soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2019年に見た映画・良かった映画

2020年も四半期が過ぎたいまになって、ようやく2019年を振り返る記事シリーズをアップしていきます。まずは映画~。
見た数は34本。奇しくも昨年とまったく同じ。


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音楽ドキュメンタリー/音楽伝記は2本と少ないながら強烈な2作だった!
Tribe Called Discord - GEZAN Documentaryはバンドに焦点を当てずにバンドを語るすごい話。GEZANとの接触があったから発生したドラマではなく、世界でずっと続いているリアルを描くことでGEZANという存在が浮き出てくる。

対して細野晴臣さんのNO SMOKINGは徹底してまったり。愉しそうに音楽を演奏/実験する細野さんに人が集まってくる心地よさに溢れてるα波映画でした。


アニメトイ・ストーリー4インパクトがすごかった。ギャグもワクワクも最高。ただテーマ/エンドをどう受け取るか……。

シュガー・ラッシュ オンラインレゴ・ムービー2と1が傑作だった作品の続編が公開されました。
どちらも1と比べるとインパクトは弱いけど前者はネット要素のメタ描写が秀逸。後者は”あ、この展開は見事だ”と感心するカタルシスは再度。前作を見ているなら間違いなく見ておくべき作品!


邦画も良い作品が生まれています。
粗さがありながらも攻めまくってたインディーズなメランコリック。バイトをはじめた銭湯が夜は死体処理に使われていたって設定でもう勝ち。

『アノ世界の片隅に』と並んで戦争被災の中心を描かない戦争モノであり大号泣必須のあの日のオルガン疎開保育園の物語。人間の強さ。戦争の辛さ。子育ての大変さ。笑い。涙。学べるものがいっぱい。

そして日本の町並みの美しさを見事に切り取ったわたしは光をにぎっている。画のチカラは本年イチかも。演技、ストーリーも素晴らしくて”映画”の良さが詰まってる作品。


洋画は良作多すぎて~。
インド映画関連でいくと
映画史に残る名スピーチに感動した女性生理用品を普及させた男の伝記映画・パッドマン

『きっとうまくいく』の監督がスターの没落と復活をスペクタルに描いた、こちらも伝記のSANJU。コメディ、ミステリー、社会批判、感動、……多方面から楽しませてくれる傑作。

展開が読めちゃいるのに映像と音楽の力で号泣を引き出したバジュランギおじさんと、小さな迷子
全員が嘘つき/裏切りモノ、最低最悪なヤツらが繰り広げるピンチに次ぐピンチ。ドキドキが止まらない盲目のメロディ インド式殺人協奏曲

そして、番外的にヴィクトリア女王の晩年をインドからやってきた従僕との心温まる交流で描いたイギリスの伝記映画・ヴィクトリア女王 最後の秘密

と名作揃いでした。全部必見の物語ばかり。3作が実話に基づく伝記モノです。あの国はリアルからしてスケールがすごんだなぁ;


女王といえばエマ・ストーンが見事な下剋上悪女を演じた女王陛下のお気に入り。騙し合い、落とし合い、マウントの取り合い……人間の醜い部分が凝縮されてるのにどこか滑稽で不思議と笑えてしまう。美術がまた素晴らしい。

そちらとアカデミー賞を争い作品賞を掴み取ったグリーンブックも必見。黒人ピアニストと白人ボディガードの凸凹コンビ。エンディングはほっこりした笑い声が客席から漏れたのが印象深い。良い映画をみたって気分になりました。

同じく黒人差別を描き、比較されたブラック・クランズマンは麻薬捜査スパイをエンターテイニングしたタッチで書きながらもエゲツない差別の問題をえぐり取った問題作。ドキドキのエンターテイメントからズコーンと現実に突き落とされる絶望。

問題作といえばジョーカー。世間で言われるほど感銘を受けたわけではないけど……見ておくべき作品なのは間違いない。ゾクゾクするいくつものシーン。振り返れば振り返るほど深みを増していく気がする。

ネトフリからアカデミー賞ノミネートで話題になったROMA。納得させられる映像美、音響美。そしてストーリーの深さ。

ホロコーストを生き抜いたユダヤ系老人が旧い友人に会うためにドイツを横断してポーランドへ向かう家へ帰ろうも深い映画でした。クスっと笑える道中でもうっすらと続く緊張感が、ラストの3分で一気に開放される気持ちよさはたまりません。

コールセンターのみで映画を一本描いた冒険作THE GUILTYも面白かった。本当に電話をする主人公しか描かれない。己の想像を越える描写はないのかもしれない。

大学図書館から高価な図鑑を盗んだ実話を元にした伝記・アメリカン・アニマルズも実際に犯行に及んだ少年たちのインタビューを間にはさむ独創的な構成をした意欲作。また構成が活きてくるのがすごい。良作。

今さら言えない小さな秘密は自転車に乗れないのを隠している自転車屋というかわいらしい設定を素晴らしい教訓の話へと昇華したハートフルな一作でした。登場人物が愛おしすぎて客席から優しい笑い声が。今まで見た映画で一番ほっこりした気持ちになった映画。

そしてついに続三部作を完結させたスター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け。個人的にはめちゃくちゃ面白かったです。アレだけ荒れた新三部作を見事に終わらせたなぁと。最後のセリフで涙が。



総合的なNo.1は今さら言えない小さな秘密。このほっこり感にはやられました。自分があんなに優しく笑えたことが過去にあっただろうか。
続いてアメリカン・アニマルズわたしは光をにぎっているグリーンブックあの日のオルガン……といったところです。
ほんと良作が多かった!この記事でとりあげたのは全部見てほしい作品ばかりです。


あと、2019年は映画.comにレビューを書くようにしました。各作品の詳しいレビューが見てみたい人は下記まで~。
感じたことをまとめて、残すことには意味があるはず。
kizkizさんのMyページ(映画レビュー) - 映画.com

もうひとつ。2019年の私的ベスト10の予告編をプレイリストにまとめてみました。
サラッと見て気になる作品があればぜひどこかの機会で見てみてください。
面白さは保証します!
www.youtube.com


2020年も良作ラッシュでスタート……したのですが、いまはコロナで映画館にもまともに行けない状態。
今年中に行けるようになるのでしょうか?
世界のエンターテイメントが早く復活するのを心から祈っています。

【音楽ドキュメンタリー】

Tribe Called Discord - GEZAN Documentary
NO SMOKING

【アニメ(2D・3D・ストップモーション)】

シュガー・ラッシュ オンライン
トイ・ストーリー4
レゴ・ムービー2
エセルとアーネスト ふたりの物語
映画 すみっコぐらし

【邦画】

わたしは光をにぎっている
愛がなんだ
あの日のオルガン
メランコリック

【洋画】

ヴィクトリア女王 最後の秘密
パッドマン
今さら言えない小さな秘密
アメリカン・アニマルズ
THE GUILTY
運び屋
たちあがる女
マイ・ブックショップ
ROMA
グリーンブック
ブラック・クランズマン
僕たちは希望という名の列車に乗った
SANJU
シング・オア・スイム
バジュランギおじさんと、小さな迷子
家へ帰ろう
エイス・グレード
女王陛下のお気に入り
ボーダー 二つの世界
エスタディ
ジョーカー
盲目のメロディ インド式殺人協奏曲
スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け