soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2013/06/28 Mouse on Mars Japan tour 2013 (OA : オオルタイチ) @ CONPASS

ドラムは不在のデュオ体制での来日ツアー。
二人だけだとどうだろう?せっかくならドラムありで見たいし、同日にベアーズで山本精一×川端誠という面白いライブもあるし……と直前まで悩みましたが行ってきました。
マウス・オン・マーズ待望の来日ツアーが、プロジェクションマッピング仕様で凄いことになりそうです。 | Qetic」という記事にも釣られた。


客入りはフロアいっぱいだけど踊りやすいぐらい。キャパの6〜7割ぐらい?一番楽しみやすい人口密度です。

オオルタイチ

髪型が僕の好きなちょっとカッパっぽい感じの髪型に戻ってました。カッコイイ。


オオルタイチはCONPASSの音響とすごく相性がいい。ボトムがしっかり腹に伝わってきて最高でした。
MoMよりオオルタイチ目当ての人もいた模様で、前列は自由に踊ってる人がいてオープニングアクトながら盛り上がってました。
逆に笑顔で踊りまくる人に紛れてMOM目当ての年配の方が一切表情を崩さずに最前列位置をキープしてるという変な空間。


新曲(?)もあり。落ち着いたメロウな感じでなかなかよかったです。
ライブは『FUTURELINE』で終わり。『VENUS』締めが定番なイメージだったけど変わったのかな?もしくはMOMに繋げやすい空気で終わったんだろうか?


よかった。CONPASSのオープニングアクトオオルタイチはハズレなしです!


Mouse on Mars

『Twift Shoeblade』あたりのオサレなドラムンのイメージなんて皆無。ただジャンクなリズムとギトギトした電子音。全力で客とを突き放した音楽。
一般的なクラブミュージックのリズムから外れたドラムプログラミングは近年のベース・ミュージックに近いものがあります。でもこの二人は流行にノッたんじゃなくてゼロから作ったらこんな変態なリズムになっちゃったんだろうな、と思いました。わけの分からなさが段違い。もっと根本から破壊してる。客も戸惑ってポカーンとしてる人も多かったです。


どうノレばいいか頭じゃ理解できない。わかりやすいウワモノがあるわけでもない。ひたすら浮かぶハテナマーク。でもなぜか身体が自然に動き出してドーパミン吹き出すのがすごいところ。いつのまにか完全にMouse on Marsの音にハマってました。


曲はparastrophicsからがほとんどだったと思います。
6曲目くらいに『Wienuss』でようやく普通に一定のリズムでノレる曲がやってくる。この曲好きなんすよねー。良い感じに気持ち悪いシンセ『They Know Your Name』では声ネタに合わせてシャウトしてました。


ダブステップ、ジュークみたいなリズムも出てくるけど核にあるのはMouse on Marsとしかいいようがない音。ずっとわけの分からない音楽なわけですが、終盤にいくにつれフロアの様子もおかしくなって歓声が聴こえる頻度が高くなっていきました。終盤には熱狂状態といっていい状態。


最後の最後に『Polaroyced』で爽やかなメロディらしいメロディがやっと聴こえてきました。このときの気持ちよさはハンパなかったー。メロディのアンセム感はBorn slippyに匹敵するもんがありました。


最初は戸惑ってた客が終いには全力でアンコールを求めてダブルアンコールまでありました。最後に一瞬だけドラムンっぽい雰囲気が顔を出しましたがやはりオサレとは程遠い音楽でした。




プロジェクトマッピングは卓に置かれてる二枚のボードにVJが映るだけでそんなに面白くもなかった……とその時は思ってました。
でも今思うと、最新のプロジェクトマッピングを駆使しながらあえて地味なことをやることで”空間”の広がりをあえて減らしていたのかも。この日のライブはマニアックな音が”クローズ”で”スペシャル”な空間で鳴ってる、っていう印象が強くあります。プロジェクトマッピングは無意識化で有効に動いてたのかも。


音も視覚もパッと触れたらハテナマークが浮かぶばかりでいいとは思わない。けど身体の奥底で変な作用を起こしてきました。
流行や一発アイディアで人気を得るアーティストとは違います。Mouse on Marsを語るときに”実験的”という言葉が使われるのがよくわかりました。



バキバキ。でも知能指数はめっちゃ高い。
完全に持ってかれた。
行ってよかっったー。