soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2014/10/23 Koji Nakamura[ナカコー] @ 梅田クアトロ

中村弘二 こと ナカコー こと Koji Nakamuraのワンマン。


今年の5月に同名義のライブを見たときにスーパーカー曲ラッシュで度肝を抜かされて”ワンマンも見たい!”と思いました。さらに今回はいままでのプロジェクトを総括して約30曲のセトリを準備中とのことで期待大!
……なんですが予想より客入りは少なかったです;
キャパの5割くらい?スーパーカーの曲やる、って謳われててもこれぐらいってのは世代としてはちょっとショックでした。


スタート時間前だからとロッカーでゆっくり準備してたら、オープニングアクトNyantoraが始まってました。オープニングアクトってスタート前にやるってことなのねー。急いでステージ前へ!

Nyantora

ナカコーのアンビエント色の強いソロ・プロジェクト。滅多にライブはやらないそうです。
静かで美しいシンセにほんのり聴こえるダンスビート。インテリな打ち込みミュージック。
ノリノリになるでもなく寝るように浸るでもなく、うっすらと身体を揺すりながら聴くと気持ちいい。


ごく普通の鳥の鳴き声をフィールドレコーディングしたものをチョップして音楽に作り上げた曲とかもあってすごいなーと思いました。


シリアスなムードのままライブは終了。終わり際に手を口に当てて「終わりでーす」と小声で告げてたのに笑いが起こってました。


Koji Nakamura

メンバーは前回と同じくギター:田渕ひさ子bloodthirsty butchers,toddle,LAMA)、ベース:345(凛として時雨)、ドラム:沼澤尚(THEATRE BROOK)の布陣。


各者に寄り添う形で大きなモニターが設置されて曲によってVJ映像が流れたり、演奏者の手元/足元が映ったりしてました。カッコイイ演出!


最新のソロ作にとらわれない、いままでのナカコーのキャリアを総括した内容でした。
いくつかのゾーンに分かれてて:ツカミ → 新譜のロックゾーン → 中学生の夏休みゾーン → エウレカゾーン → 新譜のダンスゾーン → スパカゾーン。


ツカミはソロ作の「Blood Music」ではじまり、初期スーパーカーの「Dive」でハッとさせ、「White Surf Style No.5」で完全にハートを捉えちゃう流れ。僕も大興奮で完全にノックアウトされました。「White Surf〜」のイントロの高揚感はライブだとCDと段違い。紛れも無く名曲です。


LAMA、ILLから数曲。
スモーク焚かれすぎて「すげー」とボソリと良いながらひたすら手をパタパタしてるナカコー、ひさ子さん、345。カカッって笑いながらそれを見てる沼澤さん。良い雰囲気の4人です(笑 


新譜のロックな勢いのある曲を続けて何曲か。スパカ曲となんら見劣りがしない良い曲ばかり。特に「B.O.Y」の”アナタのB.O.Y B.O.Yになりたい”ってフレーズは頭に残ります。


”ここから若さのある曲を”ってことで『OHYeah!!』『OHKeah!!』から数曲畳み掛ける。ここらへんの曲をいっぱいやるのは意外でした。青春っぷりがすごい〜。ナカコーいわく”中学生の夏休みの時間”らしいです。


次はエウレカゾーンということでエウレカのサントラからインストを数曲。普通のバンドサウンド、A→B→サビとは違う展開を生演奏で聴くのは新鮮。迫力があってなかなかおもしろかったです。
そのままエウレカ繋がりでBGMに歌詞を加えたLAMAの「Know Your Rights」、そして挿入歌になったスーパーカーの「STORYWRITER」でフロアはこの日一番の大歓声。


次は新譜からオサレなモードのニカ/テクノ系曲。「Diamond」のひさ子さんのカッティングギターはほんとクール。「Reaction Curve」のスケールの大きさもしっかり再現してました。違うビートが重なるトコが気持ちいい。


最後はスーパーカーの代表曲ラッシュ。
前回のラストにやった「Sunday People」、「Aohoaru Youth」「Golden Master Key」。これで終わりかな?と思ったら”反アンコール”ということで引っ込む前に最後の最後の曲。”なにがくるかなー”と思ったらなんと「PLAYSTAR VISTA」!多くの人がFuturamaの一曲目としてこの曲にノックアウトされたであろうアノ曲!イントロのビートから”WARP!”からサビの轟音ギターまで鳥肌立ちまくりでした。この曲が2014年にライブで聴けるなんて!




初期〜後期スーパーカー、Lama、ILL、エウレカ・サントラ、そしてソロ作……ナカコーの全時代を体験できたライブでした。20年の過去から現在までの音楽がこの一夜で駆け巡るような、ある種のドラマも感じるライブでした。
それでもまだまだ聴きたい曲はある。ナカコーのやってきたことの凄さを改めて実感です。
スーパーカーの曲は封印を解いたけども、基本的にナカコーがボーカルの曲しかやってません。フルカワミキのパートを345に歌うこともできるだろうけどそもそもマイクすら置いてない。ナカコーのなかでそこは考えるコトがあるんでしょう。


ひさ子さんのギターがカッコよかった!CDまんまのナカコーの声がたまらなかった!良いライブでした〜。
ただフロアはもうちょっと盛り上がって欲しかったなぁ、ってのはありました。往年の名曲が鳴ってるのに反応が案外大人しかった印象。


とりあえずナカコーのひとまずの集大成であるこの日に立ち会えたことに感謝。当然ながらまだまだ活動は続けていくみたいなんで……名曲はまだまだある!楽しみですー。



↓ナカコーがRTしてたファン作成のセトリ。お借りします。全28曲!