soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

ナルキッソス2 / ステージ☆なな

名作として名高い「ナルキッソス」の続編。前作も一緒に収録。プレイ時間は「2」が2時間ほど、「1」が1時間半ほど。


前回の話の過去の話になります。
ホスピスの7Fに行く前のナツメと7Fの患者との交流を描いた話。


前作は観念的/雰囲気重視な感じでしたが、今作はよりストーリー的なものになってる。
で、プレイした感想は……面白いっ!
生と死を扱った重いテーマではあるものの、ドロドロした雰囲気ではなく不思議と気持ちよくプレイできました。
ちょっとした言い回しや展開の持っていき方に思わず「巧い!」と唸ってしまう。ここらへんはさすが。
名セリフ、名シーンの連発で胸が熱くなりっぱなしでした。
親友と再会したシーンはマジで泣いた。
「1」をやっているとハッと思わせるネタがいくつも入れられているのも良い。


文章以外の面も秀逸。前作と同様の画面レイアウトも効果的に使われているし、シーンに合わせて挿入されるボーカル曲もタイミングばっちりで感情を揺さぶられる。
さらに、章間の章セレクト画面の使い方もうまい。一本道なんで本来まったく必要の無い画面なんですが、曲を流したままにしたり、タイトルで先の展開を暗示させたりと効果的に使われています。
あえてシンプルな作りにしてる分、一つ一つの要素がダイレクトに響いてきます。


ここまで完璧な続編というのは滅多にないんじゃないだろうか。
(特にノベルゲーの)傑作の続編ってのは無駄な設定が足されてたり、雰囲気が変わってたりと期待を越えることはまず無いんだけど、このナルキッソス2は前作をより魅力的に見せながら、「ナルキッソス」という作品をより高い次元に持ち上げてる。
前作とどっちが面白かったと問われると「どっちも面白かった」としか言いようがないです。
というより「1」と「2」は別個のものと考えるより「2つで1つ」と考えたほうがいいのかもしれない。一緒に収録されてるわけだし。


ダウンロードページに「プレイ後にナルキ1をやってみたいと思ってくれたらうれしい」って書いてたけど、そりゃあ、こんなの読まされたらプレイしたくなるわ。
個人的には「1」→ちょっと時間を置いて「2」→もう一回「1」というプレイ順がオススメかな。


フリゲ、いやむしろノベルゲームの歴史に名を刻むであろう名作!
プレイした後にはナニカが体の奥から湧き出てくる。そんな作品です。
その湧き上がるナニカを文章にしたいんだけど、自分の文章力じゃ文字に起こせませんorz