soundwing-あの素晴らしい駄文以下のなにか

関西(大阪)のライブレポートを中心に更新。昔はフリーゲームや同人音楽のレビューをしてました。

2014/03/12 Niacin @ Billboard Live Osaka

元・MR.BIGの激ウマ・ベーシストとして有名なビリー・シーンが率いるフュージョンバンド・Niacinのライブに行ってきました。
自分の中でビリー・シーンMR.BIGよりスティーヴ・ヴァイのバンドのベーシストの印象が強いです。


Billboard LiveのカジュアルE席(一番後ろの列)にはじめて座りました。いつも座ってるD列から一つ後ろになるだけでだいぶステージから遠くなるなぁ、と感じました。あとD列と段差があまりないので前の人で見えなくなること多し。これからは早めに予約してD列を確保するようにしよう!




Niacinはベース、ドラム、ハモンドオルガン/キーボードのスリーピースバンド。
3人とも演奏力がハンパなかったです。一寸狂いもなく合わせる神経質な上手さ……というより適度にバラけながら個人のテクニックが前に出る演奏。


3人ともすごいんですが、やはりビリー・シーンはスター性の面で抜きん出てます。
一曲目「Montuno」のベース・ソロでさっそく4フィンガーによる超高速弾きを披露し、そのスゴさに思わず笑ってしまいました。こっちの想像のひとつ上をいとも簡単に跳んで行った。
そのあとも(ベースで!)ライトハンドやったり、メロディアスなソロを奏でたりとスーパープレイの数々を見せつけてくれました。テクニックがすごいだけじゃなく身体の動きも合わせてエネルギッシュなプレイ/音が熱くさせてくれます。


ドラムのデニス・チェンバースも手数が多くてすごかった。パワーのあるプレイというより細かいフレーズを大量に入れてくるタイプのドラマーでした。会場がBillboard Liveというのを抜きにしてもとても綺麗な音でした。ドラムソロもあってすごかったなぁ。難解なフレーズを楽々と叩いてる余裕っぷりに惚れます。
あとダブルバスドラの正確さと爆発力。それまで普通のフュージョン系リズムを叩いてたのに急に次の小節の頭にトップギアの高速バスドラが鳴り始めたりする。しかもそれが1分ぐらい踏み続けてる。高速すぎて地響きみたいでした。これもビリーシーンのソロよろしく思わず笑っちゃいました。


キーボードのジョン・ノヴェロは二人に比べると目立たないけども器用にハモンドとキーボードを使い分けて演奏してました。「鍵盤は速く弾けるもんだろう」的な印象もあるのかソロのあとの拍手が3人のなかで一番少なかったのがかわいそうでした。


曲は最新作から多めでした。旧作からは「Montuno」「One Less Worry」「No man's Land」など。「No Man's Land」のビリーのベースは圧巻。ウニョウニョと動き回るベース・ラインはさながら獲物を捉えるヘビのよう。
アンコールではWeather Reportの「Birdland」のカバー。イントロのメロディアスなベースでめっちゃテンション上がりました。ギターより表情のあるベースなんてそうは聴けない!オリジナルよりキーボードがピコピコしてる印象があって楽しいフィナーレでした。


テクニックはすごいし、見せつけるところをしっかりと用意してるんだけど曲はポップな感触があります。とても聴きやすい。
キーボードとベース・ソロでバトルをするシーンも。ハモンドオルガンよりベースの方が音が詰まってるって……。あまりにすごくて客席があっけに取られてる場面もありました。


キーボードの設定をミスってリズムループが暴発しちゃうってトラブルもあったんですが、それを上手く笑いにして暖かい空気を作るビリー・シーンの人間味も良かった。
客の年齢層は高かったけど小難しい感じはまったくしないライブでした。


たまにはこういう大人の音楽も聴くといつもと違う細胞が刺激されて良い!