soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2017/09/03 港町ポリフォニー2017 (ショピン、三田村管打団、スカート、 Ports of Notes、Hei Tanaka、ニ×三[二階堂和美×三田村管打団]、トクマルシューゴ)

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港町ポリフォニーはずっっっと前から興味あったんですがいつもOTODAMAと被っていけませんでした。
今年は都合の良い日程だったので念願の初ポリフォニ~。
チケットが便箋で送られてきたりとハンドメイドな感じが伝わってきて期待が高まる!


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今回から場所が御影公会堂に変わったそうです。歴史のある市民会館のような場所。フェスのイメージとはちょい違う場所で新鮮でした。
ステージは体育館みたい。2Fに立派な椅子があってゆっくり見れた。人もギュウギュウではなくユルい感じ。


フードは会館のひと部屋で展開。
想像してたより店数は少なかったけど、凝ったカレー、お弁当など他のフェスでは見ないフードばかりで面白かった。味も確かだった!
ただちょいスペースがせせこましかったかな?
茶道室でお菓子売ってたり、切り絵のワークショップなどもありました。


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ショピン

一番手はショピン
観客巻き込み型のおだやかソング。いきなりラジオ体操からスタート。


客に振り付けやコーラスをお願いしたり、喋り方が体操のお姉さんみたいなのにちょこちょこ天然かましたりでなんか面白い。歌声とアコースティック基準の音色は優しいの一言。


ベースは田中馨さん。本日の出番一回目。ウッドベースでクールに優しい音色を聴かせてくれました。基本は指弾きだったかな?


三田村管打団

大人数の管楽器+α集団。サンバの要素入ったお祭り騒ぎな曲が多い。
客席を練り歩いてスタート。ステージに上がっても超自由。演者の子供(?)もメンバーで楽器で音を出したり(≠演奏)駆け回ったり。ステージ上ではピシッとするもの、という固定概念を壊しちゃうライブでした。


ただ身内ネタをしつこいぐらい繰り返してて置いてけぼり感くらったりも;
楽しげな音楽に身体が動くこともあるけど2階から見てると非当事者的な目線で見てたトコもあったかもしれません。音より演者が自由に動いてるトコを楽しんでました。


屋内より野外フェスとか人が散らばっててスペースがある場所のほうが映えそうな気はしました。
でも2階からその全貌を見ることが出来たのはレアな体験かも。


スカート

なにげにしっかり見るのは初。
メジャーデビュー直前、これからグイグイくるであろう直前のタイミングで見れました。
セッティングの時点から澤部さんが大量の汗をかいてた;


普段のバンド+元・森は生きているのキーボードの特別編成。キーボードの人がえらくノリノリで弾いてるなぁ、と思ったら紹介されて納得。相変わらずの暴れた弾きっぷりでなんか嬉しかった。


メロディが死ぬほど良いとか演奏/アレンジに特徴がある……とかではないんだけど(澤部さんの体型は超特徴的だけど;)どこか懐かしい感じのするメロディに琴線がククっと刺激します。
良い意味でどこかで聴いたことあるような旋律が多いんよな。スピッツ的というか。
澤部さんの声は優しくて深みのある良い声。ギターも何気に上手い。


Port of Notes

ちょうど一ヶ月前に円山音楽堂でも見ております。


歌とギターのみのしっとりした歌モノ……なのになぜかエレクトロニカを感じさせる静の世界。
目を閉じながら聴くと気持ちいい。身体を眠らせながらも意識の端を音楽に触れさせる感覚で聴いておりました。


Hei Tanaka

本日の目当て。Hei Tanaka aka 田中馨さんのプロジェクト。田中さんは今回2つめの出番。


もう田中さん大暴走!
裸足でステージを走り回ってる。ベースを弾いてるのか踊ってるのか…もはやわからんレベルで動き回る。ただ弾いてるフレーズはZAZENBOYSもびっくりなマスロックと化した激テクばかり。すご!


最初はドラムがMPCを使ってヒップホップビートを叩いてスタート。祝詞のようなボーカルに不協和音のような演奏が重なっていく。ドタバタしたヒップホップに頭がぐちゃぐちゃに。
生ドラムに変わってからはさらに混沌が加速。
ファンク、マスロック、アフリカン、ロック、パンク……ぜんぶかき混ぜたホントの意味でのミクスチャー。


調、リズム、テンション、構成…あらゆる要素が突き抜けすぎ。
”普通”というモノが円球の形をしているなら、逸脱要素が突き出しすぎてトゲトゲボールになってる。それが洗濯機でかき回されてる。かき回すパルセーターはまぎれもなく田中馨さん。


本来は統率を取らないといけないリーダーが自ら音で/動きでかき回す。
高速回転が速くて綺麗な模様になる……のでなくかき回されてるカオスな状態そのものを見てて楽しくなる。
感覚回転速度の遅い古い洗濯機なんですな。そのごちゃっとした良さが麻薬/催眠のように効いてきました。


で反則なのがコレだけかき回しておいてめっちゃポップな部分もあるコト。フレーズが一瞬ポップだったり、歌がめっちゃグッドメロディだったり。
もうどのテンションで聴けばいいかわからなくなる。でもとにかく最高に楽しくて面白いのです。笑いながら”最高!”ってなる。


脳どころか身体全体をぐちゃぐちゃにかき混ぜられた最後に、あだち麗三郎の「富士山」カバーの思いっきりポップなメロディ。こりゃ泣かされる。ポップは普遍的で音楽的なシアワセやなぁ。


見るたびにメンバーもやってることも違うHei Tanaka。今回はすごく良い演奏でありました。見れてよかった~。


ニ×三

二階堂和美と三田村管打団の組み合わせでニ×三。


二階堂さんは赤いド派手なドレスで登場。ぶっとんだハイテンションよりしっかり歌う場面が多かったかな?
楽しげに歌う「あなたと歩くの」のメロディがしばらく頭から離れませんでした。ララララ~ララララ~♪ 


三田村管打団とニカさんの自由な人柄が合わさって”その場で決めてるんかい?”的なライブ進行。
途中でニカさんが客席に降りてひとりひとりと握手していく様はベテラン歌手のディナーショーのようでした。なんだか自然と様になるその光景に笑ってしまう;


トクマルシューゴ

トリはトクマルさん。


田中馨さんがベースなので出番3回目。hei tanakのときのテンションはどこにいったやら静かに、そして確かにベースを弾いてはりました。
トクマルさんに”hei tanakaのアレはみんな理解出来てるの?俺は出来てない” ってツッコまれてた(笑)


約1ヶ月前のフジロックで見たのが明和電機も参加しての名演だったので今回は見劣りしてしまうかな?……と思いきや、やっぱ良かった!hei tanakaの興奮すらもかっさらっていきそうな素晴らしいライブでした。


フジロックには明和電機があったけどこっちにはグランドピアノがある!
ということでトクマルさんのピアノ弾き語りが大半を占める「Route」を披露。前半の静けさに心を奪われ、各楽器が入ってきたときにジュッと温かみが溢れてくる瞬間が大好きです。


ぶっとんだMCで笑わし、ステージでは色んな楽器がふわふわと舞い踊る楽しい演奏が。
短い時間にも「parachute」と「Rum Hee」をしっかり入れてきての大満足なライブ。「Rum Hee」の間奏で急いだようにメンバー紹介するの好きなんよなー。



なかなか変わったフェスでした
インドアなネイチャー/サブカル色が強い?
ってか今回のメンツが客巻き込みとか客席練り歩きとか変な人達ばかりだった気が(笑)
客席の照明が明るめだったりでなかなか癖のある空気だったけど、こんなフェスもあるんやなぁと楽しめた!