soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2017/12/22 ZAZENBOYS @ 梅田クアトロ

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ZAZENBOYS、10年間ベースで支えてきた吉田一郎が在籍する最後のツアー、のファイナル。


今の4人の終着点。冒険するでなくひとつの完成形。各曲をコンパクトにまとめながら、いままでやってきた要素をがっつり織り込んだライブでした。
感情的な部分はあえて抑えてたようにも見えた。バンドの演奏と絆の結末を見せてくれた。大好きなZAZENたった!


MCらしいMCはほぼ無し。アンコールで向井が”2017年を持って、吉田一郎がZAZENBOYSを去ります”ぐらい?それがZAZENらしいのかもしれない。



セトリは3rd以降が多かったかな?吉田さんのベースが生きたのはそこらへんだもんなぁ。



3曲目で「asobi」。ブレイクからベースが戻ってくるとこで向井の演奏ミス(?)。キーボー土から余計なマシンビートが鳴り始める。小さいベース音とダブ的なビート処理で持ち直して2回目のベース爆発!今日のハイライトでしょう。
このミスとリカバー。あそこは綺麗にキメるのが美しかったのか。それともミスを挽回する4人の絆を確認できたことが美しかったのか。どちらにせよ吉田ZAZENの歴史に残る名場面でありました。


ひっさしぶりな「Friday Night」から「Week End」の流れはよかったな。高音ベースが昨日見たサニーデイ・サービスの「Summer Baby」を思い出す。吉田さんと田中さんのベースは音数は対極中の対極だけど芯のぶっとい音は似てるよなぁ。


「SIGEKI」のイントロはたまらんかった。自分がZAZENを好きになったきっかけの曲。終盤はビート感より暴れるカシオマンのギターと爪弾く向井のギターが絡み合うトリップ感がやばかった~。
「HONNOJI」はオリジナル版に比較的近いverに戻ってきた。吉田ZAZENを代表する曲!


「はぁとぶれいく」は今のZAZENで一番好きな曲になってる。今回のライブでも一番身体が動いた。
左右にステップを踏む向井の後ろで同じステップを踏む吉田さんに涙。
「破裂音の朝」もホント好き。ZAZENのオリジナルは向井とカシオメンなんよなぁ、とまた泣きそうに;


本編のラストは「自問自答」。異常なほどに胸に響いた。熱があるわけでなくどこか淡々とした自問自答だった。それが余計に響きました。


アンコールは「SUGER MAN」からの「KIMOCHI」。
”きもピ”とか言わないで真面目に歌う向井さん。変に溜めずにストレートに歌ってた。無駄なことはいらんとばかりに。めっちゃ胸に響いたけど一番響いたのはすぐ側で聴いてた吉田さんだろうな。
Aメロでのギターの挟み方の大人っぷり、スネアのオカズの入れ方、自由に動き踊るベース。そしてシャウトも溜めも多用せずにストレートに歌われたボーカル
いままでにないZAZENだった。激テク、激情を越えたGOOD MUSICが終着点だったのかと思うとウルッとします。





今日のZAZENは全体的に爆発、オン/オフの過激な切り替えより一定の波のコールドなビートでグルーヴしていく感覚がありました。


気迫、緊張感、冒険心、幸福感、ロック衝動、爆発力……これらは4人の全盛期(4thから5thのあいだだと思ってる)より正直劣ってたとも思えた。
でも4人で長年やってきたからこその空気があった。それは「kimochi」の大人っぽいジャムにも感じた。GOOD MUSIC奏でる人たちになってました。


松下さんは安定のドラム。カシオメンは若干調子が悪かった気がせんでもない。というか音が小さかった?
向井さんはボケすぎずに細かいボケをかましてた。感情揺さぶりすぎると泣いちゃうんじゃないかってな静けさもありました。
そして吉田さんは必要以上に気合を入れる(ように見せる)でもなく、低音で支え、カウントをとって……個人で前に出ることより4人で演奏しているのが楽しくてしかたがない。ってな風に見えました。




確かにZAZENは次の(別の)フェーズに進むにはメンバーを入れ替えるでもしないといけないのかな、とも思った。一周した感はある。
でも吉田さんカウントが完全にフィットしてるのとか見ると……ホントに替わりおるんかいなー、と思わずにはいられない。


いまの自分がこんだけライブに行きまくるようになったのは大阪市大の学園祭に潜り込んで見たZAZEN。その直後に衝動的にBIGCATに観に行ったZAZENがトリガーだったのは間違いありません。
そのときは吉田一郎ZAZENがスタートした時期だった。今夜はなんか自分の中で一つの節目になるような、そんな気がしてなりません。
吉田さんのベースは聴いたことな音を出しててホントに衝撃だった。
10年間おつかれさまでした!またどこかでベース弾いてるの見れたらいいなぁ




アンコール終わりに吉田さんが出てきて短い挨拶。
「ありがとう……また(なにかに気付くように詰まる)」
「お気をつけて」
でした。
最後の言葉が「お気をつけて」なのは吉田さんらしいなぁ。