soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2016/04/10 Fernando Kabusacki、山本精一、勝井祐二、Haco、森本アリ @ 旧グッゲンハイム邸

毎年恒例のカブサッキジャパン・ツアー。今年は旧グ邸のライブに行ってきました。


スタート時間になっても出演者が優雅にコーヒーを選んでる。当然あの人です。




カブサッキと各々のデュオの第1部
トリオ演奏の2部
全員でのアンコールという構成。
個人的には美しい静の世界が広がってたデュオが良かった。やっぱカブサッキのギターは驚きと心地よさに溢れてる~。


第1部(デュオ)

第1部はノンストップで共演者が変わっていく。
まず勝井さん→山本さんでこれぞ音響派!なセッション。聖なる森(LUCKのジャケ的な)が視界に広がっていく演奏。早くも感動。意識が別世界に飛ばされそうになりました。


勝井さん、山本さんの作った美しい光景のあとに、森本アリさんがゲームボーイ3台(チップチューン)で突入するというとんでもない行為が面白かった(笑)
10秒で合わせてくるカブサッキもさすが。
Hacoさんの消え入りそうな繊細な声とデュオして一部終了。よかったな~。


第2部(トリオ)

2部はまずカブサッキと山本さん+森本アリさん。
森本さんがグワ~って鳴るアヒル口のおもちゃや鳥の笛を鳴らしてて"遊んでるな~"と見てたらそれらをサンプリングしてリズミカルに鳴らしはじめてびっくり。面白い!
”どうくる?”って緊張感は面白かったけど全体的にグシャグシャっとしたセッションだったかな?


そういやトリッキーなチップチューンのリズムにカブサッキが困り顔になって、珍しく自分から切り崩してテーマを放り込んでくシーンがありました。その切り替え方が見事。ガラッと変えてもトータルで見ると前半も意味合ったな、と納得させる演奏に落としこむのがスゴかった。




2組目はカブサッキと勝井さん+Hacoさん。
前組とはうって変わって迷いのない完成度の高いセッション。温かいアンビエントがリズミカルに、そしてエモく展開していくのが見事ですた。
カブサッキがエモバンドみたいなポップなコードを弾いて「おぉ!」ってなったり、カブサッキの提示したリズムに勝井さんが乗っかってRovoみたいなヴァイオリンが飛び出したり(カブサッキとのセッションでああいうフレーズが聴けるとは!)。
聴きドコロいっぱいでした。あとやっぱ勝井さんカッコええなぁ(見た目的に


アンコール(全員)

トリオが終わると全員でアンコール。
山本さんが変なスイッチ入ってたみたいで演奏前に「私は意思表示をします」と謎の宣言。
カブサッキが大人しいフレーズで始めたのに大音量の狂ったギターを鳴らす山本さん。森本さんもそこに乗っかって大きい音を。Hacoさんも高揚感のある叫び。勝井さんは一歩後ろに引いて様子見。


カブサッキも乗って凶悪な音に切り替えたら静かに戻る山本さん。
”……じゃあ!”とカブサッキも大人しくなったら山本さんがまたデカい音……と意地悪(?)な展開;
カブサッキも仕返しとばかりに大人しいトコロにデカイ音を放り込んだりと天才ふたりのたわむれが止まらない(笑)


結局まとまることなく終了。
クライマックスはみんながアンプをオフにして、生音でジャカジャカと音を鳴らす謎の展開に。
最後はカブサッキがとぼけたようにジャカジャカジャーン♪ってやって終了。
全体的にカブサッキが(楽しそうな)困り顔をしてる全員セッションでした。見てる側も頭にハテナマークでいっぱい(笑)
こういう謎なのこと即興の面白いトコよなー。




カブサッキのルーパーを駆使したギタープレイは何度見ても魔法みたいです。
ベース、伴奏、メイン……必要な部分を瞬時に作り上げていくのがスゴい。たまに持ってくる妖精みたいな可愛らしいフレーズが好きです。
あと今回のギターによる形態模写は鳥の鳴き声でした。誰かのサンプリングかと思ったらギターだった!あんな音もでるのねー。


あと今日は勝井さんのルーパーのキュインキュインって鳴るヤツがすごく効果的に働いてた。
振動する音が電子みたいで生命、ないし万物の素が音になってるみたい、となんか感動した。そこにカブサッキの温かい音。最高の組み合わせです。


今年もカブサッキ見れてよかったー。来年も来てくれると信じて……楽しみにしてる!



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