soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2017/05/07 Selvhente、Mria Moles&Adam Halliwell、長谷川夕記、西 滝太、EXPE @ 難波ベアーズ

f:id:soundwing:20170507180846j:plain




ベアーズが屋台に!テーブルが登場してここまでしっかりしたフードが置かれてる形態のベアーズははじめて見たかも!
面白いお酒が10本ほど。どれもおいしい!おつまみも一杯。小松菜、おにぎり、レバー、柿ピー、焼いたつけもの。どれも美味しかったです。


お客さんも多すぎず少なすぎずでちょうどいい。みんな好きなように飲んで食べて和やかな雰囲気
ステージにはすでに楽器がスタンバイ。大量の(普通じゃない)機材にワクワクしてくる~。

Maria Moles&Adam Halliwell

オーストラリアのドラムとギター/シンセのデュオ。フリージャズ、静のノイズなアプローチ。
両者とも20cm以上のストロークはしてないんじゃなかろうか、ってな小さな音。ダイナミックな展開はないけどもジワリジワリと音の世界に入っていく感覚がありました。


ギターのAdamはドローンシンセも鳴らしている。そこに細かいギターも加える。ギターはフリージャズ的にランダムに鳴らしているようにも見える。でもよく聴くとブルージーオルタナロック的な哀愁がちょこちょこ現れたりする。無感情なのではなくDinasour Jr的な趣きがありました。


Mariaのドラムはとにかく細かい。音量は上がらない。でも音数を増やして確実にクレッシェンドに盛り上がっていく。


この二人の組み合わせは最高でした。素晴らしい音に感動して体内がデトックスされた気分になった。
ロック/テクノ的なアプローチが多い日本のノイズとは大きく異なる。こういう新鮮な音に会えるから世界の音に触れるのは好きです。


西 滝太 × EXPE

西/EXPE=PARAのふたりの演奏。エレキギター&アコギとキーボード。これまた素晴らしかったです。
EXPEさんがループのベースを作って、西さんが音を盛り付けていく感じ。山本精一展の時も思ったけど西さんの”添えていく”センスはほんとスゴい!PARAでは体験できない部分。


後半はEXPEさんのソロアルバム・『EMERALDA』のフレーズがメドレーのように登場。EXPEさん即興でコレやる傾向あるよな。
そこに乗せてくる西さんの演奏がほんと素晴らしかった!まったく違う確度から音を足して馴染みあるフレーズが別の曲のように聴こえました。
曲のベースが鳴っているのに、そこに即興で音を足して”顔”になっているような。西さん恐ろしい人……。


宇宙的プログレクラウトロックのような即興。澄んだ音で気持ちが高揚する素晴らしいセッションでした。
山本精一×内橋和久デュオのライブに匹敵する素晴らしさでした。

長谷川夕記

女性ソロ。シンセ女子がひとりで卓に乗せた大量の機材を操作する姿は良いですな。そしてこれまた素晴らしいライブ。


エクスペリメンタル、アンビエント、ノイズに加えてテクノ的なアプローチあり。ビートが効いてて踊れる場面も。


とにかく音が洗練されてる。心地よい!ってなる音。テクノ的にクレッシェンドに盛り上がって、最後はキラキラ幸福なドローンになって締めました。来日出演者勢もみんな聴き入ってました。


Adam Halliwell&Maria Moles + Pulseman + 西 滝太 + EXPE

まず最初のデュオにシンセベースのPulsemanが加わるセッション。
長谷川夕記さんのアプローチを引き継ぐように、Pulsemanがテクノ的なベースを響かせる。そこに最初のセッションと違うテクノ的なアプローチでAdamとMariaが音を加える。
モーリッツ・フォン・オズワルドみたいなまた違った音ですごい!一定のベースとドラムのダブ・テクノなリズムに精神がズブズブとハマっていきました。


途中でEXPEさんと西さんが参加。3人のときと同じダブ・テクノ的なアプローチを継続。音が厚みを持ち、それはもう素晴らしいことに。
それはそれは最高のセッションでありました。


Selvhenter

一度すべての楽器が片付けられて最後のバンドのセッティングへ。デンマークからきた女性5人のバンド。
ツインドラムにエフェクタをかませたトロンボーン、サックス、ヴァイオリンと変則的な構成。
すんごいセッションのあとで大丈夫か?と思ったら、これまたまた素晴らしいライブだった!


トライバルなツインドラムに他楽器がノイズのように音を重ねていく。かなりフリーキー/アヴァンギャルドな演奏だけどリズムがドコドコ鳴ってて非常に人懐っこい音。


楽しそうに笑顔でドラムを叩く女性がいい感じ。
あと、あんなトロンボーン伸ばしつづけて演奏する人をはじめて見ました(笑)


熱狂的に盛り上がっていく原始的なアヴァンギャルド・ミュージック。トーキング・ヘッドのプリミティブな部分のみを抽出して拡張したような感覚。



屋台は美味しいし、全出演者、全セッションがよかった。すんごい一日でした。ベアーズはやっぱ面白いなー。


f:id:soundwing:20180606234125j:plain