soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2018/05/30 Ludovico Einaudi @ ザ・シンフォニーホール

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最強のふたり』の音楽も担当したポスト・クラシカルの巨匠・ルドヴィコ・エイナウディ。めっっっちゃ良かった!
いまライブはポスト・クラシカルの時代だな!




6人編成で全員がマルチ演奏者。
ピアノ、ギター、ベース、鉄琴、チェロ、ヴァイオリン、パーカッションなど大量の楽器を演奏して6人とは思えない大迫力なサウンドを繰り広げていました。


曲が進むにつれ”音量”と”密度”が高まっていく曲展開がほとんど。完全にポストロックのカタルシスでした。全曲がシガーロスの「Varuo」レベルの興奮がありました。あの高まりと力強さ!
モグワイシガーロス好きなら100%ツボ!


またクラシックホールでのライブなので笑えるくらい音がよかったです。
ピアノの残響音が、作り込まれたアンビエント・シンセのように澄んでいた。
パンディロが和太鼓みたいにパワフルだった。
CD音源より間違いなく音が良い。2018年ベスト音響候補かも。


ルドヴィコ本人はピアノオンリー。
他のメンバーは色んな楽器を担当。 さながらトクマルシューゴ・バンドのような面白さがありました。
おそらくすべてのフレーズを生演奏で再現してました。ルーパーも使ってない。
ギターは轟音が鳴ることはないけど音響系の音を扱うときもある。クラシックの範疇には収まってない。


パンディロ(タンバリン)がスゴすぎて感動しました。
パンディロひとつでドラムセット2台分くらいのビートが生まれてるんじゃ?ってな複雑なリズムを刻んでました。


ポストロックと同じクレッシェンド展開だけど轟音で盛り上げるのでなく、とにかく丁寧に音を重ねて盛り上げてた。
似たカタルシスだけど受ける感触は違う。新鮮でした。




物悲しいコード進行がほとんど。でも不思議と受ける印象は暗いだけじゃない。どこか希望を感じる。荘厳かつクラシカルな旋律のなかにポッとポップなメロディが入るからでしょうか?
クラシックとポップスの間……「菊次郎の夏」のような印象に残るフレーズがいくつも。映画音楽の人だなぁ。


自分にとってルドヴィコと言えば『最強のふたり』なのですが、そこからも劇伴曲をやってくれて嬉しかった。照明で盛り上げまくってたなぁ。


中盤には30分ほどノンストップでルドヴィコのピアノオンリーで聴かせるパートも。クラシカルなピアノの中に馴染みやすいメロディの嵐でした。これぞポスト・クラシカル。
映画のオープニングで奏でられたら、一発で”あ、この映画は良作だぞ”ってなるようなメロディ。



クラシックだけでなくポストロック・ファンにも届く素晴らしいライブでした(むしろそっちのファンの方がウケが良さそう)
なのに客は少なかった1,700席のうち200埋まってるかどうかぐらいだったんじゃないかな?若い人、ロック好きそうな人も少なかった。もったいない!


こんなんポストロック好きなら絶対好きでしょう。
もの悲しい旋律。色んな音が含まれるバンド構成。音が重なって盛り上がっていく快感。たまんない!