soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

C70その22 idealized / zephlabel[Ethnotronica]

民族色が強い電子音楽を作るashaさんのソロCD。素晴らしい出来。


お得意の大自然の力を感じさせるような力強い音楽です。聴いていると異国の地にいるかのようなビジョンが浮んでくる。
今回はアイリッシュパイプ(たぶん)を多用。生演奏なのか?
パイプの美しい音色、民族風の声ネタ、エレクトロニカな音、トライバルなリズムが高次元で絡み合って気持ちよすぎる。最高です。
民族要素+電子音楽=映像が浮ぶ音楽ってことでエニグマに近いものがある。激しいエニグマ


アルバムの幕開けに相応しい、壮大な①から始まります。②はアグレッシブなパイプがカッコイイ。このパイプのフレーズがアルバムで一番好きなフレーズです。③はおそらく巨人の森をイメージしたであろう勇ましい曲。
迫力がある曲が3つ続いた後にくる④はエスニック調の曲。華やか。⑤は民族要素は少なめ。跳ねたリズムが良い。⑥はzephlabelの「interregnum」に収録された高速アートコア。
⑦はリズムがほとんど無いエレクトロニカ。浸れる。⑧はコブシの聴いた声ネタや三味線などの和の要素が入ってます。モロに和なわけではなく、民族っぽさも電子音楽もごっちゃにミックスされている面白い曲。⑨はギター(?)が印象的。展開がドラマチックです。
⑩「ruin and rain」はタイトル通りの雰囲気を醸し出している、寂しさを感じる曲。タイトルトラック⑪は大人しいながらも芯の通ったなにかを感じる。ちなみにタイトルの意味は「理想化する、理想を描く」の過去形だそうです。⑫はもの悲しいながらも希望を感じる曲。
⑬は声ネタが耳に残る、ゆったりとした曲。ラスト⑭は浮遊感漂うエレクトロニカ。最後の「ゴーン」という音が印象的。


かなりクオリティが高い。唯一、気になる点はアルバム後半が大人しすぎたかなぁ、という事。開始3曲のような力強さを持った曲が後半に一つぐらい入っていた方が、流れ的にだれにくかったかもしれません。まぁ、そんなに気にならないですが。
最近は同人界で民族系(特にボーカル曲)が流行ってきてますが、このCDはそれらとは比べ物にあらないほど力強くて、曲の世界に浸れます。なんといっても、曲から感じる「力」が違う。


本当に良いCDです。超オススメ。民族系が好きな人は聴かなきゃ損です。もちろん特別民族系が好きな人でなくとも気に入ると思います。
同人系ショップでなくともTOWER / HMV / Amazonでも買えますよ。