soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2018/03/08 山本精一 ~リズムとギターによる複数のアンサンブル~ @ 難波ベアーズ

f:id:soundwing:20180308192817j:plain


山本精一さん。リズムマシン v sギターと称されたライブ。
音源化して欲しいレベルの名演でした!!


ビートにこだわらずお経も飛び出すリズムマシンとの共演もさることながら、演奏が純粋に素晴らしかった!
先日の想い出波止場に行った人なら笑いと感動で満たされる最後の2段オチも見事。いや〜、よかった!





フロッピーを使うリズムマシン & PCで音を流しながらギターを演奏。山本さんがたまにやるスタイルではあります。ルーパーも多用してて音に厚みがありました。
2部制で各1時間ほどの演奏。


第一部はリズムマシンを使ってもほとんどビートを鳴らしてませんでした。
鳥の鳴き声、般若心経、葬式の鐘、話し声、心電図……などの環境音。
そこに乗るギターの音色の厚みと完成度がすごくて!リアルタイムでサウンドトラックが作られていくかのよう。
それも極上の!


般若心経に絡むサイケなギターは新感覚だし、心電図に音響派なギターを絡めるのはすこしブラックでクスッとしました。昇天していく……。
ギターの演奏が全体的に活き活きしてました。ロングトーンより短い音を練り重ねていく。
独特の世界観を味わえた第一部でした。



休憩を経ての第二部はシンプルなビートに合わせてギター。
ギターキッズならまず一度はやるコトだと思いますが、名ギタリストの山本さんがやると……素晴らしい演奏に!
かなりファンキーな演奏でヒャッホー!とか叫びだすんとちゃうかと思ったほど;


演奏はよくやる音響派系統、サイケ系統、クラシカル系統とも違う新たな側面。ひたすらロックな演奏。
リズムマシンに乗って弾きまくるギターキッズな空気がありました。


ネックの端から端まで指を滑らせてギュイギュイギュイーンとゴキゲンに鳴らす珍しいプレイもありました。


この日の山本さんのギタープレイはAlbumLeaf等のポストロック/ニカ系の繊細さ、nabowa等のインスト系のオーガニックさがありました。名作のサントラのような響き。
それでいて実験性やテクニカルな面もがっつり詰め込んでる。素晴らしいとしかいいようのない演奏。


シンプルなビートに合わせてガンガンに弾きまくるギター。そこにPCからアフリカ民族系の歌も聴こえてくる。
そのまま高まっていって、シャーマニズム系大トランス状態に!一人でやってるとは思えない音の厚み。一人ROVO、一人Juno Reactor状態!興奮!!


演奏がノリにノッてるトコに、ビートが”カーン!カキーン!”と一定間隔の鉄打撃音に切り替わる。こりゃいいインダストリアル・ビートだ。微妙にリズムがヨレるのが良い。そこに乗るゴキゲンかつ切れ味のあるギターがまたカッコよくて~。


鉄打撃音をプツッ!っと切って唐突に終了。これまたよし。
”今のは鍛冶ですね”とネタばらし。なるほど!天然のインダストリアル・ビートだったか!



アンコールは”最後は気持ちよく終わる感じで”、とまったりめのギターでスタートするも、1分でビートを鳴らしてまた弾きまくる。
ちょいブレイクビーツ系のリズムに優しくも弾きまくりなギターが絡んで……こりゃ気持ちいいや~。


1部2部で違ったスタイルが聴けて、アンコールも気持ちよくて今日は最高やな……と浸ってると、突如聴こえてくる”ビョンビョビョン♪ワン!ワン!ワン!”のリズム。
先日の波止場で会場の失笑を誘った「エーデルワイス」です。感動を1秒でぶったぎるフニャフニャビート(笑)


”ビョンビョビョン♪ワン!ワン!ワン!(エーデルワイス)”で脱力…かと思いきや、このビートに合わせてニール・ヤング的な感動的な歌モノロック伴奏を重ねはじめる。
これが素晴らしくて……あのビートがこんな輝きを持つなんて。問答無用で感動しました。見事な二段オチ!


生き生きとした山本さんのギター演奏。
2つのスタイルのリズムマシンとの絡み方。
シリアスだけど遊び心を忘れない姿勢。
やー、素晴らしい演奏でした!今年の山本さんソロのベストライブ候補!