!16小節くらいの長めのリズムを叩いてて「途中でミスったのから撮り直したのかな?」と思ってたら、しっかり16小節に合わせたフレーズを継ぎ足してったりする。テルミンを殴るように演奏したり、一斗缶を髭でジョリジョリしてリズムにしたり、どこかコミカルな面白みもありました。


しかし、今回驚いたのはエレクトーン奏者としての卓越したプレイっぷり。めっちゃ良いメロディセンスを持ってます。TUCKERさんといえばパンキッシュなイメージがありましたが、メロウなエレクトーンを弾かせたらコレ以上なくオサレな空間を作ってくれる。梅田クアトロがBillboard Osakaばりにオサレな空間になってました。


途中でエマーソン北村さんとデュオセッション。レゲェ系統の曲。エマーソン北村さんの動きそのものがナチュラルにダブ/レゲェってな感じで「これがホンモノか〜」と鳥肌モノでした。


次にYossy Little Noise Weaverの全メンバーと呼んで早くも全員がステージの上に立ちました。今回は何度も全員セッションの時間が設けられてるとのこと。
ここではTUCKERさんの曲「Yellow Rice Flower」を全員でカバー。コレが素晴らしい演奏でスタイリッシュなSAKEROCKとでも言いましょうか。幸福感がドパッっと放出されてたまらなかったです。サビ*1の旋律が幸せすぎて泣きそうになりました。ホントいいメロディセンス持ってる人だなぁ。
個人的にはここの全員セッションが一番良かった。


Yossy Little Noise Weaver

Yossy Little Noise Weaverのメンバーだけ残って彼ら/彼女らのライブがスタート。
ピアノ/ボーカル=Yossyさんに、ブラス3人+ドラムの5人。


スカ/レゲェを経由しながらの超ソフトタッチな演奏。壊れものみたいに優しい音楽でした。心地よかった〜。
特にドラム・菅沼雄太さんの繊細なタッチは見ものでした。なぞるような微かな音なのにしっかりとリズムは刻んでる。


全員セッションは明るめの曲。
Yossyさん、エマーソン北村さん、TUCKERさんの3人が一台のピアノに並んで座って同時に演奏するというステキ・パフォーマンスあり。ソロを回しながら他の2人が伴奏という感じでローテーションしていくのですが、他の人がソロ弾いてる時も手を伸ばしたりしてるのが微笑ましい。テクニシャンたちのじゃれあい。ホントこのライブ見に来てよかったです。





ここで20分ほどのカレー休憩タイム。EVISBEATSさんのスカなDJをBGMにゆったりと過ごしました。

エマーソン北村

この日のメイン。エマーソン北村さん!


ものすごいヴィンテージっぽいシンセサイザー(ケーブルがいっぱい出てるヤツ)をいじって、ミニマルトランス風の「時の話」で幕開け。カッコよかったです。


そこからは素晴らしいキーボード演奏。
良い意味で力の抜けてる、けどすごいコトやりまくってる。がっつりグルーブ効いてるんだけど、それをまったく強制してこない。とてもやさしい演奏でした。


曲は新譜オンリー。「橋からの眺め」「知らない家」「王冠」「トロント・ロック」「下北六月」「10時の手帖」と大量の曲をやってくれました。
一番好きだったのは2つのグルーヴを行き来する「Two Friends」。セトリの中でも特にノリの良い曲でがっつり下半身が動きました。ノリが裏になる瞬間が気持ちよすぎる!


合体セッションは少しアンビエントな感じもするおとなしめの「ニワ」、Skatalitesのカバー、そしてアルバムでも随一に印象的なフレーズがある「新しい約束」。文句なしに楽しい演奏で最高でした!


鳴り止まない拍手におそらく予定のなかったアンコール。 ピョッコピョッコとかわいらしいリズムの「両大師橋の犬」で穏やかに終了しました。




いやー、すばらしいイベントでした。
各人の演奏…特にエマーソン北村さんのこのうえなく良かったし、全員セッションが何度もあるっていう進行も良かった。


客は少なかったけど、この素晴らしい演奏を聴けた少数人に入れたことを心から嬉しく思います!

*1:下の動画で大正琴で演奏してる部分