soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2013/02/10 週末と音楽vol.10(柴田聡子、ルイリロイ田中、井上智恵) @ R公会堂

家から徒歩10分の場所に約1年前に出来た小さなライブスペースでの月例イベント。
前日に京都でya-to-iのライブに参加した柴田聡子さんが来るってのに興味を持って行ってきました。


本イベントは二回目の参加。前の出演者が手伝ってたのが印象に残ってます。それだけここが居心地の良い空間なんだろうな。


柴田さんのネームバリューの力でMAX15人くらいの小さな店は満席。
コテージでみんな肩を寄せあって歌を聴いてるみたいでした。

井上智恵

レトロなカシオトーンシンセのインスト・ソロ。
今にも壊れそうな旧時代の音。超チープなリズムボックス(シンセに備え付け?)を使ったりもしてました。


旧式の電子楽器が奏でる音楽はゲームっぽい、とテンプレな感想も浮かんだけど、どちらかといえば昭和の裕福な家庭で親が子に演奏を聴かせてたのってこんな感じかなぁとか思いました。真顔で聴いてて終わったら「お父様、お上手ですね」みたいな。


音楽的に面白いかは微妙だけども色々想像したら楽しくなってくる。


ルイリロイ田中

鋭い目つきをした青年。ブルースにインスパイアされたアコギのインスト。


黒人のグルーヴってより鋭さが際立っていて一部のフレーズはメタルにも聴こえた。
ギターテクもあるしフレーズもかっこいい。なかなかよかったです。


最後はボーカル曲のカバーで締め。

柴田聡子

ya-to-iからニ夜連続の柴田聡子さんです。
カープファンの女の子』からスタート。
エレアコでマイクありだった京都に対して、この日は生のアコギに生の歌。
それだけでだいぶ印象が違いました。躍動感、安心感、必死さなどが強調されててより親しみやすい音楽になってた。


曲が終わった時のキョドりっぷりはそのまま。むしろひどくなってるかも。音の響きを伸ばしている……わけでもない気がするんだよなぁ。なんなんだろう、あの動きは。


前半は緊張してる風でしたが、女店長の「柴田ちゃ?ん」って呼び掛けから一気にリラックスしていくのがわかりました。店長ファインプレイ!


カープファンの子』『ロックスターを攻めるな』あたりは前日のライブと曲順が変わることでこうも雰囲気も変わるのかって驚かされました。基本的に尻上がりに調子よくなってく人ですね。
曲によってはミニマリズムを感じるギターフレーズもあって、シンプルな歌モノ”だけ”では終わらない部分も持ってるのが面白い。


”店”というより”部屋”と呼ぶのが似合う小さな空間で、穏やかに歌う柴田さんを囲みながら見てるってのがすごく温かい気分にさせてくれました。一人眠っちゃう方がいてその人に毛布をかけたり……とか青春映画のワンシーンみたい。


歌ってることはなんてない、けどちょっと耳を傾けたくなることを親しみやすいメロディに乗せて。
飾ることなく歌う柴田さんの姿は良い意味でアーティストらしくなく、女の子が良いウタでみんなと時間を共有する空間ができてました。





音楽がいいのはもちろん、R公会堂という空間がすごくよかったです。「あ、いま幸せだな」って思った瞬間があった。


柴田聡子さんに焦点を当てると前日より良かったです。
正直、京都ではあまりくるモノがなく「家の近場でも行くほどじゃないかなぁ」とかも思ったんですが行って正解でした。
シチュエーションで音楽って変わるもんだ。


来月は僕の大好きな白波多カミンさんが来るということでいまからめちゃくちゃ楽しみです!